ワールドエンドブックエンド
投稿日:2017/01/28 19:27:19 | 文字数:954文字 | 閲覧数:2,821 | カテゴリ:歌詞
ワールドエンドブックエンドの歌詞
煤煙燻る夜汽車につゆ揺られて、辿り着いたは無人境
憂き身に独り沈む私をもっと寂しがらせよ閑古鳥
繙(ひもと)き、読み解きまた繰(く)る頁(ぺーじ)
切れ切れ幾片(いくひら)の言葉が舞う
ひた集め知らぬ間に崖の縁
探しものに終ぞ出会わぬまま
草臥(くたび)れ折れる赤茶けた羊皮紙が押し拉ぎあう書架の森
おどろに乱れ絡みつく憂鬱を洗い流せよそぞろ雨
目眩く捲られ巡る頁
散り散り幾葉(いくよう)の紙片が降る
追いかけていつしか道なき道
ここからはさ自分で選びなよ
ワールドエンド&ブックエンド
ダイブ!世界の縁から飛び降りて
それだけ並べ立てたのなら
助走は十分でしょ?
まだ見ぬ未来を簡単に
綺麗な言葉に変えちゃってさ
騙されることもできない私は
ほんと……どうすればいい?
草陰青む懐かしい匂いすら今は洋墨(いんく)の香に消えて
あの日の記憶を忘れゆく私の心知らずや造り花
解けては結ぼれる赤い糸
末枯(すが)れてはまた芽吹く夢の木々
ぞんざいに閉架の書庫に仕舞い
悪し様にえへらえへら嗤うの?
冬の短日(みじかび)が夕映え連れたら
あの象牙の塔へ行こう
絶えず寄る辺なく吐き出せぬ願いを
叶えてくれよ箒星
この広い世界を見渡したら
自分の小ささに気づいたんだ?
何かと比べることをしないと
何も測ることができないのかい?
ワールドエンド&バッドエンド
ダイブ!世界の縁に足をかけて
それだけ高く積んだのなら
さぞや気持ちいいでしょ?
まだ見ぬ理想を追いかけて
追いつき、追い抜きいつからか
理想に追われる毎日で
ほんと救えないよな
明日が来るという当たり前がなければ栞も意味ないのでしょう
続きを読む日は訪れないと知っていながらも栞を挟んだ
希(こいねが)い願いまた繰る頁
堆(うずたか)く高く洋紙が積もる
頽(くずお)れて折れては立たぬ心
探しものに終ぞ出会わぬまま
何かを違えた私たちは悲しまずにはいられないけど
慰めのハッピーエンドなら惨めになるだけだ
ワールドエンド&ブックエンド
ダイブ!世界の縁から飛び降りて
それだけ並べ立てたのなら
助走は十分でしょ?
垂直落下の逃避行
鳥になんてなりたくはないな
私は私のままでこの
空を飛びたいだけ
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暗ム明ラムパングラム
そこのけ、広き海へ渡る船、
帆、よく揺れて知らぬ瀬戸も青
釣り餌を食む魚や水面に待ち
〈そこのけひろきうみへわたるふねほよくゆれてしらぬせともあおつりえをはむさかなやすいめんにまち)
青めく空さえ飲み込む摩天楼に
暗ム明ラムパングラム
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騒がば踊れと虚無の国
遠雷のように鳴りひびかう太鼓の音、地を這って
諸人(もろびと)賑々しく歌い、てんでに言祝ぎ、手を叩く
誰(だ)がためにでもなく、自分のためだけにさ柏手(かしわで)を
信じて仰ぐに足るものはここには何もないさ
突として湧いた蟠る感情。泥(なず)み淀み響(どよ)み胸に残る
騒がば踊れと虚無の国
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文学 in the 少女
寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
文学 in the 少女
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螺子式夢遊船
夕立呷り朱(あけ)染まる市街がぐでんぐでんと夜を吐いて
鬼灯みたいな飛行船団が寝入りばな君を誘った
左手(ゆんで)すり抜けたペーパーバックは溺れたように宙を舞って
夢と現実を綯い交ぜにしては歪な地平の夢路を行くけど
起きれば昨日の延長がただただ続いていくだけで
螺子式夢遊船
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廻るデカダンス通り
眠たげな小路、赤い窓、街灯の明り、盲目の娼婦
廃屋で猫がニャーと鳴く、乱痴気騒ぎとはびこる悪習
虫喰いの聖書、ガラス玉、ムクドリの子ども、淀む六ペンス
全てを売って手に入れた 拳銃忍ばしこの街を歩く
あなたはいつも我が儘ね、熱病患者のように震えて
廻るデカダンス通り
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空中楼閣
さあさ、おいでませ空中楼閣、何人も十把一絡げ
下界の憂いを一時忘れて、他人、懇ろ、吹き溜まり
空の盃にゃ追い酒をさあ空の頭にゃ愛嬌を
へべれけ、不作法、のんべんだらりん、酒色漂う花街の風
どうせ死ぬ身の一踊り
空中楼閣
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そぞろサンクスギビング
うらぶれ旧市街 靴の音
夜天銀天の夜もすがら
調子の外れた樂音で沸く
虚しく豪奢なパレードだ
鋳型にはまった瑪瑙の星
そぞろサンクスギビング
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ボトルシップクロニクル
ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
ボトルシップクロニクル
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八釜しの国
二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
八釜しの国
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Dr.バロウズインザラボラトリー
燐光性の錆びた言葉が時計じかけの夢を見て
螺鈿細工の猫ヒゲ線が人工鳥の比喩に死ぬ
痛みが通る轍のあとに複数形の白昼夢
君が作った〈世界の終り〉手品まがいの琥珀の音
白黒衝動、逃げる舞踏狂
Dr.バロウズインザラボラトリー
オリジナル曲作ってます。
ブログ
http://ameblo.jp/a-march-hare