猿 (off vocal)
猿
作詞作曲:アボカロ
冷えた指先 かじかむ夜に
誰かがそっと 差し出す手
小さな影が 靴を抱えて
焚き火のそばで笑ってた
"こっちへおいで"と目で誘う
震える胸が逸らせない
ぬくもりの檻に閉じ込められて
履いたら最後 戻れない
やさしい罠に気づきながらも
私は靴に手を伸ばす
真っ赤な目を 伏せたままで
猿はずっと 静かに待つ
寒さを忘れた 足の裏に
誰かの声が沁みてゆく
"まだ間に合う"と風が呼ぶ
けれども耳は塞がれて
ぬくもりの檻に縛られながら
夜の深みに沈んでく
ほどけた記憶たぐり寄せても
もうこの場所を離れない
温もりさえ もう怖い
愛しさに似た恐怖
猿の手が 靴を撫でる
"さあ"と無言で告げた
ぬくもりの檻で微笑みながら
私はゆっくり目を閉じた
忘れられた物語の奥
あの日の靴を履いて行く
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