おもひでしゃばだば

投稿日:2012/01/28 16:39:29 | 文字数:4,282文字 | 閲覧数:104 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン

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いろいろよろしくお願いします;;((

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TEXT
 

ピノキオP様の、
おもひでしゃばだば
という楽曲を聴いたら妄想が止まらなくなってまとめてしまいました(汗

需要皆無なことも重々承知、
私の文が残念なことも分かっているのですが(((

お暇つぶしにでもご利用していただけたら嬉しいです。

切なさ極まる大好きな本家様:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16143243


(こっそりマイリス巡回推奨←←)


これは、僕の傷心をえぐるための小旅行。
ふたり分のひろいこたつから1mmも動くことなく、君を巡る。
時を遡る。
そこには君もいて、僕もいた。
春夏秋冬。
おもひで、しゃばだば。


あの頃はそうだな、なんでもかんでも“おもひで”にカテゴライズして、永久保存しようと必死だった。だけど今は、“おもひで”にしかなれないことが、・・・・、うん、おもひで、しゃばだば。

君と出会って恋に落ちていろいろあってめでたく結ばれて。
「リア充おめでとう」の恨み混じりの声も笑って流せるくらい、僕は、僕たちは幸せのてっぺんにいた。
それが、いけなかったのかな。幸せの次は、不幸しか、ああ、えっと、おもひで、しゃばだば。

季節は巡って巡って巡って。
春は花見して。
夏は花火して。
秋は小旅行して。
冬はこたつでみかんを剥いて。
なんてことない日常に、君がいたんだよなあ。
こたつの向こう側、君越しに見ていた窓を思い出して、僕は焦点をなくした瞳をそっと閉じた。
今年の桜を、思い出しに。
おもひで、しゃばだば。




春に、君といました。
世界の果てまでも、この可愛らしくて儚げな桃色が埋め尽くしているんじゃないかと日和ってしまうくらい、幸せな日曜日。
あの子と手をつないで、僕たちは川沿いの桜並木を散策していた。
どこもかしこも人、人、人で、座って桜を鑑賞できるようなスペースは見当たらない。しかも、大人数で騒いでいる団体ばかりが目に付いて、たったふたりの僕たちはなんだかのけ者にされてるような気さえする。
だけど、この子とふたりぼっちなら。それよりも素敵なことはないのかもしれない、なんて、デレデレだなあ。自分。

「ねえ、お酒、重たくない?へーき?」
ふいに、彼女が僕の左手を見やった。10缶ほどのチューハイやカクテルもどきや梅酒やマッコリや、つまり酒の類が入った保冷バッグ。そういや重いな。
「でもほら、弁当、持ってもらってるし。てか、僕が弁当も持つよ。」
あの時は結局なあなあになって、彼女は弁当だけは渡してくれなかった。
「だーめ。男は力、女は愛嬌、なんてつまんないことゆわないでー。」
ほほを緩め目を細めながら彼女は言う。その優しさに、いつも僕は癒される。
「・・・ありがとう。」

風が吹いて、桜の花弁がさらわれる。僕らふたりの間を、ごうと鳴りながら吹き抜ける。ものすごく驚いて、それからものすごく感動して、それからなんとなく可笑しくて、笑いあった。
君と出会えたキセキと、君と僕のちょうど間を桜吹雪が選ぶキセキ、どっちがよりキセキテキなのか、一瞬考えて、でもすぐ答えが出て、僕は、彼女の手をきゅっとしてみた。


そのあと、なんだかんんだで桜の花びら散り敷く木の影に座り、浴びるほど酒を飲んだ。
彼女が酒に強いのか、僕が人より弱いのか、とにかく彼女は余裕の笑顔、「おいしいね」と優雅に花見し、僕は顔を赤くして、「うんそうだね」とたどたどしく口を回した。
そのまま真暗になるまでじゃれあいながら飲み明かして、さすがに人気はなくなった。
彼女はおもむろに、少しふらふらと立ち上がった。
「そろそろ終電。」「帰ろ。」
お酒のせいか、熱っぽく顔を赤らめ、ちょっと舌が麻痺したような口調で、彼女は僕に手を伸ばす。
まだ、帰りたくはなかった。
「・・・うん、行こうか。」
しかし僕は彼女の手を取りぐらぐらと立ち上がった。軽くなった保冷バッグをなんとか忘れず、甚だ危なっかしい千鳥足で、僕らは夜をピンクに染めた。

辿り着いた駅の階段で、彼女は転んだ。足を引っ掛けてべしゃっと転んだ。低めのヒールの真っ赤なパンプスが、ぽーん、ぽーんと楽しそうに落ちていった。僕は頭がまっしろになって、ものすごく慌てて彼女を抱え起こした。
彼女の顔は羞恥と酔いでなんとも言えず、僕の顔はきっと馬鹿らしいほどに真剣で。
心臓一拍分の静寂。
どちらからともなく吹き出した。止まらない。笑いが止まらなかった。
「呑みすぎ!」
「あたしより弱いくせに!」
けらけらと笑っていたら、僕らは終電を逃した。

夏に、君といました。
僕の地元の花火大会を、浴衣と甚平で手をつないでふらついた。
彼女の浴衣姿はどこか文学的で、僕は一夜で100回くらい目を奪われた。
金魚すくいは何度やってもどちらも一匹も救えなくて、夜店の笑顔が快活なおじさんが「しょーがねえなあ」と言って二匹の金魚をくれた。たこやきや、カキ氷を食べた。普通に考えたら割高で、きっとおいしくもないだろうけど、この祭りの雰囲気に、ざわめく人ごみに、何かの魔法をかけられているのだろう。何故かおいしかった。

ついにやってきたメインの花火は、どん、どん、どん、と腹に響く音をあげていた。
打ちあがり空に散らばる大輪は、彼女の白い頬と輝く瞳を何度も彩った。

そのあと、僕の狭い四畳半に帰って、ひたすら遊んだ。
いつのまにかオールの流れだった。
夜がひたすら更けて、朝を迎え始める午前4時。
徹夜明けのやけにエネルギッシュな笑顔で、「花火!花火!」
はしゃぐ彼女に釣られてしまい、まだ薄暗い外へ出た。

トラックくらいしか走っていないアスファルトの上をおなじみのアルバムをかけてドライブする。
「運転、すき?」
「まあ、そうだね。」
「まだ暗いねー。」
「綺麗に見えるだろーね、花火。」
「コンビニに売ってるよね?」
「売ってると思うけどなー」
「海にも行きたいな。日の出。せっかくオールしたんだし。」
「そうだねえ。」
彼女とこうやって、いつまでもくだらないことをし続けたい。次にやりたいこと、明日やりたいこと、いろいろ、いろいろ。
僕の夢は、実はただの欲望なのかな。
ふわふわと、永遠に地に落ちない魔法の風船。
二人の歴史を描くためのページ数無限の教科書。
願わくば、願わくば、ああ、おもひで、しゃばだば。

涼しい潮風、ぼんやりとした闇に、はっきりしない閃光。
相変わらず眠たい。
やはらかく笑う彼女。
へったくそな線香花火。
ねずみ花火から逃げていたら、いつの間にか日は昇っていた。


春か夏か秋か冬か。
僕は何故だか泣き出してしまって。この幸せをかみ締めて、あったかいな、しあわせだなって、改めたら怖くなって。
言葉にしたらその瞬間消えそうで。
まるで幻みたいに儚いように感じるのに、心の奥底まで沁みるほど確かにここにあって。
風船を、ただただ、膨らませて。
おもひで、しゃばだば。
溢れるなんて、割れてしまうなんて、なんて。
おもひで、しゃばだば。

秋に、君といました。

紅葉を見るために小旅行。
右も左も知らない風景、知らない道。
赤や黄に染まった木々は美しかった。
「おなか、減ったねえ。」
「でもどこがおいしいのか良く分かんないね。」
「・・・うん、あんまり、お金ないし、ね?」
「ははっ、頼りない彼氏でごめんなさい(笑)」
彼女はくすくす笑って、「この手があるからさあ・・・」つながる手をくいっと持ち上げて、「やーめた。」下ろした。
真っ直ぐ前を向いてこっちを向かなくなった彼女の言葉の続きは、実は分かっていた。
僕も同じ気持ちだよ、この手があるから、どこへ行っても、怖くない。寂しくない。ここが僕の家なんだ。彼女の、そば。

「チェーン店なら、安心かねえ?」「おなか減ったし、入ろ入ろ。」
出てきたうどんの味は、薄かった。
「僕の彼女の料理のほうがおいしいなー」
「しーっ、店内でそんなこと言わない!でも、」
「ありがとう。」
「・・・うん。」
「・・・お礼に、残りの汁飲んでもいいよ?(笑)」
「それはお礼になってないよ?(笑)」
知らない街。知らなかったうどんの味。いくら背景が変わろうと、彼女のそばが、僕の家だった。た。た。

冬に、君といました。

狭苦しいこたつに、足を押し合いながら、僕らはぐだぐだと会話していた。
「もうすぐ来年だ。」
「てゆかあと三時間でにゅーいやーだよ。」
「ガキ使にして。紅白、もういいでしょ?」「うん。」
げらげら、げらげら笑って。みかん剥いて。食べて。
「ティッシュ。」「ん。」
彼女がTVを凝視する様をちゃっかりちら見してから窓を眺める。今、外は寒いだろうか。タバコを吸いに行っても辛くないだろうか。しんしんと、雪が降っている、ようだ。蛍雪が、ぼんやり写る。
こうやって、一年ずつ年を越して、一年ずつ、一日ずつ、僕の命に、彼女が刻み付けられていくのだろう。そうして、着実に、剥がれていく。
どんどん短くなる命のなんちゃらの残りかすには、きっと彼女ばかり、彼女ばかりがいるのだろう。
「ねえ、ガキ使、止めて。」「やーだ。」「鐘だから。」「・・・ん。」
プツン、TVと一緒にいろんな糸をまとめて切った。
空気に水が打つ。
ふたりそろって、目を瞑る。

ごーん、ごーん、ごーん・・・
重々しく、宗教的で、頭を内側から叩く。彼女と描きたい未来は、煩悩なんですか。どうなんですか。神さま。
違うって、言えよ。

ふたりで翌日の早朝に初詣に行ったことも思い出した。厳かなBGMも、所詮カセットテープだと思うと白けた。ああ、明日。僕は一人で、あの神社に行けるのかな。
剥がれた命のくずをかき集めて貼りなおして、もういっかい、もういっかい彼女と過ごしたい。
あんなにあたたかくて、幸せすぎて不安で、儚い夢だったのか。あれはそうなのか。幻か。しゃばだばしちゃっただけのおもひでか。
TVをつけた。辛くなって消した。
僕は、知ってる。
僕しか、知らないんだ。
何も嘘ではない。
あったんだよ。
ばあか。
ああ。
僕はゴツンと机に顔を打ち付ける。

こんな感じで、今年はもうほんの少しだけ、もにゃっとしてようと思います。

もにゃっ。


楽曲・投稿者コメントから、様々なフレーズなど借りています;;

読んでくださった方がもしもいらっしゃるなら、((
最大限の感謝を捧げます。
本当にありがとうございました。

あほうです。よろしくお願いします。


ブログ:http://kusyam.blog99.fc2.com/

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