emotion

投稿日:2021/01/15 00:01:18 | 文字数:3,231文字 | 閲覧数:114 | カテゴリ:小説

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曲を聴いて世界観をイメージし歌詞を書くのですが、今回はイメージ部分を小説っぽくしてみました。

可笑しな所は目を瞑ってください。

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TEXT
 

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____クライ……イタイ…サムイ…クルシイ………シニタクナイ………!!!!

「…ぃ、…ぉぃ…、おいっ!」

「…っ!!」ハッ

「おい、しっかりしろ、おい」

どうやらうなされてたみたいだ。
今となっては別に珍しくもない、いや、これが普通になってきたといってもいいだろう。
なんたって"命"を懸けて日々戦っているのだから。



「今回はこの森の先にある拠点を制圧し、そこから西へ向かう」

指令が下り準備を整え出発する。

またしばらくは休めそうにない。移動中がここでは僅かばかりの安寧の時間かもしれない。それでも気を緩めるわけにはいかないが…


鬱蒼と繁る森の中、昼か夜かもわからない生憎の天気。
(まぁ見つかりにくいから別にいいんだけどさ)
それは"あちら側"も同じだ。

ダダダダダダダダダ!!!!!

突然なり響いた銃声。
一瞬で心拍数が跳ね上がる。が、冷静に周囲を警戒、戦闘体勢、全神経を張り詰めろ。

(拠点はもう少し先だろう。待ち伏せされてたか?それにしては雑だな。)

余裕こいて分析してるわけじゃないが、焦っても良いことなんてない。少しでも頭を使った方が落ち着くことができる。
色々考えてみるが結局最後は握りしめてる銃で倒してって生き残れば良いだけなんだが、簡単じゃあねぇんだよなぁ……


最初に銃声が鳴ってどのくらいたっただろうか。未だ遠くでなってるが直に止むだろう。
この辺りはもううろついて大丈夫か……うろつく気力がなかった。
身体を見れば数ヶ所から血が流れている。
(あー、結構食らったな。致命傷は恐らく大丈夫か)
取り敢えず応急処置を済ませて次は、お腹がすいた。
手持ちはない。周りを見れば近くに何人か倒したやつが転がっている。
(…水、……乾パンか)
手にした食料を口に運び、銃声がやんでいることに気づく。
その一瞬、気が抜けたのだろう。
まぶたの裏に届く光で我に返る。
「…っ!!ぁ」
瞬時に戦闘体勢に入り、辺りを一瞥し目標を定める。
(何が起きた、落ち着け、冷静に考えろ)
銃声は、聞こえない。
悲鳴は、聞こえない。
何も起きていないのか、とゆっくりと光の先を見た。
「太、陽、?」
ポツリと無意識に呟いてしまうくらい呆気にとられた。

驚くことに銃声が鳴り止み気が緩みそのまま気を失っていたのだ。

体は小刻みに震え、油断、恐怖、安堵、色々な感情が押し寄せた。
いつのまにか涙が。もしかしたら死んでいたかもしれないと言う恐怖か、未だ生きているという安堵の涙か、はたまたべつの感情で流れているのか、わからない。

少し大きく深呼吸をし、今日もまた命を懸けて進んでいく。



「……で……だ。出発は夜明け前だ。では解散」

久々の休息、っていっても数時間か。周りの奴等はすでに横になって体力回復に勤めている。
確かにここらいったいは安全だろう。次いつ寝られるかもわからない。まさか永遠に起きれないなんてこともある。

気分を変えるため空が開けた場所まで歩いた。
(数時間後にはまた人を……)
わかっている。わかってはいるのだが、やはり考える。人には人の正義がある。それは皆理由があって戦っている。
そのために正義という名の元に今日も、鉄の塊を掲げ、鈍く重い鉛玉を放つのだから。



数時間後、次の目的地を目指し歩を進めるのである。

ザッザッザッザクザクザッザッ……

(まるで亡者の行進だな…)
なんて言葉が頭に浮かぶ。会話はない。顔からは感情がなくなってしまったのかというくらい、生気もなく、足取りも重くなっている。

しばらく歩いたあと前を歩いている隊が立ち止まっていることに気づき、緊張が走る。

…ズダダダ……ダダン……ダダ…

遠くから銃声か、交戦するのか、迂回するのか。
すぐさま伝令が来る。
(…ふぅ、交戦するのか)
できれば戦わずして勝利したいものだが。まぁ敵を殲滅するのが勝利条件だとしたら、無理な話か。


___…長いな。
鳴り止まない銃声、悲鳴、瓦解する音。
ボロボロの身体、瀕死の仲間、銃弾も切れた。
「ハァハァ、ヤバイな」
呟いてみても状況は変わらない。

ドォンッ!!……………ドガァン!!
(!!?近いな)
落ちたであろう場所を見てみると、崩れた建物の下敷きになってる見知った顔がそこにあった。
感覚のなくなった右足を引きずりながら駆け寄る。
「タ…スケ…クレ……」
絞り出す声に力はない。まだ手当てをすれば助かるだろう。助けられるはずなのだが、近くに転がる銃が目に留まる。

これがあれば"まだ戦える"

すぐさまそれを手にし、前線に駆ける。
(悪い、他のやつに助けてもらってくれ!!)
そう思いながらその場をあとにした。



____ようやく終わったか

あれから数日続いた戦いも終わりを迎え、今は次の指令を待っている最中だ。
あちこち瓦礫に腰を掛けたり、負傷者が横たわっている。
あのときの顔に一言詫びをいれようと探し歩くが見つからない。

考えなかったわけではない。よくあることだ。戦場で会話もなく共に戦い、助け合い、過ごしただけの関係の者が、一瞬にして奪われ亡き者となることは。ただそれだけのことだ。これまでもあったことだ。ただ、それだけの、ことなのに、胸が締め付けられる。

あいつはまだ生きてて、でも助けず銃を拾い前線に。
あのあと誰にも助けられなかったのか、もしくは助けられた後、こと切れたのか。
あの時すぐ救助してれば、今もここで生きていたのだろうか。
色んな思いが巡る。

…クルシイ…イヤダ……タスケテ…!!

「ゥグッ…!」
思わずその場に蹲ってしまう。
ただの幻聴だ、わかってる、先に逝った奴等に呪われたって構わない。別に希望の光が見えるわけでもないし、絶望の縁にたってる訳でもない。ただ共に生きていくだけだ。ずっとこれからも。


最後の指令が下った。
最後といっても特攻して命を捧げよなんてことではない。
先の戦いで死者、負傷者が多く、撤退の命がおりたのだ。

それを聞いて皆、顔には出さないが安堵したのか、そんな空気が漂っていた。

撤退をはじめて数時間、皆やっと終わるという精神力で足を前に出している。浮き足立っていたわけではない。ただ突然

ダダダダダダン!!!ダダダダダン!!!

いきなりの銃声に身体が硬直し、いうことをきかなかったのだ。
「グァッ!!」
もろに食らってしまい思わず叫んでしまった。
周りも少なからず食らってしまったのだろう、腕や腹、脚を押さえ身を潜めている。

突然の奇襲。
これではもう戻ることはできない。運良く敵の包囲網を抜けられるとしても数人か。無事ここを突破できるのなら一人でも構わない。逃げ切ってほしい。

そんなことを思いながら生きることを諦めた訳じゃない。最期まで抵抗させてもらおうじゃないか。

周りを見ると、抗おうとする奴もいるが、ただ死を待つ奴もいる。確かにこの状況で生き残れる可能性はほぼ無い。

あちらさんにはあっちの正義ってモンがあるんだろうなぁ…
だけど、こっちにもこちらの正義というものがあるんで最後まで戦いますよ!
一人心の中で鼓舞し、正義を放ちはじめる。
至るところで銃声が響くがまもなく止んでくる。

(何人かは生き残って戻れたんだろうか……)
戻れたからといって特に何かある訳じゃないが、そう、思ったのだ。

ザッザッザッ……ドスッ…ザッザッ……

止めを刺して回ってるのか、近いな。
一矢報いて自爆、なんてできない。指の先すら動かない。

(いい人生だった、とは言い難いな。)
走馬灯なんてずっと戦ってばかりだ。そんな日々すらもう、ずっと前のことのように懐かしい。

ザッザッザッ……

生きてる奴等には、戦うことのない明るい未来が来ることを、、
願う……

ドスッ

(プロフィールはありません)

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