西山貴文 記
音楽青年の憂鬱 リライト
第4章 不退転(1ー5)

第4章 不退転
第1話
「あれ?」
未空のSNSからのリプライが。
はじめまして、知り合えて嬉しいです?

「え?知らない?」
未空は不機嫌そうに、そんなリプライはしてないと言う。
しかし間違いなく未空のアカウントだった。
デバイスが奪われていないことは電話で判る。
するとクーローン携帯だろうか?
試しにリプライしてもらうと正常にリプライが来た。
未空には謝って電話を切った。
成り済まし?
警察に通報するべきだろうか。

割り込みを掛けてきたリプライを眺めていたら。
リンクが張ってあった。
別のSNSへのリンクだった。
迷ったが辿ってみる。
全く見知らぬ女性のプロフィール写真が貼ってあった。

「で、どうした」
「放っておいたよ。不審だから」
他にどうしようもなかった。

第2話
あれが対象か。
男は立体駐車場の管理人をしていた。
一台出庫する。

身長は昨今では中高程度。
やや痩せ型で、眼鏡をかけている。
制服を着て応対しているが。
交わす言葉が何処と無く愛想が足りない。
他にこれと言って特徴の無い。
凡庸と言っても差し支えないこの男。
何故作戦に失敗したのか?
此方がミスしたのか。
男が此方を見た。

少し硬い表情で此方に歩いてくる。
サイドウィンドウをノックされた。
「入庫ですか」
其のつもりは無い。
少し失敗した。

リモートでサイドウィンドウを開ける。
「ご免なさい。」
ゆっくり車を発進させた。

第3話
ファーストフードでコーヒーを飲んでいた。
カウンター席の左隣に男が座る。
一見社会人風。

此方を見ている。
目が合いそうになって逸らす。
軟派だろうか?
男が内ポケットから封筒を出す。
テーブルの左手の当たりに置いて此方へ差し出した。
なんだろう。
「この辺詳しい」
「何ですか」
「受け取ってくれ」

封筒の中身は。
「そう言うのやってないから」
「十枚有る」
「額じゃないから」
席を立った。

カップをダストに入れてトレーを返す。
階段を降りる時振り返ってみた。
男は追いかけてこなかった。

第4話
「其で、次のイベントどうすんの?」
「ああ。行くでしょ?」
「作品は?」

「仕事は、辞める、と」
「もうちょっとクリエイティブな仕事に就こうと」
「昔の人みたいな」
友人には復説教を食らいそうだった。
「辞めるって言えばさ。自分辞める気無い?」
「自分を辞める、とは?」
「御前の立場や資産を欲しがってる人居るんだけど」
「無理でしょ」
「いや。辞めてよ」

「其で其の男が」
未空は半分面白がっているようだった。
「結局付いてきてどうなったの」
どうかしてるな、と思いつつ聞いた。
「辞めてくれって、今の自分」

「お父さんが。飲みに来いって。」
「その内お伺いしますと言っておいて」
南口のファーストフードでは少し目立つようだった

第5話
「ソート出来た?」
「午後から三件」
「了解」

「未だやるの?」
「途中で勝手に放り出すなって」
「報酬貰ってる訳でもないのに」
PCに向き合いながら不満そうだった。
「結構怖いし」
リモートデスクトップで入力を監視する。
「検閲なんてして大丈夫?」
「バレないよ」
「そうかな」

午後から三件の接触。
一件は仕事、一件は対人接触、一件は著作権。
「どれ行く?」
対人接触は初見立った。
「此行くは」

改札前に立っていると二十代女子が近づいてきた。
「はじめまして」
新宿の駅は人で)溢れていた。
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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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  • オリジナルライセンス

音楽青年の憂鬱 リライト

音楽青年とボーカロイドと日常と若干のエピソード。
群像劇を目指します。

日本国の法に従います。
此の小説に依る加害行為を全て禁じます
日本の著作権法に従います



「音楽青年の憂鬱 リライト」の作者の西山貴文ならばpgm_Tですが、pgm_Tであるからと言って「音楽青年の憂鬱 リライト」の作者の西山貴文とは限りません。お間違え無く。

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投稿日:2025/10/21 10:26:51

文字数:1,489文字

カテゴリ:小説

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