【がくルカ】memory【2】
投稿日:2011/12/28 21:12:22 | 文字数:2,112文字 | 閲覧数:1,452 | カテゴリ:小説
「回答」
ほら、やっぱりそうなんでしょ?
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~ルカ視点~
しばらく沈黙が続いていた。
私は頭痛かったり腕痛かったりで喋るのは辛いし。
神威先生はというと、なぜか表情が曇っていた。
それは、この前からだろうか。
それと共に、私は…
その沈黙を破り、私は一つの疑問を口にした。
「Why…」
うっかり英語で。
…なんでここで英語になっちゃうのはわからないけど。
なおさないとな…
「え…?巡音…?」
「…Do not…どうして私を避けるんですか?」
「え…?」
私が孤独を感じている理由。
それは、どういうわけか神威先生は、ここのところ私を避けているからだ。
私が何かしたわけではない。
だったら、どうして?
「なんでそんなこと…」
「…自分だって、わかってるくせに……」
「どういうことだ?」
私はフラつく体を無理に起こし、立ち上がった。
なんで、なんでわからないフリをするの?
何か目的があるからこそ、私を避けるんじゃないの?
私が何をしたの?
「先生は…きっと私が嫌いになったから、私を避けるんでしょ…?」
「そんなこと…」
「そうでしょっ!?」
思わず叫んでしまった。
*
~がくぽ視点~
普段からおとなしい…大声を出さない巡音がいきなり叫んだもんだから、俺はさすがに驚いた。
「巡…」
「やっぱり…そうなんでしょ…?」
巡音が叫んだのもつかの間。
それもそのはず、今の彼女は立つことすら辛いはずだ。
彼女は壁を背にもたれかかる。
「理由を…教えてよ…?」
弱弱しく、震える声で巡音が言った。
確かに、俺は最近ある理由から巡音を避けていた。
だが、それは俺が彼女が嫌いだから、という理由ではいない。
むしろ、その逆なのに――
「ねぇ、どうして…」
はっきり言って…女泣かせたら、男の負けだよね。
俺負け組。最低だよね。
でも、巡音は俺が巡音を嫌いになったと思い込んでいる…ようだ。
それは違う。
だから、本当の理由を言わなければならない。
「……あの日から二ヶ月、なんだかんだで忙しくなった…
それで、ここのところ巡音と話せなかっただろ?」
「そうですね」
巡音は小さく頷く。
「それで思ったんだ…忙しかったとはいえ、なかなか話せない俺のことを、ルカは嫌いになったんじゃないかって…」
「それで、私を避けてたんですね…私、悲しかったんですよ。私は嫌われたって」
『そんなの、ただの思い込みかもしれない。
でももし本当にそうだとしたら』って考えたら。
気づいたら、俺は無意識に巡音を避けていたんだ。
「結局は、俺の勝手な思い込みのせいで、かえって巡音に負担をかけてたんだ。俺は最低だ」
怖かったから、ただ逃げていただけだ。
それで逃げ続けた結果、巡音を傷つけてしまった。
こんな自分が嫌だ。
こんな自分の弱さに、腹が立つ。
「…たしかに先生は優柔不断だけど、私はそんなことで先生が嫌いになったりなんかしませんよ」
「え…?」
俺は最低だ。
自分の思い込みで、巡音を傷つけて。
結局は逃げていただけ。
結局は、自分が傷つけた女に救われて。
俺は、弱いままなんだ。
「私のあなたに対する想いは、あの頃から…好きになった日から、あの日から変わりません」
「俺は、おまえを傷つけたんだ…そんな俺を、許してくれる…のか?」
「ええ、もちろん。私はあなたが好きですよ」
そのぶん、巡音は強い。
どんなに辛いことがあっても、自分が傷つけられても。
自分を傷つけた相手を、許してくれるなんて。
こんな俺を、今も好きでいてくれるなんて。
巡音はどこまで優しいんだ。
俺に比べて、やはり彼女は強い。
「ごめんな…」
「大丈夫…で、す」
「おっと」
巡音が倒れかける…のを、寸前で受け止める。
そういえば、今の彼女は病弱だった。
「動けないのか?」
「…立つ気力と、体力が、なくなって、きました…って、え、え」
フラつく彼女を抱き上げる。
体力がなくなってんなら、最初に言えば良いのに。
一人で無理するなよ。
「え、ちょ、ちょっと」
「ほいっと」
病人はベッドへ。
ついでに布団をかけてやる。
「あ…」
「熱測ったか?」
「あ、いえ…」
「そんなに調子悪かったら測っとけ」
机から体温計を拾い上げ、巡音に渡す。
間違いなく熱あるだろ。
「え、その、神威先生…」
「ん?何?」
「その…ずっとここにいるんですか?」
「お前も学校に泊まることはできないだろ。とりあえず、後でお前を家まで送ってくよ」
病人を放置しておけるか。
「…じゃあ、お願いします。あと、一ついいですか?」
「何?」
「…その、メール…」
「あぁ、メアドね。ケータイどこ?」
「そこです」
そういや、まだアドレス交換してなかったっけ。
*
あれは…神威?
看病だろうか…
って…
神威…?
お前…まさか…
作品へのコメント4
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ご意見・感想
がくぽお願いそのポジション変わって!体と魂と服と髪の毛とその他もろもろ以外なら何でもあげるから(何やれるの!?www
やヴぁい、貧血になりそう…え、なぜか?もちろんルカさんに骨抜きにされた上(鼻血で)血抜きまでされたから(変態
そろそろ寝なきゃ明日寝坊しそうなのに読む目がとまらない…助けて―www2012/04/09 01:22:11 From Turndog~ターンドッグ~
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メッセージのお返し
「だが断る(キリッ」って、うちのがっくんは言ってました。ルカさんの看病で忙しいようです。
って何やれるの!?ww
変態w
えーそんなこと言われてもww2012/04/09 12:11:49
ゆるりー
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メッセージのお返し
メッセージありがとうございます。
え、ど、ど、待つって!?←
がっくんだって病人(しかもルカちゃん)は放って置けませんから。
看病は当たり前n((
あ、ちなみに車で送っていくようでs((←
ブクマありがとうございます。2011/12/29 15:38:52
ゆるりー
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ご意見・感想
タイトルの意味にやっと気付いた香凛でs(ぇ
ぽルカとか美味しすぎr・・・ぽルカmgmg
神威も告白したらいいのにっ(黙れw
ってか最後の人誰だ・・・?
まさかのあいすまふらーか!?(何故そうなる
ブクマもらうぜっ ノシ2011/12/29 08:50:10 From 姉音香凛
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メッセージのお返し
メッセージありがとうございます。
タイトルは、当初の予定では違うものだったんですよ。
本当はシリーズにするつもりはなかったんですが、プロットにまとめたらとんでもない量になってしまって…w
だったら短いタイトル考えようと思い数日間考えてたんですが、ボカロのある曲と巡り会って「memory」になりました。
つまり、このタイトルに意味はあまりありません。少しはありますが…。
ぽルカいいですよn
神威には…いずれ告白させます。
いつになるかわかりませんが。
ちょwなんでそうなるww
え、言っちゃっていいのかな、これ…w
それずばり正解なんですがww
ブクマ感謝です!2011/12/29 10:49:10
ゆるりー
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ご意見・感想
memoryキタ━━(゜∀゜)━━ッ
ハイ、スミマセン、調子乗ってました、スミマセン。
二人は無事仲直り…でも、最後の人はいったい?
面白くなりそうな予感…(殴
ブクマ頂きます2011/12/28 21:42:22 From 雪りんご*イン率低下
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メッセージのお返し
メッセージありがとうございます。
そんなにテンション上げていただいてありがとうございますw
まさかmemoryを待ってくれている方がいるとはw
無理やりまとめましたw
最後の人に触れていただいてありがとうございます。
最後の人は、次回判明…する予定です。
面白くなるかどうかは不明ですw
ブクマありがとうございます!
頑張ります!2011/12/29 00:02:47
ゆるりー
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【がくルカ】memory【21】
ねぇ、信じてもいい?
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「――…ッ」
ちょっと待ってよ、嘘でしょ?
こんなの、理解できないよ。
【がくルカ】memory【21】
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【がくルカ】memory【9】
その理由を教えて
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見てしまった。
彼女が彼に何かを叫び、彼は逃げ出した。
その際、彼の表情は恐怖を宿していたことを。
【がくルカ】memory【9】
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【がくルカ】memory【4】
少しでも長く。
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~ルカ目線~
それは、12月24日のこと。
世間では、この日はクリスマス・イヴだ。
【がくルカ】memory【4】
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【がくルカ】memory【7】
あなたにとって、彼女はどんな存在?
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「―――といって、ここは…」
2-Bの教室に響くのは、神威先生の声、チョーク、シャーペンを動かす音。
いたって普通の光景だ。
【がくルカ】memory【7】
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【がくルカ】memory【11】
ここで何が起こる?
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「うおー、すげえ!」
クラスメイトである鏡音君――鏡音はこのクラスに二人いるので、レン君でいいだろう――が、窓を開けて叫んでいた。
はっきり言うと、うるさい。
【がくルカ】memory【11】
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【がくルカ】memory【6】
この気持ちの正体は?
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「ルッカアアアアアアアアアアアアァァァァ!!!」
メイコが私めがけて走ってくる。
私は危険を察知し、秒速27mぐらいはあろうメイコの突進を回避するために、真横にずれる。
【がくルカ】memory【6】
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【がくルカ】memory【12】
どういうこと?
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「…で、どうしてこうなった」
バスから降りて最初に見たのは、初音先生が転んでいる光景だった。
別に初音先生がよく転ぶのはいつものことなのだが、右足の靴が無くなっている。どういう転び方をしたんだろう。
【がくルカ】memory【12】
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【がくルカ】memory【1】
月日はこの気持ちと共に流れた。
あの日から二ヶ月、今再び物語は始まる――
-----【がくルカ】memory【1】-----
今は12月。
寒いので体調をくずしやすい時期。雪も降りだす。
【がくルカ】memory【1】
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【がくルカ】memory【20】
結末はどうなるの?
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「さあ今日も頑張ろう!」
初音先生がにこやかな笑顔で告げる。
対するメンバーは、皆微妙な顔をしていた。
【がくルカ】memory【20】
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【がくルカ】私の初恋と白衣の彼【side:G】
誰か教えてください。俺には、わからないんです。
行き場のないこの想いを、どうすればいいのか。
その春も、俺は自身が通っていた高校で、教師をしていた。
母の顔を知らずに育ち、高校時代に父を亡くし、就職するまでは祖父と共に暮らしてきた。
十年ほどいるにも関わらず、俺の周囲と反してこの街並みは変わることがない。
【がくルカ】私の初恋と白衣の彼【side:G】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。