Side:レン(私的闇のダンスサイト)
投稿日:2009/11/08 10:38:48 | 文字数:2,653文字 | 閲覧数:1,417 | カテゴリ:小説
これ、規約的にどうなんだろう・・・
というかやはりヤンデレ臭。おかしい。このレンは割と白くなる予定だったのに。
人によってはグロテスクかもしれません。
ご注意ください。
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ぐちゃぐちゃになった『それ』を見た瞬間、思考回路のどこかが決定的におかしくなった気がした。
俺とリンは恋人同士だった。
とても明るくて可愛いリン。側にいるだけで幸せで、二人の間に破綻なんて来ないんだろうと、そう思っていた。
でもまさか、こんな終わり方をするなんて―――誰が考えついただろう。
身寄りのないリンの身元確認には俺を含めた友人数人が呼ばれた。
でもあれじゃあ・・・誰なのかなんてわかるわけがない。辛うじて髪で判断できるかどうか、位。それほどに遺体の状況は酷かった。
だから何となく、リンが死んだという実感はない。
目の前で崖から飛び降りてそのまま消えてしまったような、そんな不思議な感覚。
どこにいっちゃったんだよ、リン。
「レン・・・」
リンの友達だったメイコさんが心配そうに俺を見てくる。
はは、そんな酷い顔してんのかな。ちゃんと寝てるつもりだけど夢にはいつも『あれ』が出てくるから何回も起きてしまう。ちょっと寝不足なのかもしれない。
周りの人はみんな異様に優しい。
それがまるで俺を責めているようだ、なんて、どうかしてるんだろうか。
リンは友達だったミクに遺書を郵送していた。
そこにはたった一言。
『死にます。間違ってもレンを責めたりしないように』
それはどういう意味なんだろう。
俺には何の罪もないってこと?
自分一人の身勝手だってこと?
勝手に苦笑が洩れた。
冗談はやめてくれよ、リン。
君を救えなかったのは君自身じゃない。
俺だろう?
段々君がおかしくなっていったのはわかっていた。
金色の笑顔は曇りがちになり、ふさぎ込むようになったのにも気付いていた。
でも俺は何もしなかった。
不用意な言葉で君との関係を壊すのが怖くて。
だったらいっそ壊してしまおうと思ったんだ。君を。
壊して壊して、俺が不可欠なまでに壊してしまえば、
でもこんな結末望んでない。
自業自得?なのかな。
っていうか笑っちゃうくらい俺のせいだろ。
リン、君は書いとくべきだったんだよ、この遺書に。「レンは私を救ってくれなかった」って。
こんなことになる前に、君に詰られたかった。でもリンがどう俺を詰れたと?「なんで私を助けてくれないの」?「なんで手を貸してくれないの」?
阿呆らしい。リンはそんなこと言いっこない。
でもとにかく俺は、どんな形でもいいから君に断罪されたかったんだ。
自己満足でいい。断罪されることで許されたかったんだ。
だってこんなの辛い。俺に一言も言わずに行ってしまうなんて、そんなの酷い。
二人で寄り添いあって生きて来たはずだろう。お互いの欠けたところを補い、足りないところを埋め、いびつであれ噛み合うところを溶け合わせながら、少しずつ依存の度合いは高くなっていったはずだろう。
それともそれは俺だけ?
いや、君だってそうなはず。ただ君は最後の最期に俺の手を振り払うことが出来ただけで。
永遠の別れに踏み出せただけで。
つまり、リンは逃げたんだ。
苦しみや悲しみや痛みから。
この虚ろな世界から。
俺、からも。
何それ。
そんなの駄目だよ、リン。
俺は君のいない世界じゃ生きていけないよ。それは当然のことだろう。
バランスを取って支え合う棒の一本が倒れれば、もう一本だって倒れる。つまりそういうことだ。
ああ差し込む日差しが欝陶しいな。さっさと沈んでしまって二度と昇ってこなければいいのに。
君がいないだけで何もかもが違って見える。君みたいで好きだった青空も、太陽も、花達も、今は目に入るだけで苛立つ。
寧ろ夜の方が好きだ。昔、何となく怖くて苦手だったのが信じられないくらい。
今は平気だ。夜の街を歩くのも、夜の闇に呑まれてみるのも、君がいなくなったあの日から日課になりつつある。
だって夜にはきみがいる。
空気に、風に、とにかくどこかに君のかけらがちりばめられている。俺にはよく分かるよ。他の誰にもわからなくたって、俺にはちゃんとわかってる。
俺にとって、今まで生きてきた街は意味を失いつつあった。
全てがモノクロの世界に見える。
「今日は空が綺麗に青いねぇ」
空みたいな色の髪をした先輩が暢気に呟いていた。でもその言葉が理解できない音の羅列だってことに気付いたのは昨日だった。
綺麗、ってどんなんだっけ。
脳内検索をかければ、一つのパターンがヒットする。
笑顔。君の笑顔。
街中で。家で。お店で。テーマパークで。
あの夜の森で。
思い出した瞬間、リンの最期の行動が連鎖的に頭に浮かんで来た。
踊るように胸元に飛び込んで来た君の美しさ。
見上げて来た笑顔の愛らしさ。
抱きしめた感触ならまだこの腕に残っている。
嘘だ。
その全てが消えてしまったなんて、嘘だ。
ただ一つの言葉だけが頭の中をぐるぐると回る。
君に会いたい。
会いたい。
会いたい!!
リンはどこかにいる。
どう、したら。
どうしたらそこまで行けるだろう。
―――ああそうか。
ゆっくりと手を伸ばして、鈍く光るソレを手に取る。
そうだよ。こんなに簡単なのになんで気付かなかったんだろう。
涙と笑いが同時に零れる。
同じ道を辿れば、きっと同じ所に着けるよね?
いまいくよ、リン。
―――がつっ。
勢いを付けて突き立てた、手に伝わる硬い感触と喉から込み上げる錆のような味。
柔らかい首を刔り込まれる痛みに視界を白く染めながらも、俺は途方もなく幸せだった。
これが二人の生きた証、なんて言ったらリンは怒るかな?
でも生きるってこういうことじゃないか。柔らかいところを刔られて刔られて、それでも未来があるってことじゃないか。
幸せはひとときでしかない。そして幸せでい続けたければ無知で無関心でいるのが1番いい。って、これってすごーく空虚な世界観だなあ。
げほ、と吐いた息はほとんどが血で出来ていた。
痛みが脳をじりじりと焼いていく。
遠くなる意識に床に倒れ込みながら、俺はどうしようもない陶酔感を感じていた。
愛するきみ。今度は離さないよ。
ああ、やっぱり俺、
しあわ、
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Side:リン(私的闇のダンスサイト)
割とダークです。ご注意ください。
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闇のダンスサイト、二人で踊りましょう。
私は、限界だった。
世の中には耐えられないものがある。例えばいじめとか。劣等感とか。空気の悪さとか。その他諸々、人によって違うのでしょうけど。
Side:リン(私的闇のダンスサイト)
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桜に、雪に(私的花吹雪・風花舞)1
約束をした。
思い出す景色は満開の桜で彩られている。
『やくそくするよ!』
『やくそく?』
その時、僕は子供の必死さで誓った。
桜に、雪に(私的花吹雪・風花舞)1
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両手一杯の(私的恐怖ガーデン)上
昔作文を書いた。
タイトルは『将来の夢』。
『じゃあ、鏡音リンちゃん』
『はい!』
幼い私は喜び勇んで返事をした記憶がある。あの頃はほんとに何も考えてなかったけど。
両手一杯の(私的恐怖ガーデン)上
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カウンセリング
<サイド・L>
ええと、はじめまして。
俺、こういうの初めてなんで良くわかんないですけど…質問に答えれば良いんですよね?
はい、わかりました。
自己紹介、ですか。名前は鏡音レン、14歳です。
カウンセリング
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私的アドレサンス(前)
「リン、レン、自分の部屋が欲しくないか?」
始まりは父さんの一言だった。
「え―?なんで?」
私は口を尖らせた。だって別に不便があるわけじゃないし、今までもずっと同じ部屋だったし。なんでわざわざ分けなくちゃいけないのかな。
お父さんは暢気な顔で指を立てて見せた。
私的アドレサンス(前)
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私的赤い花
ねえ、私だってわかってる。もう引き返せないんだって。
はじめはささやかなものから始まったはずだった。
「愛してる」
彼の言葉に薄く微笑みながら、私はぼんやりと全ての始まりについて考えていた。
始まりなんて昔過ぎて覚えてない。
私的赤い花
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道化師と壊した人形~Lost Actor Circus~
「ふぅ、これで今日は終わりだな。」
とあるサーカスの団長は、そう言って椅子に座りました。
最近、公演が多くて大変なご様子。
青髪の青年の率いるこのサーカスは、団長の両親から受け継いだ由緒正しきものでした。
親の七光りで保っていると、そういう輩もいましたし、サーカスの演目を揶揄する者もいました。
道化師と壊した人形~Lost Actor Circus~
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語り部のRe_birthday
語り部のRe_birthday
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのは罪に縛られた少年のお話です。
その少年が目覚めたとき、辺りは暗闇に包まれていたそうです。何も覚えておらず、なぜここに居るのかも分からずに。しかし、その部屋の天井に有った、巨大な緑色のぜんまいから響いてきた言葉によって、すべてを思い出したそうです。
悪逆非道の王女の双子として生まれて、召し使いとして姉に仕え、たくさんの国民を苦しめて、その果てに自身の愛した人を殺して、その恋人を悲しませたことを。そして、その後に起こった革命の際に、大切な姉を悲しませてしまったことを。
そして、ここに居る理由と、結末に気づき、もうあの頃には戻れないと悟ったそうです。
語り部のRe_birthday
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王国の薔薇.14
それが罪でなかった筈がない。
<王国の薔薇.14>
「扉、開く?」
「ええと・・・ああ、大丈夫みたいだ」
力を込めて、引く。
王国の薔薇.14
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語り部のマヨイガ
語り部のマヨイガ
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのはとても美しい魔女の物語です。
山の麓の森の置く深くに青く長い髪を持つ魔女が住んでいたそうです。魔女はとても美しく、その姿を見た者は誰しも魔女に恋してしまうそうです。麗しき魔女の歌声を耳にしたが最後、魔女の虜となった迷い人は誰一人として帰らなかったそうです。
ある時、また一人迷い人がやってきたそうです。その迷い人は、金の髪をひとつに束ねた少年だったそうです。そしてその迷い人は例の如く青い髪の魔女に出会い、恋に落ちたそうです。迷い人は魔女と共に楽しく日々を過ごしたそうです。魔女と過ごすうちに迷い人が虚ろに思い出すのは痛みと衝撃、鈍っていく体の感覚、そして、泣き叫ぶ大切な人の声。つまり、死ぬ間際の記憶でした。ですが、迷い人はその記憶すら忘れてしまったそうです。そして、二度と帰る事無く歌を歌う魔女の傍に居続けたそうです。
山の麓の森の奥深くたった一人で魔女が住んでいたそうです。時たま、人は訪ねてくるのですが、生きている人間は一人として訪ねて来ることは無かったそうです。迷い人は自身の命が尽きたことに気づかぬまま、魔女の傍に留まり続けたそうです。そんな迷い人のため、魔女は延々とたった一人で歌を歌い続けたそうです。
語り部のマヨイガ
鏡音が好きです。双子でも鏡でも他人でも。
というか声が好きなのが原因なのか…それとも設定が原因か…
ちなみに最近ピクシブも同HNでやってます。
タグがいじられているとテンション上がります。何ですか皆さんセンス良すぎです
そういえば、何だかブクマとかコメとか頂いてるようでどうしよう。まさかの100ユーザーブクマ突破かなり嬉しいです。精進します。
文:正直暗いかハイテンションな犯罪臭しか書けません!
ぽっぷできゅーとな作風って何?私の辞書は欠陥辞書らしく、検索してもヒットしませんでした。
絵:素人も良いところですが練習も兼ねて妄想を垂れ流していく所存であります。
まあ見てのとおり、種族を細かく言えばリン廃です。日々レベルアップしています。
ボカロウイルスは周辺で増殖中。いいぞもっとやれ