最近の投稿作品 (21)
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【がくルカ】大晦日【V市駅南住宅街】
毎年のことながら年末寒波が日本列島を覆っている。ショッピングモールの屋上駐車場から見える街並みには薄っすらと雪が降り積もっており、まるで粉砂糖をまぶしたようだと考えたのは空腹のせいだろうか。
大晦日の日の入りが近付いた頃。やっと大学が冬期休暇に入り、バイトも納めたがくぽとルカは、最近話題の映画を観に郊外の大規模商業施設へと足を運んでいた。飲み物と某やめられない止まらないスナックの味をしたポップコーンを抱え意気揚々と第3スクリーンへと消えていった彼らは、2時間後にズビズビのべしょべしょに泣き腫らした姿で無事発見された。
一度顔を洗いにそれぞれがお手洗いに入った後、気を取り直して晩ご飯を考えようとしたが、双方まだ頭が回りきっておらず面倒になり、結局大晦日だし蕎麦で良いじゃんということで少し混雑したうどん屋に入店した。お出汁のいい匂いが漂い、映画館でポップコーンを食べたばかりであるにも関わらず腹の虫がぐぅと鳴いたので二人は苦笑いすることとなった。
「にしんそば定食をひとつ」
「わたしは天ぷらそば定食で」
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【ゆるりー誕】マッドサイエンティストと検体ちゃん【大遅刻】
ヂッと苦しげな悲鳴をあげて死んでゆくマウス。
また、失敗か。
顔を顰めつつそう呟いた男は、一応その哀れなマウスを弔い、その後ため息を吐いた。
今日は、折角の人間の検体が手に入るというのに。
少しずり下がった眼鏡を指で押し上げながら、インスタントコーヒーを啜る。
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L'adieu
いつもは騒がしい茶猫家に、今日はピアノの音色が響く。
何事かと早く起き出した茶猫は、右手で三連符を叩き続ける人影を発見した。
(…ルカさんか)
真剣な表情で楽譜と鍵盤を交互に見ているが、ちゃんと弾けている。
(初見演奏ですか出来るんだ羨ましい)
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【めー誕】La distance heureux
寒い。
寒すぎる。
どうして今年はこんなにも寒いんだ。
雲に隠れてなかなか顔を出さないお天道様を恨みつつ、今日も自転車を漕ぎだした。
「あ、メイコおはよー!」
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Trick ____ Treat
さてさて今宵は楽しいHalloween.
こわーいお化けの格好をして、いろんなお部屋に行きましょう!
扉を叩いて言う言葉は…?
『Trick ____ Treat』
「ルカちゃんルカちゃん!!Trick or Treat!!」
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キミは、誰?【連想ゲーム】
あれは、いつだったっけか。
『ねえ、キミもひとりなの?それならいっしょにあそぼうよ』
友達がいなくて、一人で遊んでいたオレに声をかけてくれた、オレそっくりの女の子。
『ぼくと…?いいの?』
それまで友達と遊んだことがなかったオレは、どう接したらいいか分からなかったっけ。
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【ミク誕】白詰草
「私のものになって」
子供の頃、約束したよね。
なのに貴方は、どうして、どうして、
他の女の所へ行ってしまったの?
え?そんな約束をした覚えはない?
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幼馴染とぶっ飛んだ世界【オリジナル】4
唐突。めっちゃ唐突にルカは言った。
「魔界に練習に行くよ!!」
「よーしがっくん、準備は出来た?」
開けっ放しの窓からルカが入って来た。
……何かもう、慣れてきた。
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【がっくん誕】Polka
「がっくーん、あっちまで走ろう!!よーいどーん♪」
いきなり走りだす桃色。
「オイちょっと待てルカ!!転ぶぞ!!」
慌てて追いかける紫色。
今日も始まる、速い2拍子のリズム。
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雨
雨が降る。
今日も、昨日も、きっと明日も。
そして、私の心も。
何でかな。
こんなにも頑張っているのに。
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僕ニ、気付イテヨ
君はどうして他の人間にその笑顔を向けるんだい?
君はどうして他の誰かをその瞳に映すんだい?
君は、どうして、どうして、
僕の事が、見えないんだい?
青い青年は、赤い女性を哀しげな目で見つめる。
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【グミ誕】わらってよ
とても欲しかったものがあった。
夕暮れ時に輝く、綺麗な三日月。
だけど、それはどんなに手を伸ばしても届かないところにいってしまった。
「また会おうね」と別れた時の、君の笑顔。
お揃いのストラップが、夕焼けの色に染まって揺れた。
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Gold Moon
「めー姉、おかえり!」
「ただいま、リン」
仕事帰りのめー姉を、駅まで迎えに行く。
これはいつもの日課なのだが…。
「めー姉、ここ、何処?」
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【ハロウィン】お菓子をくれなきゃ…
ハロウィン
精霊や魔女から身を護るために仮面を被り、「Trick or treat」と言って、お菓子をくれなければ、悪戯をしても許される日。
でもね、
たまーに、「本物」がいるから気をつけてね。
特に、夜中に一人で帰る大人たちは、ね?
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再会~僕の可愛いお姫様~ 後編
僕の可愛いお姫様。
もう、置いていったりしないからね…
~カイトside~
キーンコーンカーンコーン…
やっと下校時間だ。
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再会~僕の可愛いお姫様~ 前編
『グスッ…こわかったよぉ…ヒック…』
『だいじょうぶ、ぼくがずっとまもってあげるからね』
~メイコside~
ジリリリリリリ!!!
「むにゃぁ、あと5分…って駄目だ、私!起きるんだぁぁぁ!!!」