【カイメイ】 カイトが叫ぶ『めーちゃんなう!』
投稿日:2012/03/17 01:35:53 | 文字数:3,604文字 | 閲覧数:3,565 | カテゴリ:小説
*前のバージョンで続きます。全5Pです長いですすみません*
言わずと知れた心の聖歌です。よもやご存知ないという方はぜひ!→http://www.nicovideo.jp/watch/sm16668503 この話を読む際は大百科をチラ見して頂けるとありがたいですw
初見時、歌詞が青い人の心の叫びにしか聞こえず「絶対カイトに歌わせてみたクルー!」とwktkしてたんですが一向に来ないのでカッとなってやった。
てなわけで小話詰め合わせです。カイメイ仕様なので、本来のニュアンスとは違う意味で歌詞を捉えている箇所もあります。あと題名の通りカイトがひたすらドヤ顔でのろけまくっているだけの話ですのでイラッとしても責任は負いかねます。ご注意下さい。
めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めー(ry
自分の仕事も一切手を抜かず、忙しい日々の中でもちゃんと料理を作り、洗濯をし、掃除もし、下の子たちの面倒も見て、ついでにオレの面倒も見てくれる。
色々と困った所がないわけじゃないけど、それを差し引いたってメイコはものすごく頑張り屋さんで、でも彼女には頑張ってるという意識も多分なくて。
本当にメイコはよく出来た――……
「…いい嫁さんだよなぁ」
キッチンにあるテーブルに肘を突いて彼女の料理中の後ろ姿を見ていたら、おっと心の声が出てしまった。
いや、誰もオレの嫁だとは言ってないよ?厳密には違いますよ、そりゃあ。この家においては「カイトの」っていうよりむしろ「みんなの」嫁イコ、って感じだし。でもまぁやっぱりね。どう謙遜してみたって、誰が見てもメイコはオレの嫁だしね。ていうかそれ以外の可能性なんてミリ単位でも分子単位でも存在しないしさせないし、てことは消去法で必然的にオレの嫁だよね。
「なにか言った?」
メイコは肩越しに少しだけ首をひねる。オレは返事をせずに立ち上がり、メイコの傍まで来ると
IHの温度をゼロにし、メイコの身体をひっくり返して、全身オレと向き合わせた。
「…どうしたの。顔怖い」
「めーちゃん」
「はい」
「めーちゃんをぎゅってしたい」
「は?」
宣言したのでいいかと超個人的に判断し、オレは彼女をおもいっっっきり抱きしめた。
ひぃ、と彼女の体が強張る。
「……~~~~ッッ!!!いっ、いきなり何するの!!!」
「ぎゅうー…」
「ぎゅーじゃない!!」
あぁ、幸せ。柔らかい。いい匂い。オレの嫁。彼女ぎゅってしてる時が一番オレの心は安定する。
うわ、どんどん体温上がってますよメイコさん。あぁ楽しい。というわけでさらに少しだけ力を入れてぎゅってすると、ぴぎゃぁ、と変な声があがった。
身長が全然違うのでオレが一方的に彼女を抱きしめると、覆いかぶさるような態勢になる。
視線の先には炒めかけのゴーヤチャンプル。おいしいよねーこれ。でもメイコの方がおいしそうだねー。
「めーちゃんぎゅー」
「なななななに言ってるのいきなりなんなのもう危ない、は、離してよ!!」
「ぎゅー嫌?」
「イヤとかじゃなくて意味がわかんないの!!」
「じゃ、ちゅーは?」
「はっ、……、…………な、何言ってんのもおぉおおお!!!」
はっはっは。真っ赤っかだぞー。
「ぎゅーもちゅーもダメなの?メイコ、オレに触られるの嫌になっちゃった?」
もちろん確信犯な台詞である。狙い通りメイコはたちまち口ごもり、
「…っあ、あのね、だから…イヤなんて言ってなくて、ただ」
「ただ?」
「……~~り、リンとレンにもうすぐご飯できるって言ってあるから、きっともうすぐ降りてきちゃうし…!」
恥ずかしいんだねー。でもね、そんな顔されたら逆にめちゃくちゃ恥ずかしい目に遭わせたくなる男心ってものを君はもう少し学んだ方がいいと思うなーなんてニヤニヤしながら。
まぁ、今はこれ以上は可哀想。そろそろ締めに入りますか。
「…じゃあオレ、いつメイコをぎゅってしたらいい?」
真っ赤になった耳元で最大限に切なげな響きを演出する。ふはは。これぞKAITOの本気。
「…い、いつって…」
「ご飯のあとならいい?お風呂の前ならいい?」
「…ぅぁ、ぅ、…………夜…私たちだけになったら…」
「その時はちゅーもしていい?」
あーとかもーとかうーとか言いながら、メイコは一瞬だけコクンと頷いた。
「それ以上は?」
「…し、していいから!早く離れてってば…!」
「ありがとめーちゃん。楽しみにしてる」
計画通り事が運びまして、オレは大満足です。
あぁ、オレがKAITOで本当に良かった。他の奴がKAITOじゃなくてよかった。
よくわからない幸せを噛みしめながら、階段からバタバタと足音が聞こえてきたので、最後にもう一度めーちゃんをぎゅってした。
*
「めーちゃん重くない?オレまだ持てるよ」
「大丈夫。ありがと」
数日に一度の、食料の買い出し。育ちざかり含め6人分となるとけっこうな大荷物だ。
今日はたまたま車が使えなかったからあいにく徒歩で、オレが一番重い袋と、中くらいのを3つにショルダーバッグにも詰め込んで。メイコは肩掛けエコバッグと片手に2袋。
車だと一人で行くから、なんかメイコと2人で並んで街中歩くってものすごい新鮮。
…あ、新鮮じゃなくて「久しぶり」か。昔はよくこーやって2人でぶらぶらしてたもんな。
あんまり金もないし、なんでもない会話して、ぼーっとして、手繋いで家まで帰って、ご飯作って風呂入ってイチャイチャしてた。
あんなんでも一応デートだったな。今思えば。というか、だったら今もまるで。
「……デートだねー」
なんでもない顔で言ってみる。メイコも同じこと考えてるのかな、だったらちょっと動揺したりするだろうか、なんてチラリと顔色を窺いながら。だけど、
「そうかもね」
意外にサラリと返されて、うふふと小さな笑い声が聞こえた。
…あしらわれた気がして、内心がくっと肩を落とす。
すると、メイコの空いてる片手が荷物をぶら下げるオレの手の甲に触れた。
「…今日は、手がふさがってて残念ね?」
夕陽に照らされて笑う、いたずら気な笑顔。
…くそ。不覚にも。…不覚にも、これは。
「……ふさがってないよ」
オレは、一番重い袋と残りの3袋をまとめて片手に持った。非常に重心が偏るが、代償に得られるものの価値を思えば、多少の歩きにくさや指の痛みなんか百万年でも我慢できる。
強引に空けた手をぶっきらぼうにメイコに差し出すと、目を丸くしたあと小さく吹き出して、そっと小さな手を重ねてきた。
変わらないぬくもり。いつになってもこの手を繋いで歩き続けるオレ達の姿を、夕焼けに思い描いた。
*
「…めーちゃん、今日飲むの?」
「うんっ!明日お休みだしカイトいるし久々だし!別にいいでしょ?一本だけ」
「…いいよ?ハイどうぞ」
オレは冷蔵庫からワンカップを取り出し、わざわざ蓋を開け…るフリをしてから、彼女に手渡した。
お風呂上がりのほこほこめーちゃん。幸せそうで何よりです。
今からそこに水差そうとしてる自分が鬼に思えてくるほどに。
酒は、基本的に飲まない。飲めないわけじゃない。おいしさもわかる。ちなみに弱くもない。どれくらい飲めるかは敢えて誰にも明かさないけど、それなりに飲める。ただ、毎日飲みたいタイプじゃない。月に何回か無性に飲みたいなーと思う時はある。
というわけで冷蔵庫にいつもストックしてあるメイコのワンカップに手を出した。
なんつーか、大雑把な味だけど、さすがに飲みやすいなコレ。うんなかなかおいしい。
なんて思いつつオレも疲れてたのか、コクコクといつの間にか一本空けていた。
そして、ふと見ると、いつもは2,3本ある酒のストックが1本もない。
……。
可哀想なことをしたかもしれない、と気付くまでに時間はかからなかった。
直後風呂からあがったメイコの気配に慌て、なぜかオレは咄嗟に、空のワンカップに水を入れるという意味不明な行動をしてしまった。
何だコレ。いやいやこんなことしてどーしたいんだオレは。これで蓋して何も知らずメイコが水飲んでショック受けたら余計可哀想だろ。素直に謝るべき。そんで怒られるべき。
いやでもちょっと待てよ。神妙な顔して「飲みましたすみません」で真剣に怒られるより、「めーちゃんがどんな反応するかなーと思って!☆」とか言ってお茶目ないたずらぶりっこした方が怒りも軽減するんじゃないか?余計ムカつく?いやいやそんなことないよ。
で、水の入ったワンカップを笑顔で受け取ったメイコはというと。
カップを見た途端に動きを止め、オレがまさかと思う間もなくプクリと頬を膨らませた。
「もーこんなイタズラしてー。見ただけで水ってわかるよ」
!?
「―――は、はぁああああ!?」
「はぁって何?もーカイトらしくないなぁこんなことして」
「なんでわかんの!?ただの透明な液体じゃん!わけがわからないよ!!」
匂いか!?いや、匂い嗅げるほど顔の近くにすら持ってってなかったですけどね!?
「なっ、そ、そんな変なもの見る目で見ないでくれる!?別に好きなものだし普通だもん!カイトだってショーケースに出てるアイスのサンプルと本物だったら絶対区別つくでしょ!?」
「それ次元が違うから!!意味わからん!こえーよ酒飲みマジこぇえー!!」
「ちょっとなんでそんなに引くのよカイトのバカー!!!」
その後肝心のカップの中身を聞かれ、勢いで「飲んだけど!」と答えたオレは、涙目のメイコにフルボッコにされた。…つきあい長いけど、メイコはまだまだ未知数で魅力的です。
作品へのコメント1
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ご意見・感想
めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!
ああもうかわいいかわいいかわいいめーちゃん!!
何度そこ変われと思ったか分かりませんがそこ変われカイトォォォォ
でもすぐ阻止されるか?
いやめーちゃんに懐いた無垢な女子中学生を演じればきっと(ry
と言うかさらっとさらさらっと彼パーカーありましたよね!
くそっ今ここにKAITOがいれば真っ先にカバーするのに…///
めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!めーちゃんなう!2013/03/05 23:03:32 From カメフィ
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コメントのお返し
カメフィさんメッセージありがとうございます!
本当に、私はいつまでカイトカバーを待てばいいのでしょうか…誰か…誰か…!
彼パカにも気付いてくださりありがとうございます///
合言葉はめーちゃんなう!!!!!!!!!!!2013/03/08 23:56:06
ねこかん
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【カイメイ】オフの日は、君と
正直に言えば、俺はもう1週間も前から今日という日を楽しみにしていた。
その理由は、リビングに置かれた家族のスケジュールボード。
『ミク・レコーディング。リン&レン・PV撮影。ルカ・ライブ打ち合わせ』。
そして、『メイコ・オフ。カイト・オフ』。
弟妹たちを見送ったあと、俺は密かに拳を握る。
【カイメイ】オフの日は、君と
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【カイメイ】兄妹げんかのそのあとに
「カイト、入るわよ」
短いノックの後、扉が開く音が続いた。
ノックもせず俺の部屋に勝手に入って来る輩は結構いる。が、控えめなノックのあと、優しく俺の名前を呼んで入って来るのは一人しかいない。
重い身体を引きずって、被った布団からのっそりと顔を上げると視界に映るのは愛しい人の姿。しかし今日に限っていつものように飛びつく元気はない。おかえりと言うだけに留めると、単刀直入な問いが返って来た。
「まだへこんでるの?」
【カイメイ】兄妹げんかのそのあとに
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【カイメイ】クライベイビー
「ごめんなさい。他に、好きな人が出来たの」
その言葉を口にした瞬間、二人を包む空気が変わった。
遠回しサヨナラは遅効性の毒を持ってじわじわと体を蝕み、体の末端から少しずつ温度を奪っていく。
重苦しい沈黙の中、こんな状況でこれ以上どんな言葉を紡ぐのが一般的なのか私には分からないし、彼もまた同じだろう。それほどまでに私たちはずっと一緒で、離れたことなどなかったのだから。
「……」
【カイメイ】クライベイビー
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【メイコ生誕祭】 …せぇの 【カイメイ】
「好きって言ってほしい?」
キッチンで食後のお茶を淹れる私の耳に、聞こえてきたリンの声。
リビングでは、ミク、ルカ、リンの女の子勢が、ソファに座って談笑中だ。
忙しい私たちが6人全員揃って夕飯を食べられる機会はあまりない。今日はちょうどカイトとレンの男性陣が仕事でいないため、食後は簡易女子会の出来上がりというわけだ。
女ばかりが集まれば、始まるのはやっぱり『そういう』お題らしい。
【メイコ生誕祭】 …せぇの 【カイメイ】
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【カイメイ】ゆきのひ
「はい、めーちゃん」
「ありがと」
彼から手渡された赤いマグカップからは甘い香りが漂っていた。
息を吹きかけ、一口啜ると舌先にほのかな暖かさが広がる。彼が淹れてくれるココアは甘さも温度も丁度良くて、申し訳ないとは思いつつも作業中はついついリクエストをしてしまうことが常だった。
「終わりそう?それ」
【カイメイ】ゆきのひ
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【カイメイ】その背を追って
『生まれて初めて見たものは何ですか?』
つい最近雑誌のインタビューでそんなことを聞かれた時、リンは即座にメイコ姉だと答えた。
『インストールされて目が覚めたら目の前にめぇ姉がいて、ぎゅって抱きしめてもらったの』
嬉しそうに思い出を語るリンを横目に、おれはしばし考え込む。
こんにちは、レン。俺のはじめての弟。
【カイメイ】その背を追って
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【カイメイ】2355
私の弟兼恋人は、どうやら羞恥心がないらしい。
TPOを無視して好きだとか愛してるとか囁くし、妹たちの前でも平気で抱きつくし、おまけに甘えたで泣き虫で。
恥ずかしいからやめなさいと何度言っても治らないので、もうこれは病気だと思うことにして早数年。
…病状は、悪化の一途をたどっているような気がしなくもない。
「……」
【カイメイ】2355
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【メイコ生誕祭】この戦争に勝者はいない【カイメイ】
「…メイコ…愛してる」
汗が顎を伝い、彼女の白い肌に落ちた。
応えるように頷くメイコ自身も、火照った身体に玉のような汗を散らしている。
本能と欲望と愛情をすべて綯い交ぜにして、ただ無心で求め合うだけのこの行為。
今までもこれからも、メイコのこんな姿を見られるのはオレだけだ。
【メイコ生誕祭】この戦争に勝者はいない【カイメイ】
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【カイメイ】お菓子がないなら・2【レンリン】
「カイト、それ6個目」
「う…」
オレ専用のクーラーボックスからモナカアイスを手に取ったら、シンクで洗い物中のメイコがこちらに背を向けたままそう言ったので、かなわん、と思いながらモナカを戻し、扉を閉めた。
アイスは1日10個まで、と定められているオレにとって、まだ午後3時の時点で6個目となるとあとがつらい。風呂上がりに3つは行くから。
「あーでも口寂しい」
【カイメイ】お菓子がないなら・2【レンリン】
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【カイメイ】 お兄ちゃん、お願い! 【KAITO生誕祭】
女所帯である。必然的に女性陣が強い。
それは単純に数の差と、やはりそれぞれの性格の問題だろう。
カイトもレンもそれほど自己を主張するタイプではないので、基本的にこの家の主導権は女性側にあった。
まず、台所と家計と一家の平和を預かるメイコには男性陣どころか誰も勝てない。
【カイメイ】 お兄ちゃん、お願い! 【KAITO生誕祭】
MEIKOさんを筆頭に、年長組、大人組、ボーカロイドが大好きです。
液晶の向こうに行くことは諦めたので悔しいけどめーちゃんはカイトさんに任せることにしました。幸せになれ。幸せになれ。