桜の轍


果てしなく続いてるこの道
幾度となく季節はすり抜けて
今もまだ静かに残ってる
春風のような優しい笑顔


一面に広がる薄紅
穏やかに包む日差しの下で
あるはずのない永遠
あなたとなら信じられた


まぶたの裏に写ってる
色鮮やかな景色　今でもまだ
透き通ったあの日の空は
やがてつかめぬ蜃気楼
この手から離れていってしまうのだろうか


ただふたりきり　他に何もいらない
あなたと同じ時を過ごせるなら
想いは舞い上がる花びらとともに消える…



まだ少し冷たい風が　
憶えているぬくもりをさらってく
ひとりで見上げる桜
何もかもが霞んで
おぼろな記憶をたどって
ただ涙があふれた


ただふたりきり　他に何もいらない
あなたと同じ時を過ごせるなら
想いはこの胸に今も息吹き続けている…


花びらにひいた一筋の轍は
あなたへ向かうただ一つの道
私は微笑んで一歩ずつ歩いてゆく