月の物語 運命の輪3の続き
「ばーか。からかうな」
リンの頭を小突く真似をしながら
「グミは気さくな感じの面倒見の良い子見たいだし、ネルは口数は少ないけど責任感のある子見たいだし、これから一緒に頑張って行けそうだな」
僕から見た二人の印象をリンに伝える、リンが僕を振り返りながら
「うん。私もそう思う。二人ともっと仲良くなれたら嬉しい」
リンが頷く。二人で微笑み合い
「ほらリン、早くマーリア様の所に戻ろう」
リンに先を促し急ぐ、少し急いで戻った所、グミとネルが先にいてマーリア様と談笑していた。
「「お待たせ。お待たせしました。」」
二人で一緒に声を掛ける。
「大丈夫。私達も今、来た所だから」
「うん」
グミの言葉にネルも頷く
「三人で何を楽しそうに話ていたの?」
リンの問い掛けに三人が楽しそうに目配せしあいながら教えてくれた。
「あのね。この後のお風呂の中に薔薇の花びらがいっぱい浮かべてあるんですって!」
グミが嬉しそうに教えてくれる。
「薔薇がこの時期に?」
リンがびっくりした様子で問いかける。僕も少しびっくりする。今は寒い時期だから…
「はい。この離宮では、不思議と季節に関係無く、いつでも色々な花が咲いているのです」
マーリア様が説明してくれる。
「今日は、皆様が初めて離宮に来られる日なので、ルカ女王様から少しでも皆様の緊張感が和らぐ様にして欲しいと、お願いされたので女官達と考え、疲れを癒すお風呂に手を加えて見ようかと思い、薔薇の花びらを浮かせて見たのです」
「凄いね。お家のお風呂では花びらなんて浮かべた事無いよ、ねぇ。レン」
「ああ」
僕がリンの言葉に相槌を打つ。
リンの驚いた声を楽しげに聞いていたグミが
「それに此処のお風呂は、とても大きいとマーリア様から聞きました。数十人が一緒に入ってもまだ余裕があるのですって!!」
「ふへ~」
リンが変な声で答えている、想像しているのだろう。
ネルも目をキラキラさせている。勿論、お風呂の事を教えてくれたグミも嬉しそうだ。でも…正直僕は…広いお風呂には少し興味が有るが…お風呂は体が洗えれば良いかなと……。それこそ寒い時期じゃ無ければ川でも…
「レン!今、川でも良いかとか思わなかった?」
「えっ!」
リンが僕の考えを見抜く、僕は慌てて
「いや、凄いなぁ~と思ったよ。うん。」
「ねぇ!聞いてグミにネル。レンたら昔からお風呂に入るのを嫌がるんだよ!!練習の後とかに私がお風呂でも入ってから寝ればいいのにって言っても川で洗って来たから良い、面倒くさいとか言うだよ!!」
「あー。ほら練習で疲れてたし、川で汗も流して来たしさ、いっかなぁ~って」
「もー!レンはただのお風呂嫌いでしょ!!」
「あー。うん。」
まぁ。本当にお風呂には興味が無い。そんな風に僕達がやり取りをしていたらマーリア様が微笑みながら
「男の方にはそうかも知れないですね。レン様、湯浴みが終わりましたらお食事も用意してありますので、そちらの方も腕の良い料理人が力を入れて作っておりますから美味しいと思います。男の子のレン様には其方の方で満足して頂ければと思います」
マーリア様の言葉に僕はほっとしながら
「良かったです。正直、食事の方が僕にとっては嬉しいです」
「レン。体が小さいわりにいっぱい食べるもんね」
「小さいって…体格は標準ぐらいだし、食べる量も普通だと思うけど…?」
「えー。レンいっぱい食べるよ。何時も凄っい量がレンの胃袋に消えていくーと思って見てるからね私、そして早食い」
「えっ?そうかな??僕の先生も同じぐらい、イヤ…もっと食べてたし…同じぐらいの速さだったよね?」
「あー。あの先生ね…まぁね…確かにレンよりも食べてたし、早かったけど、あの人と比べちゃ駄目だよ。あの人は異常だと思うよ」
リンが苦笑いをしながら頷く。
「えっ!そうかな?密かに先生を目標にしていたのに…」
「えっっ!レン。止めた方が良いと思う!!」
「そうかな~。先生、強くて凄かったよな?」
「まぁ。強いのは認めるけど…」
そんな風に先生の事を二人で話ていたらグミが
「そう言えば、ネルもたくさん食べるよね?」
「うん?普通だと思うが」
「えー。ネルも多いからね!私の倍は食べているよ」
「うん??お腹空くから・・?」
「あー。分かるよ、お腹空くよな」
「レンと一緒なんだ・・。守護騎士ってお腹減りやすいの?」
リンが僕とネルの言葉に、頭に?マークを飛ばしながら小声でつぶやく
「うふふふ。」
マーリア様、顔が笑っていた
「失礼致しました。つい微笑ましくて。皆様、湯浴み所はもう少し先なので進みましょうか」
と優しく皆を促し歩き出す。僕達もマーリア様に付いて歩き出す。その後も皆で話ながら着いて行くと三度目の薔薇の渡り廊下に出る。
「うん?」
目の端に一瞬、気になる光を捉える。ネルの方に視線を向けるが、ネルは気付いていない見たいだ皆と談笑しながら歩いている。
(あの光なんだろう?)
皆に気付かれないようにしながら周りを探る…。
(今の所は大丈夫そうだな。警戒だけはしておくか…)
皆と一緒に歩き続ける。リンがチラリと此方に視線を向ける。僕は小さく笑って応える。渡り廊下をほんの少し通り過ぎるとマーリア様が立ち止まり
「此方の三通路の左側がお風呂場に続いています」
「けっこう、奥まで歩いたね」
リンがそう言えば、グミも
「うん。歩いたね。早くこの窮屈なドレス脱いでさっぱりしたい」
「うん。この慣れない服は早く脱ぎたい」
とネルも頷く。マーリア様が
「それでは女性の方々は私と中で待つ、女官の数名がご一緒させて頂きます」
「「「はーい。分かりました。はい」」」
三人の返事を確認してマーリア様が僕の方を見る
「レン様は、少し此方の方でお待ち頂いても大丈夫ですか?男湯の方へご案内する者をお呼び致しますので」
「はい。分かりました…。じゃあ渡り廊下の方で待っていても良いですか?少し風にでも当たりたいので?」
「はい。大丈夫です。ではそちらの方へ人を向かわせますね」
マーリア様が頷いてくれる。
「それでは、リン様、グミ様、ネル様。ご案内させて頂きますね」
「「はい」」
「は・・い」
グミとネルが返事を返す中、リンが僕の方を見ながら少し不安そうに返事を返す。
「リン。また後でな」
「う・・ん」
「リン、レンと離れたく無いのは分かるけど、流石に私はまだ裸の付き合いはご遠慮したいな(笑)まぁ~その内ね(パチリ)」
グミが僕に向けて片目を瞑る。そしてマーリア様の後を追いかけるようにして歩き出す。
「えー。グミそれはどう言う意味~~待ってよ~」
リンがグミを追いかける。グミのセリフに動きを止めていたネルも
「えっ!グミ?待って、ど・・うゆ・う意味??」
と二人を追いかけ動き出す。
ー編集中ー
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