欠陥品の手で触れ合って・第二楽章 5 『Gabbia uccello』

投稿日:2009/06/09 00:32:17 | 文字数:2,093文字 | 閲覧数:601 | カテゴリ:小説

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欠陥品の手で触れ合って・第二楽章5話、『Gabbia uccello(ガッビィア・ウッチェロ)』をお送りいたしました。
副題は、『鳥籠』です。
拉致監禁されております。
お気づきのとおり悟道パパもドSです。
凛歌のドSはたぶん遺伝でしょう。
そんなことより、帯人が名前しか出ていなーい・・・。
皆様、苦情はアカイトにお願いします。

それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました。
次回も、お付き合いいただけると幸いです。

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TEXT
 

息苦しさで目を覚ますと、石造りであるらしき、小さな薄暗い部屋だった。
息苦しいのは、猿轡を噛まされているせいだ。
口の中に、猿轡とは別に、細い金属の鎖のような感触がする。
体の動きを抑制されていることに気付き、見下ろすと、野暮ったいワンピースに似た拘束服を着せられているらしかった。
胸の上下を走るベルトで上腕を固定されている。
後ろに回された両手首は別々に、手錠で背後のパイプのようなものに固定されていた。
両足首も、正座を崩したような姿勢を取らされた上で、別々に手錠でパイプに繋がっている。
最も腹立たしいのは首元。
革製の首輪を巻かれている。
首輪からは鋼鉄の鎖が伸びていて、壁に備え付けられた金具に繋がれていた。
身につけていたアクセサリーの類も、すべて取り払われている。
魔術的な処理をまったく行われていないペンダントや、左手の指輪まで外されていることに、怒りを覚えた。
猿轡で呪文の詠唱を封じられ、拘束服や手錠で身体の動きを制限され、完全に武装解除され。
私は、ほぼ完全に無力化されていた。

「おや、目を覚ましたようだね。わたしの愛娘は。」

視線を上げると、目の前にアカイトを従えた悟道が立っていた。
私は声一つ立てず、頭の中をオープンにする。
そのまま、頭の中である単語を連呼し始めた。

「お前を無力化するのに拘束は已む無し、着換えさせたのはアカイトだから・・・・・・変態とロリコンを連呼するのはやめなさい。流石に、少し傷つくものがあるからね。」

傷つくどころか酷く愉しそうな顔をして、悟道は言う。
次の瞬間、周囲の空気が変化した。

「はい、結界完成。わかると思うけど、これでこの部屋では、外側に威力が向かう魔術・・・要するに、何かを作り上げたり攻撃したりという魔術は、使えない。待たせたねアカイト。もう、猿轡を外していい。」

アカイトが、満面の笑みで寄ってきて、猿轡を外す。
大きなその手が触れることに、酷い悪寒を覚えた。
口の中の鎖は、自殺防止の為か外されなかった。
会話はできるが舌を噛み切ることはできない状態だ。

「さわ・・・るな・・・。」

干からびた喉が、掠れた声を絞り出す。
ひりひりとした喉は、弱い声しか出してくれなかった。

「凛歌ちゃんには残念ながら拒否権なーいの。なんつったって俺のペットなんだからさ。飼い主に噛みつくのは勝手だけど、その後の躾は覚悟しとけよ?」

猿轡を床に落とした手が、首輪をなぞり頬に触れ、頭を撫でる。
吐き気がした。

「アカイト、それに噛みつかれたら洒落にならないよ?凛歌は幼い頃、胡桃を歯で割って食べていた。今でも水のように牛乳を消費してるしね。」

悟道の言葉に、流石に顔をひきつらせて一歩後退するアカイト。

「お前への仕置きとして、何が一番効果的か考えたのだよ。強いお前のことだ、下手に殴るなり拷問するなりするより、飼い殺されるほうが、余程堪えるだろう?」

悟道が、微笑む。

「お前を、アカイトに下げ渡すことにした。躾直しの準備が整うまで、せいぜい愛玩されて過ごすといい。可愛がってもらうんだよ?」

ブリーダーが仔犬を新しい飼い主に渡すようなセリフを吐きやがる。
最悪だ。

「おいこら変態約2名っ!ンなことして楽しいのか!?変なAVの見過ぎじゃないのかッ!?」

干からびた喉からは、悲鳴のような声しか出なかった。
いや、実際悲鳴を上げたい状況だったが。
馬鹿は許容できるし、悪意を向けてくる奴は倒せばいい。
しかし、変態だけはどうにもならなかった。
蜘蛛も蛇もゲジゲジもゴキブリもある程度大丈夫だが、変態だけはどうにもいただけない。
変態に比べれば、あいつらの方が何千倍も愛らしい。

「そんなこと言って、いいのかなぁ?凛歌ちゃん。」

にやにやと笑うアカイトが手にしているものを目にした瞬間、背筋が凍りついた。
帯人に貰った、ガーネットのペンダント。
ちゃりん、と澄んだ音をたてて、床に落とされる。

「躾も必要だし、自分のペットが他の野郎から貰ったものを嬉しそうにつけてんのもムカつく。・・・こんなの、もういらねぇだろ?」

勢いよく、靴底が落とされた。
帯人の目と同じ色をした結晶はその圧力に耐えられず、ぱきんと悲鳴のような音をたてて粉々に砕け散った。

「あ・・・・・・。」

言葉が出ない。
手を伸ばして拾い上げたいのに、その手は拘束されていて動いてくれなかった。

「あ・・・ぁ・・・。」

アカイトが、耳元に唇を寄せて、囁く。

「ペットを飼うのは楽しいぜ・・・?気の強いペットが、そうやってこの世の終わりみたいな顔してると、すげぇゾクゾクする。」

やめろ、触るな。
そう、口にすることができなかった。
かわりに・・・・・・。

「・・・・・・殺す。」

「んー?なんか言ったか?凛歌ちゃん。」

ぎろり、と睨みつけて、もう一度言う。

「貴様は、殺す。この・・・駄犬めが。」

アカイトは、くつくつと心底愉しそうに笑っただけだった。

「その顔も、凄くいい。ゾクゾクする。」

日々妄想を文章にしています。

妄想・・・いえ、想像たくましいです。

甘やかされるよりは甘やかしたい人(だと自分では思っている)



(追記)
約一年ぶりに活動再会という名の復活を果たしました。
以前のような更新ペースは守れないかもしれませんが、見捨てないで下さると嬉しいです。
無言で消えて、申し訳ありませんでした。

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