【カイメイ】 Amazing Grace 【MEIKO聖誕祭】
投稿日:2013/11/05 00:14:57 | 文字数:2,737文字 | 閲覧数:532 | カテゴリ:小説 | 全3バージョン
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MEIKO聖誕祭第1弾。おめでとぉめーちゃんおめでとぉ!
『カイメイ』を阻止しようとする年少組vs『カイメイ』を死守しようとするおっきいお兄さんの攻防です(真顔)。
こんな日ばかりは「お兄ちゃんの」メイコでなくてもいいじゃない、と思いますが。
こんな日だろーがどんな日だろーが、青いお兄さんは常に全力でおとなげなく本気の卑怯です^ω^
こちらの動画『http://www.nicovideo.jp/watch/sm17123839?group_id=31751790』をリスペクトさせて頂いています。
素晴らしい神の恵み
「というわけで我々は、『おねえちゃん甘やかし隊!!』を結成しましたー!!」
\パンパカパーン/
ご丁寧にも効果音つき。
言葉の通り『おねえちゃん甘やかし隊!!』と堂々書かれた横断幕を左右両端から広げ、ミクとリンはメイコに向かってドヤしてやったり、と得意満面して見せた。ちなみにはじめの「というわけで」は、特にどこからも繋がっていない。
昼間のリビングでおかずのレシピを見ていたメイコは、目を丸くしてしばし時を止めた。
「……えっ?」
「今年のおねえちゃんお誕生日特別企画だよ!」
「……あ、ありが、とう」
「さっそくだよめー姉!今日はもうなんにもしなくていいからね!リンたちに任せて!」
「任せてって…なにを?」
「もーそんな本も今日は読まなくていいのー」
リンにレシピの載った雑誌を奪われ、
「ご飯も、掃除も、洗濯も、今日はめー姉はなんにもしなくていいんだよ!」
「そうそう。思う存分ラクしてね、おねえちゃん」
大はしゃぎの妹2人に覗き込まれて、メイコはようやくその意図をおぼろげながら悟った。
『甘やかしたい』…?あぁ、なるほど、そういう。
突拍子がないのはいつものことだ。思わず口元が緩み、メイコは2人を交互に見やって優しく笑った。
「…ありがとう。とっても嬉しいわ。2人が家事してくれるの?」
「もっちろん!ごちそうはレン、ケーキはルカちゃん、ミク姉はおうち中ピッカピカにお掃除してくれる予定だよ!」
「…リンは?」
「リンはもちろん現場監督だよ!」
心の底から得意げに胸を張るリンに、それはありがたいと思ってしまったのは薄情だろうか。
「今日は徹底的にめー姉を甘やかして甘やかして甘やかしてあげるんだからねー」
「なんでもわがまま言ってねーおねえちゃーん」
両側からぎゅうぎゅうと抱きつかれメイコは笑いながら、壁にかけられたカレンダーを見上げた。
今日は11月4日、メイコの誕生日前夜祭だ。明日の当日はさすがにスケジュールがどうにもならなかったが、『マスター』に頼み込んで、前日だけは家族みんなが揃って家にいられるよう、ミクが無理やり調整させたのだという。
使える権力なら使わないと損だとはミクの言い分だ。さすが天下の歌姫、やる時はやる。
今朝から自分以外のみんながバタバタこそこそと動き回っていたのは知っていたが、そんな珍妙な『隊』を結成していたとは知らなかった。
だけど正直、普段から自分はけっこう甘やかされていると思うけど。ぼんやりとそう考え、脳裏に浮かんだとある男の姿にアレ、と気付く。
「そういえばカイトは?」
なぜか基本的にスルーされる方向で安定している我が家の長兄である。
途端ぶすっと不満げに頬をふくらませた妹たちに、メイコは首を傾げた。
「カイ兄はー買い出しぜんぱんー」
「あ、それで車なかったの?朝からいないと思ってたら」
「あんまり急いで帰ってこなくてもいいよって言っといたー」
「お買い物リストいっぱいいっぱいにしといたから当分帰ってこれないよリンちゃん」
「ミク姉GJ」
真顔で親指を立てている2人に、メイコはいささか呆れる。今頃彼は泣いているんじゃないだろうか。
「どうしていじわるするの」
「だっておにいちゃんは、ずるいんだもん」
「そーだそーだ。カイ兄は卑怯だ」
「あの人が何かしたの?」
「だっておにいちゃんがいたらおねえちゃん取られちゃうんだもん」
「―――――」
虚を突かれた。
えぇと、と漏れた声はどうにも歯切れが悪い。
「…そんなことないわよ?」
「ウソだ」
「……えっと」
「だから今のうちに、わたしたちがおねえちゃんを甘やかすの!おにいちゃんがいないうちに!」
ミクにぎゅうと抱きつかれ、そこにさらにリンが飛びつく。
「そうだよ!カイ兄にはジャマさせないんだからね!なんなりとお申しつけを!メイコさま!」
「どうぞご命令をメイコさま!」
「メイコさまー!」
「ちょっとやだ、変な呼び方しないで。命令なんてしないわよ」
「じゃあいっぱいワガママ言っていいんだよーメイコちゃん!」
「何それミク姉かわいい!メイコちゃん!メイコちゃん!」
「あーーもうやめてよぉお」
妹たちの気持ちは嬉しいのだけど、その何倍も恥ずかしさが勝ってしまって、メイコは赤くなった顔を必死に隠す。
「じゃあもうめーちゃんでいいじゃん!めーちゃん!めーちゃん!」
「わぁ、おねえちゃんをめーちゃんって呼ぶのすっごく新鮮―!わーいめーちゃんめーちゃん!」
「新鮮じゃなくてそれは違和感じゃないの!?」
「だって普段はカイ兄くらいしかめーちゃんって呼ばないからぁー!」
「ミクも呼びたい!おねえちゃんのこと『めーちゃん』って呼びたーい!」
「リンもー!めーちゃん大好き!めーちゃん!」
「ミクもだいすきー!めーちゃんめーちゃん!!」
「めーえちゃん!」
「きゃあ!」
はしゃぎすぎた妹たちにまとめてどーんと抱きつかれ、身動き取れずカーペットに押し倒された。
そこへ、背後から。
「コラ、めーちゃん困ってるだろ」
緑と黄色の頭にポカリと落とされるこぶし。いったーい、と顔を上げたリンの表情がたちまち歪んだ。
「うわっ。出たよめーちゃん一人占め男」
「人を妖怪みたいに言うんじゃありません」
「なんでもう帰ってきてんのカイ兄!早いよ!もっと迅速に、遅く!」
「物理的に無茶言うな。あまりに買い物量が多いから一旦帰ってきたの。それよりオレがいない間にめーちゃん押し倒してなにやってんのミクもリンも」
さりげなく2人とメイコを引き離しながら、お兄ちゃんも混ぜなさいと真顔で言うあたりどいつもこいつも、とメイコは頭を抱える。
「だってぇ…ミクたちもめーちゃんって呼んでおねえちゃん甘やかしてあげたいんだもん」
「リンもめーちゃんかわいいよめーちゃんって言いたいー!カイ兄ばっかりめーちゃん呼びでずーるーいー!!」
ジタンバタンと駄々をこねるリンに、まったくもーと息を吐きつつ、とカイトは腰に手を当てた。
「お兄ちゃんはいいの。本人からちゃんと許可得てるんだから」
「許可?」
「そうなのおねえちゃん?」
「…………………………知りません」
メイコはプイと顔を背け小さく呟いて、半笑いで目を逸らすカイトをジロリと睨み上げた。
「―――とにかく」
こりずに何かと絡んでくる3人を丁重に引き剥がし、メイコは身体を起こす。
「お祝いしてくれるのは嬉しいけど、呼び方はいつも通りにしてください。それが私のワガママです」
途端、ええぇー!と上がる不満の声。
それをまぁまぁと宥めるカイトを横目に見やりながら、メイコはすでに疲れたようなため息を零すのだった。
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