【メイコ生誕祭】 …せぇの 【カイメイ】

投稿日:2012/11/05 01:54:06 | 文字数:3,404文字 | 閲覧数:1,952 | カテゴリ:小説 | 全5バージョン

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※前のバージョンで進みます。全5Pです。


生誕祭!第二弾!まだまだぁ!

こちらもこちらに上げたものをほんの少し手直ししてメイコ生誕祭用に改めて投下します。
以前に読んで下さった方、ブクマ、コメして頂いた方、申し訳ありません。よりよいものになったと思っておりますので、改めて読んで頂けると嬉しいです。

同棲7年目の人たち、についてのお話。

ませた14歳、夢見る16歳、謎めいた20歳、そしてメイコさん。みんな可愛いです。ミク以下のボカロ達にとって年長は謎が多く、よく妄想のネタにされるようですうふふ

注意事項:レンリン前提です

うちの兄さんはツンというより性格捻くれてるから、意外なとこが弱点ですた。ふははは!楽しい!ふははは!

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「好きって言ってほしい?」


キッチンで食後のお茶を淹れる私の耳に、聞こえてきたリンの声。
リビングでは、ミク、ルカ、リンの女の子勢が、ソファに座って談笑中だ。
忙しい私たちが6人全員揃って夕飯を食べられる機会はあまりない。今日はちょうどカイトとレンの男性陣が仕事でいないため、食後は簡易女子会の出来上がりというわけだ。
女ばかりが集まれば、始まるのはやっぱり『そういう』お題らしい。

「っていうかミク姉、いきなり何?」
「ちょっとリンちゃん引かないでよ!ちがうのあのね、今日歌った歌がね」
「…あぁ、殿方から好きだと連呼されるような歌だったんですか」
「そうそうそう!すんごい素敵な歌詞書くPでねー。わたし、歌いながらすっごいうっとりしちゃったんだぁ」
「えー。お前が好きだ好きだ好きだぁーうおおおおとか言うの?」
「何それそんなのやだ。じゃなくて…『好きだ好きだ好きだって、こんなに言っても言っても言い足りないのに、君といられる時間は有限で、伝えきれなかった「好き」は僕たちが消えたあとどこに行くんだろう』…っていう感じの、なんていうかなぁ。ロマンだよねぇ」
「あーそれはいいかも!」
「ときめきますね」
「ときめくよねぇ~」
そんな賑やかなおしゃべりを話し半分に聞きながら、3人分のカップをリビングテーブルに置いた。洗い物がまだだし会話に加わるつもりはなかったのでそのまま立ち上がろうとすると、いきなりリンが抱きついてきて危うく前につんのめる。
「ねぇ!めー姉もときめくよね!」
「へ?」
「ほら、いつも素敵なラブソング書いてくれるPだよ!おねえちゃんも歌ったことあるでしょ?」
「え?あ、あぁ。あの人ね。うん知ってる」
「メイコさんも言われてみたいですか?」
ルカがにっこり笑うので、私はなんとも曖昧に笑い返した。
「うーん、私は…」
「ダメだよルカちゃん。リア充にそんなこと聞くだけ野暮ってもんだよ」
「そーだよねー。ムカつくけどそういう曲は、カイ兄が歌ったら一番サマになるかも」
「あの声だもんねぇ。あの声は反則だよねぇ」
「…ミク、ボーカロイドの声に反則も何も」
「アッッホみたいな声も出すのに本気の低音とかマジで卑怯だよねー」
「アホみたいってリン…」
「ご本人はアレですのにねぇ」
「ちょっと、ルカ?」
言われたい放題の相方のフォローも、乙女3人の毒舌フルパワーにはとても敵わない。私は諦めて盆を胸に抱き、ひっそりとその場に腰を下ろした。
この手の話題が若干苦手なのは必然的に自分と彼がやり玉に挙がりやすいからだけど、そうでなくてもそこまで盛り上がれない自分はオバサンくさいのかなぁ、なんて溜息が出てしまう。

「リンはレンにその歌、歌ってほしいかにゃー」
「レンくんのカバーかぁ。くるといいね」
「レンの低音だってね、すっごいすっごおおおおおいカッコいいんだからね!高音だって超カッコいいけどね!」
「でもレンさんって、あんまり普段からそういう…やたらに『好き』とか言わないタイプじゃないですか?」
「うん、言わないけど、リンがいっぱい好き好き好きぃーー!って言うからそれでいいの」
「えーでもそれに対してレンくんは何も言わないんでしょ?リンちゃん不安にならないの?」
「だってレンはぜったいぜったいぜーーーったい、リンのこと好きだもん」
清々しい笑顔で断言するリンに、私たち3人は目を見合わせて生温かく笑い合った。
「それにね、リンが『好きって言って』って言ったら、レンは必ず言ってくれるんだよ」
「えっ、そうなんだ。レンくんがそんな恥ずかしいこと言ってるの聞いたことないよ」
「2人だけの時しか言わないんだよ。レンは思春期だからさ」
「同い年でしょうが」
「でも催促しないと一度も言わないっていうのは、普通だったらちょっと難ありですね。リンさんとレンさんだからこその関係といいますか」
「じゃあルカちゃんは、いっぱい言ってほしい派!?意外―!」
「いえ、そんなことは…。むしろ聞いてもいないのにしょっちゅうそんなこと言われたらウザイです」
これ以上ないルカ様のお言葉に、全員が爆笑だ。
「もちろんリンさんみたいに可愛らしい方が言うのなら問題はありませんけど」
「じゃあルカは、空気を読んで、適切な頻度で、催促しないでも好きだって言ってもらいたい、ってわけね?」
「…私は、というわけではなくて…女子なら、それくらいが普通なんじゃないですか」
「えー!ミクはいっぱいいっぱい言ってほしいよ。好きってだけじゃなくて、可愛いとか、大切だとか、いっぱい言ってほしい!だって言われたら言われただけ幸せじゃない?」
「確かに幸せな言葉ですけれど、本来すごくロマンティックな台詞でしょう?それを雰囲気もなく所かまわず見境なく突然言われたって、こっちは陶酔しようがないじゃないですか」
不愉快そうに眉をひそめるルカの口調は、明らかに誰か特定の人物を指しているようで…。
リンとミクは目を丸くして彼女をじっと見ている。
「…ルカぴょん誰のこと言ってんの?」
「雰囲気もなく空気も読まずいきなりそんなこと言い出す人がいるの?」
「ち…っ……ちがいます。例えばの話です」
否定するものの、彼女のひときわ白い頬はうっすらと赤く染まってしまっている。
「まぁ、ルカはモテるからね。いくらでも言ってくれるひとはいるんでしょう」
ルカに、お互い憎からず思っている相手がいることは本人が頑なに隠したがっているようなので、事の次第に気付いてしまっている私はさりげなく話題を逸らした。
「そうだよね、ルカちゃんモテるもんねぇ。いいないいな、ミクも言われたいよ」
「ミクだってみんなにいくらでも言われるでしょうに」
「ちがうの、ユーザーの人たちじゃなくて、ミクが言ってほしい人に言ってほしいの」
「おやおや~?ミク姉は、誰に『お前が好きだ!』って言われたいの~?」
ニヤニヤと近寄るリンに、ミクは赤くなった顔をぷいと背ける。
「リンちゃんみたいな生まれつきリア充には、悔しいから言わないっ」
「えー何それぇ!リンだって色々大変なんだからね!レンは思春期だから、なかなか好きって言ってくれないしなかなかチューしてくれないしなかなか一緒に寝てくれないし一緒にお風呂も入ってくれないし、リンだってホントは色々と不安なんだからね!?」
「うわああぁああああん!おねえちゃんリンちゃんがいじめるうぅ!」
「はいはい」
「大体そんなこと言ったらめー姉とカイ兄こそリア充じゃん!」
いきなりこちらに矛先が向けられて、私は内心ヒィと悲鳴を上げた。
「大人だしなんかエロいしズルイ!絶対こっちのが卑怯!!」
「あーそうだよねぇ、おねえちゃんとおにいちゃんは、存在そのものが卑怯だとわたしも常々思ってるんだよねぇ」
「あぁ。存在、卑怯ですよね。わかります」
「な、何よそれ…。わ、私たちは別にリンとレンみたいに元々からそんなのだったわけじゃないし」
「元々そうじゃないくせに、結果的にそうなってるから余計リア充なんじゃん」
「それは…、なんていうか私たちは、その、仕方なかったっていうか…とにかく私とカイトはリア充とか、そういうんじゃないわよ」
「でもカイトさんはそれこそ好きだ好きだとウザイ方ですし、イチャイチャもラブラブも常日頃からやりたい放題じゃないですか」
「そんなの」
「めー姉だってまんざらじゃないのリンたちみーんな知ってるもんねー」
「ねー」
リンとミクがにやにやと顔を合わせる。私は反論の言葉を押し留めた。これは…何を言っても無駄だ。
リンが揚々と飛びついて私の顔を覗きこむ。
「ねぇねぇ、普段からあれだけあからさまに好き好きちゅっちゅってことはさ、2人きりの時なんか、カイ兄輪をかけてラッブラブモードなんでしょ!?」
「ひゃああ!リンちゃん聞いちゃう!?そこ聞いちゃうの!?おねえちゃーん!詳しいとこお願いしまぁす!!」
「バカなこと言ってないの。ルカ、お風呂沸かしてきて」
私はごく冷静に言い切って、空いたカップを手に立ち上がった。2人分のえええぇという不満声とブーイングが上がるが、無視して洗い物をしにキッチンに向かう。ルカが意味ありげに微笑してわかりました、とリビングを出て行くのを、横目に見てため息を落とした。

MEIKOさんを筆頭に、年長組、大人組、ボーカロイドが大好きです。

液晶の向こうに行くことは諦めたので悔しいけどめーちゃんはカイトさんに任せることにしました。幸せになれ。幸せになれ。

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