(亜種注意)欠陥品の手で触れ合って 8 『Dubbio』

投稿日:2009/05/14 20:46:54 | 文字数:1,599文字 | 閲覧数:360 | カテゴリ:小説

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欠陥品の手で触れ合って8話『Dubbio(ドゥッビィオ)』をお送りいたしました。
今回の副題の訳は『疑惑』です。
凛歌と叔父さんが何を話しているかは、後々明らかになるかと。
そして今回、帯人覚醒です。
これから坂を転げ落ちるかのようにヤンデレ一直線になります。

それでは、乱文失礼いたしました。
次回もお付き合いいただけると幸いです。

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TEXT
 

凛歌があの黄色いのに抱きつかれたとき、胸の奥からきしきしと音がした。
凛歌があの白いのに近づいたとき、胸の奥から何かが割れる音がした。
凛歌があの白いのに触れたとき、胸の奥で割れたモノの、その割れ目から何かが覗いた。
気が付いたら、割れ目の中からの囁きに従って、白いのから凛歌を引き剥がして腕の中に拘束していた。

「帯人・・・中身出る。アンコ出る・・・っ!」

腕の中から苦しい声がして、ようやく我にかえる。
しかし、凛歌の中にはアンコが詰まっているらしい。
一度手を離すが、またすぐに心配になって、今度は凛歌の身体をゆるく拘束した。
今度は、凛歌は何も言わなかった。

「お熱いねぇ。」

「ボーカロイド用のシステムは用意できてる?」

中年男・・・凛歌の叔父であるらしいその人物の台詞を、凛歌はスルーすることにしたようだった。

「相変わらずだねぇ。もちっと愛想良くしても罰は当たらんと思うがね。」

言って、ストレージを投げて寄越す。
綺麗に放物線を描いたそれを、凛歌の手が掴み取った。
それをポケットに収める。

「それ以外の用件だけど・・・まず、彼・・・帯人の音域を拡張して欲しい。数値は、これくらいで。」

差し出されたメモ用紙を受け取った叔父さんが顔を顰める。

「出来なくはないが、これは・・・。」

「帯人に負担がかかる?それならしなくていい。」

「いや、負担はかからんが・・・こんなモンどーすんだ?」

ここからじゃメモ用紙の中身は見えないが、叔父さんはかなり困惑しているようだった。

「・・・・・・たぶん、これから役に立つ。」

珍しく曖昧な表現をする凛歌。
叔父さんの方も同意見だったのか、なんともいえない顔をする。

「まぁ、可愛い姪っ子の頼みなら聞かないでもないけどよ・・・その他にもあるんだろ?一体何をすればいい?」

「もうひとつは、後で。まず、帯人の音域拡張をしてほしい。」

それから、促されるままに寝台に横になり、パソコンに繋がれる。
音域拡張の間、負荷を減らすために眠くなるそうで、眠かったら眠ってしまってもかまわない、と叔父さんは言った。
暫くしてとろとろとした睡魔が襲ってきて思考がぼんやりとし始めた。

「・・・たぶん・・・9日以内・・・・・・。」

凛歌の声が聞こえた。
別室で話しているのか、所々が聞こえるだけだが。

「・・・・・・そんなことしなくても・・・・・・メーカーに・・・。」

「いや、それじゃ・・・できればすぐにでも・・・帯人を・・・・・・。」

心臓が跳ね上がった。
凛歌
いったい何を話してるの?
それは、僕のこと?
僕は、メーカーに突き出されるの?
凛歌
僕を捨てるの?
凛歌・・・・・・
凛歌凛歌凛歌凛歌凛歌・・・捨てないで凛歌。
割れ目の奥からナニカが囁く。
凛歌は僕から離れていくよ?
僕を捨てちゃうよ?
早く何とかしなくっちゃ。
早く、早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く・・・。

「帯人?起きた?」

優しく、額を拭う手。
髪を梳き、覗き込む凛歌。
割れ目の奥から覗いていたナニカが引っ込み、胸の中に温かなものが広がる。
それでも。
それでも、ナニカが落としていった刺々した欠片は温かさに融かされる事もなく、胸の中に残っていた。
ぎしり、と掌から音がする。
右手を見ると、拳の形に握られていた。
爪が掌に食い込み、赤い色が滴っていた。

「大丈夫か?帯人。怖い夢を見た?」

凛歌の手がゆっくりと強張った指を解き、掌を見る。
滲んだ赤をティッシュでふき取り、消毒してくれる。
あぁ、こんなに簡単なことだったのか。

凛歌を、僕の元に留めておくための方法。
たとえ、凛歌が僕を捨てる気なのだとしても・・・。
哀れな奴と蔑まれてもいい。
酷い奴だと憎まれたっていい。
この方法で、凛歌が僕の傍にいてくれるなら。

日々妄想を文章にしています。

妄想・・・いえ、想像たくましいです。

甘やかされるよりは甘やかしたい人(だと自分では思っている)



(追記)
約一年ぶりに活動再会という名の復活を果たしました。
以前のような更新ペースは守れないかもしれませんが、見捨てないで下さると嬉しいです。
無言で消えて、申し訳ありませんでした。

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作品へのコメント2

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    ご意見・感想

    >秋徒様
    コメントありがとうございます。
    はい、帯人ヤンデレ覚醒いたしました!
    しかし、心配なのは帯人の病みよりもむしろ・・・。
    凛歌のこの後の行動も必見です。
    それでは、乱文失礼いたしました。
    また次回もお付き合いいただければ幸いです。

    2009/05/14 22:24:52 From  アリス・ブラウ

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    ご意見・感想

    こんにちは。今回も読ませていただきました^^
     ヤンデレ覚醒しましたね!帯人の本気モードでどうなっていくのか…、ヤンデレが好物なので凄く楽しみですw
     凛歌さんも一体何を始めようとしているのでしょうか?きっと帯人のためなのだと信じています!
     長文失礼しました。次回も楽しみにしてますw

    2009/05/14 07:32:02 From  秋徒

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