仮面舞踏会

必要なのは仮面一つ
互いの素顔隠したまま
12時の鐘が鳴りやむまで
永遠に踊り続けましょう
あなたと私

escape lovers

「いたかー？」
「いないなー、こっちじゃないんじゃないの？」
ちらほらと数個のランタンの光が見える。僕らを捜しにきた村人だろう。聞き慣れた若い声が幾つも耳に届いた。
「つーかホントに逃げたのかよ」
「もう森抜けちゃってたら見つからないわよね」

嘘つきの恋

君の声が僕の名を呼ぶ。
ただそれだけで心が震える。
『嘘つきの恋』
ああ、また泣いている。
ポロポロとこぼれ落ちる涙を拭う華奢な指先。その手に触れてみたら、君は一体どうするだろうか。

手鞠唄

瞳を閉じて貴女への想いを口ずさむ。
叶わぬと知っているからこそ、なお焦がれてしまう。
きっとこれは、私の唄。
『手鞠唄』
貴女に出会う前の事は覚えていない。