【超自己解釈】人柱アリス【一番目アリス】
投稿日:2009/10/26 19:22:15 | 文字数:1,567文字 | 閲覧数:900 | カテゴリ:小説
待ってた人がいるかいないか知りませんが、とりあえず、遅れながらも一番目アリス、うpさせていただきましたー。
はい。何度も言います。超自己解釈です。
続きも一ヶ月以内にはうpする・・・と・・・思います((((
「ここ・・・・は・・・・・。」
メイコが目を覚ますと、そこは翠に覆われた森の中でした。
周りをみても、いつもある、守るべき兄弟たちの顔はありません。
メイコはとっさに起き上がり、また、周りを見渡します。
そこに続くのは、一本のどこかへ続く道のみ。
メイコは、生まれて初めて「独り」になりました。
ふと、後ろへ数歩下がると、足に何かが当たりました。
それは、メイコの体ほどはあろうかと、長く紅い、剣でした。
メイコはそれを、何かに後押しされるように拾いました。
大きく、長く、独りの娘には到底持てるような重さではないそれを、
メイコは軽々と持ち上げました。
すると、森の中から、あの声がきこえました。
「今の君に、何が出来る?
守るものの居なくなった、君は無力。
存在することに、意味はない。」
「あ・・・・・あぁ・・・・・。」
メイコは、その紅く、麗しい唇から苦しげな嗚咽を零し、
剣をいっそう固く握り締めました。
「君の守るべき兄弟は、今、何をしてるかな?
泣いてる?苦しんでる?叫んでいる?
それでも、傍にいない君には、何にも出来ない。」
「いやぁぁぁあああああああ!!!!」
メイコはそこから、何かに怯えるように、一本道に駆け出しました。
その紅い剣を振り回し、邪魔する木々を、動物を、人を、
赤く、紅く、染め上げました。
彼女の着ていた、真っ白な服も、彼女の通った道さえも、赤く紅く。
彼女は探しました。
愛しい兄弟たちを。
けど、それは、守るためではなく、
守る存在は、私の近くにいる、私は「独り」じゃない。
という、現実逃避、自己満足。とても愚かな理由でした。
どれほど走ったでしょう。
その体は、白く、綺麗な肌までも紅く染まり、
鮮やかな茶髪までも紅く染まり、
けれど、愛しい兄弟は、どこにもいません。
メイコは立ち止まりました。
不安定な自分ほど、悲しいものはありませんでした。
今の彼女には、癒しも愛しみも、希望も賢さも欠けていました。
唯一残った強さは、歪な形を成してしまい、もう彼女には、何も残っていませんでした。
「カイト・・・ミク・・・リン・・・レン・・・・・・。」
彼女はそこに、座り込み、その大きな剣を手放しました。
そして、その紅く染まった瞳から、透明な涙を流し、
「もう・・・・何も・・・・・・・・・・・・〝無い〟」
そう呟くと、あの少年が、目の前に現れました。
もう、問いただす力も、気力も、何も残っていませんでした。
少年は言いました。
「一番目アリスは勇ましく 剣を片手に 不思議の国
いろんなものを切り捨てて 真っ赤な道を しいて行った」
メイコは、自分が辿った道を振り返りました。
そこには、紅く、紅く、染まったおぞましい道が、
ありませんでした。
「・・・・え?」
変わりに見えるのは、棘の生えた、大量の薔薇の蔓。
驚くアリスを、さぞ残念そうに眺めながら、少年は言いました。
「残念だよ。アリス。やっぱり『強さ』だけの君は、何の役にも立たなかったね。」
そう言うと、彼女の周りに生えた、薔薇の蔓は、彼女を取り囲み始めました。
その蔓は彼女を縛りつけ、大量の傷を負わせました。
彼女は蔓にさえぎられ、叫ぶこともできないまま、
すでに紅く染まった体を、いっそう紅く染め、
森の奥に、閉じ込められました。
まるで、罪人のように。
「そんなアリスは森の奥 罪人のように閉じ込められて
森に出来た道以外に 彼女の生をしる術はなし。」
少年は、嘲笑しながら、その場から消えました。
残されたアリスは、紅い瞳から唯一透明な涙を流し続けました。
その涙だけは、どんなに血に混じろうとも、透明なまま、紅い道を流れ続けました。
作品へのコメント2
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ご意見・感想
おひさしぶりです赤銀さん!!そしてコメント超さんくすです!(((
いきなり王道を通ってみたくなった人が通りますよ。(
友達のおかげで人柱熱再浮上中ですww
こんな作品にもったいないお言葉・・・!
頑張らせていただきますとも!
赤銀さんの人柱も読んでみたいですー^^2009/10/27 18:09:05 From ニュルーズ
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ご意見・感想
最近消えてて申し訳ない赤闇です(´・ω・`)ほんとに申し訳ないです…
人柱アリスキター!!!待ってました!!
自己解釈素晴らしい…^p^p^!
俺も書こうかな…って、紙飛行機も暗い森のサーカスも終わってないのに←
続き楽しみに待ってます!
頑張って下さいね^^2009/10/27 14:17:02 From 赤闇
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カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
これは、人柱アリスの「夢」がもしカイトなら。
と思ってかいた小説です。
1.メイコ。2.ミク。3.リンレン。4.カイト
の順でかいていこうと思います。
それでは、どうぞ。。。
カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
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【超自己解釈】人柱アリス【プロローグ】
あるところに とても仲の良い兄弟がいました。
長女のメイコは、兄弟を守り抜く、強さを持っていました。
長男のカイトは、優しい歌声、癒しを持っていました。
次女のミクは、その愛らしい性格、外見。愛しさをもっていました。
双子の姉、リンは、希望の溢れるような、元気をもっていました。
【超自己解釈】人柱アリス【プロローグ】
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白ノ娘 ―1―
「生きていてごめんなさい」
いつからだっただろう。こんな気持ちが湧いてきたのは。
いつからだっただろう。こんな弱音ばかり吐く自分が大嫌いだと思い始めたのは。つまらない人生だと思い始めたのは。
ああ……こんな私が生きていて、ごめんなさい。
「あの子、魔女なんじゃないの?」
白ノ娘 ―1―
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Cafe・ロータス・イーター 1
開店時間のほんの少し前に森はコックコートに着替えて髪をひとつにまとめて、厨房に立っていた。
「おはようございます。」
先に作業をしていたスタッフの女の子のあいさつに、森もおはようございます。と声をかけながら、手を洗った。
先に作業していた女の子は最近入ったばかりの専門学生だった。短い前髪に小柄な姿が年齢よりも幼く見えるけれど、仕事を覚えるのも作業速度も速い。朝の作業があらかた終了している事を確認しつつ、森も前日焼いて休ませておいたケーキを型から出して切り分けたり、と開店の為に手を動かした。
程なくしてホールで開店準備をしていた鳥海から、もうすぐ開店です。と声がかかった。
Cafe・ロータス・イーター 1
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【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
この物語は、一人の少年と手違い(?)で届いたVOCALOIDの物語である。
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やっとだ。
息を大きく吸って、吐く。
そして、
【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
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Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
綺麗にカールした睫に縁取られた、アーモンド形の黒目がちの瞳。形の良いアーチ型の眉に筋の通った鼻。口角の上がった唇は果物のように甘くてつややか。手入れの行き届いた長い髪はトレードマーク。まだ幼さのある輪郭に、少女と大人の境目を行き来するうなじ。細い肩にすらりと伸びた華奢な手足。ちょっと胸元が貧弱なのはご愛嬌。
どんな女の子にも負けはしない。だって私は世界で一番のお姫様。
普段は二つに結い上げている髪を下ろして毛先をゆるく巻いてみた。靴はつま先にリボンのついた新しいヒール。モノトーンの甘めワンピースにお気に入りのカーディガンを羽織ってみる。寒いから首にはストールをぐるぐると、でも可愛らしく巻いて。
今日のコーディネートは最強。
そう意気揚々と私はアルバイト先のカフェへと向かった。古いビルの二階にカフェがあり、その3階は店長の住居スペースなのだが、一部分、お店のスタッフルームとして使用させてもらっている。
Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
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メイコの日【カイメイ】
「メイコさんっ」
五月五日の昼食後。居間で食事を終え、部屋に戻ろうと廊下を歩いていたところ、唐突に背後から呼び止められた。
「カイト?」
駆け寄ってくる足音に振り返る。声で分かった。呼びかけてきたのは青い髪の「弟」だ。私の間近で足を止めて、じっと私を見つめてくる。
頭ひとつ高い「弟」のカイトを見上げると、カイトが柔らかく微笑んだ。
メイコの日【カイメイ】
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ミク誕生日おめでとう! 2009/8/31
私は静かに街灯で照らされた夜道を歩く。
小さなその住宅街の裏通りはひっそりと静まりかえっていた。
八月三十一日。
それは人間の言う誕生日というもの。
ミク誕生日おめでとう! 2009/8/31
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【ボカロ】めーちゃんが羊【愛の劇場】
【ボカロ】めーちゃんが羊【愛の劇場】
冬の朝陽を浴び、私はゆっくりと目を開いた。
いつもと変わらない朝。
だけれど・・・・
もふもふ
【ボカロ】めーちゃんが羊【愛の劇場】
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幸福の在処
購入したボーカロイドが、不良品だった。
「マスター、どこにいるのかしら?」
「……君の、目の前にいるよ」
ボーカロイド。機械の彼女は、見た目は何一つ人間と変わらなかった。
私は半年前から、彼女に会うことを、本当に楽しみにしていた。
幸福の在処
元紫薔薇です。 コメントが機動力な中学生です。
VOCALOID廃です。
ヒヨラーです。
ヘタリア好きです。
腐女子です。
ちょくちょく妄想小説を更新中。
いつまで続くかすらわからない(っていうか続く気がしない)
もし見てくれた方はよければコメントを~・・・。
あ、お友達(?)募集中です~^^
メッセージとかでお話できたらな・・・とか思ってたりしちゃってます(
こっそりついってます つhttps://twitter.com/nyuruzu_88