欠陥品の手で触れ合って・第二楽章 8 『Orecchino』

投稿日:2009/06/19 01:03:09 | 文字数:1,414文字 | 閲覧数:217 | カテゴリ:小説

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欠陥品の手で触れ合って・第二楽章8話、『Orecchino(オレッキーノ)』をお送りいたしました。
副題は、『ピアス』です。アカイト鬼畜ぶり発揮です。
れいによって帯人がまったく出てきませんが、もうちょっとすると今度は凛歌がマトモな形ではまったく登場できなくなりますので。
ぶっちゃけ、第一楽章は典型的な『ボーイ・ミーツ・ガール』ですが、第二楽章では『ボーイ・ミーツ・ガールできない状況』を主として書いていきたいと思っています。

それでは、ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
次回も、お付き合いいただけると幸いです。

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TEXT
 

一度部屋を出たアカイトが手に持っているものを見て、声を失った。
思わず『どこの皮膚科から盗ってきた?』と言いたくなるくらいの、ゴツくて重そうな・・・。

「それは・・・なんだ?」

勿論、私はそれが何かは知っているし、用途も知っている。
ただ、認めたくない一心で喉から引きつった声を絞り出した。

「んー・・・?見たことくらいはあんじゃねぇの?ピアスガン。」

無情にも、アカイトはあっさりと予想を裏切らない返事を返す。
それを見れば、何をしようとしているのかはわかる。
わかるが、現実として認めようとしない自分がいた。

「やっぱペットには首輪なり何なり、必要だよなぁ?他の野郎にシッポ振らせないためにもよ?・・・・・・大丈夫、慣れてるからちょっと一瞬痛いだけだ。」

大きな手が、左の耳たぶに触れ、罪人を刑場に引き出すように摘み上げる。
吐き気が、した。
がしゃん、と手錠が鳴る。

「やっ・・・!嫌だ!やめろ、やめてくれ・・・っ!やぁっ!」

帯人以外の存在に、身体に残る施術を行われる。
恐怖が、脳に直接注射針を刺して薬剤を注入するように、じわじわと浸透した。
これまでにないほどの悪寒が全身を這い、冷たい汗が吹き出る。

「いや、いやぁ・・・帯人・・・っ!」

来るはずのない助けを求めて彷徨った視線と、灼けるような赤色の視線がぶつかった。

「嫌・・・!やだ、やだっ・・・!おねがい、だから・・・っ!」

がしゃがしゃと手錠を鳴らして身悶えし、懇願するが、アカイトはまったく意に介さず左耳を検分し、耳元で囁く。

「ちっさい耳・・・耳たぶまでちっさいのな。こんだけちっさかったら、下手な動きひとつで耳たぶ千切れちまうぞ?千切れちまったら別のところに穴あけなおさなきゃいけなくなるだろ?」

ひきり、と全身が硬直する。
その次の刹那だった。





この瞬間。
帯人を護るという名目を掲げ、胸の中で極限まで張っていた糸が、ぶつりと音立てて切れた。
あるいは、ピアスガンのその音は、胸の中の糸が切れる音だったのかもしれない。
左耳に、痛覚。
一瞬激しく痛んだそれは、じわじわとした鈍痛に変わる。
続いて、右耳にも同様の痛覚。
アカイトの大きな手が、左右のピアスを別のものに付け替えた。
床に置いてあった鏡を拾い上げ、見せ付けられる。
眼を逸らそうとしたけれど、顎を大きな手で掴まれてそれは叶わなかったし、それ以上抵抗する気力もなかった。
両耳に、紅玉髄(カーネリアン)と思しきオレンジがかった赤い石が飾られている。
両眼が灼けるように熱くて、ぼろぼろと涙が零れた。

「あーあ、泣いちゃった。泣くほど痛かった?凛歌ちゃん。」

くつくつ、と耳元で笑う声。
ざらり、とピアスごと耳を舐め上げる感触。
全てが全て、超絶的に、気持ち悪くて吐きそうだった。


両手足の拘束をパイプから外し、それぞれ、手首同士足首同士を繋いでやる。
胡坐をかいた膝の上に小さな身体を座らせて、首輪の鎖を握った。
小さな身体はびくりと一度痙攣しただけで、身体を硬直させたままロクな抵抗もせずにされるがままだった。
小さな薄い耳たぶに止まったピアスをもう一度舐め上げる。
がくがくと、瘧にかかったように震えるのが、たまらなく愉快だった。
一方で、頭の浮かれていない部分は冷静な判断を下していた。
あの『片目』は始末しておかねばなるまい、と。

日々妄想を文章にしています。

妄想・・・いえ、想像たくましいです。

甘やかされるよりは甘やかしたい人(だと自分では思っている)



(追記)
約一年ぶりに活動再会という名の復活を果たしました。
以前のような更新ペースは守れないかもしれませんが、見捨てないで下さると嬉しいです。
無言で消えて、申し訳ありませんでした。

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