天使は歌わない 10

投稿日:2009/08/01 10:29:59 | 文字数:1,893文字 | 閲覧数:376 | カテゴリ:小説

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こんにちは、雨鳴です。
この話数は倉庫の方にだけアップしてワンクッション置いて読んでいただくか
相当悩みましたが、もっと直接的なことを書いている人もいらっしゃるし、
実際コレは表現だけの遠まわしな表現なので、結局注意書きだけ冒頭に置いて
アップすることにしました。不愉快だと感じたら一言書き込んでください。
ピアプロさんからは削除させていただきます。
 
今まで投稿した話をまとめた倉庫です。
内容はピアプロさんにアップしたものとほとんど同じです。
随時更新しますので、どうぞご利用ください。
http://www.geocities.jp/yoruko930/angel/index.html

読んでいただいてありがとうございました!

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TEXT
 

※注意※ ぼかしていますが多少過激な表現がありますので苦手な方はこの話を飛ばしてお読みください。飛ばしても差し支えは無いように配慮して次の話を書く予定です。
 
 
 
 
 
国のリストで調べたところやはりMEIKOという名のボーカロイドは登録されていなかった。見た目もカイトと同じく人間と並べて見ても判別がつかないくらい精巧だから、特に変装の必要はなかったが、公園にいた際メイコの血塗れの姿を誰に目撃されたかもわからないので、一応変装させてシーマスの所へ向かった。 生憎シーマスは家にいなかったが、玄関脇の植木鉢の中に隠してある合鍵を使って中へ入り帰宅を待つ。
 
夜遅くになってからようやくシーマスが仕事を終えて家に戻ってきたので、簡単に事情を説明してMEIKOの話を聞いてもらう。彼女は私に話した事と全く同じに抑揚ひとつ変えず話した。 シーマスは最後まで聞いた後で、一度彼女に断りをいれてからカイトの時と同じようにメイコに回線を繋ぎ、映像データを見始める。
 
外は既に暗い。一度修理部屋を離れ、家中のカーテンを閉めてから再び戻る。カイトは心配げにメイコを見つめているが、当のメイコは人形のような無表情さでパソコンと向かい合うシーマスの背中を眺めている。 そして、シーマス。眉間に皺をよせ、唇を真一文字に結びディスプレイを睨みつける表情は決して穏やかなものには見えない。 何故だろうと私もディスプレイを覗き込もうとしたが、シーマスはびしりと私に掌をつきつけ「お前は見るな」と言い放った。
 
「…なんでよ。また殺害現場が映ってた、とかなら今更よ、一度見てるんだから―――」
「それもあるが、他にも理由がある。 …兎に角見るな。反吐が出そうだ」
 
これはカイトの時と同じように適当に処理しといてやる、とぞんざいに言って、シーマスはパソコンから回線を引っこ抜いた。メイコからも回線を引き抜き、じっと彼女を見下ろした後でがしがし頭を掻き毟り「先に出てろ。カイトも」と指示した。 ともすれば分解でもされそうな道具に囲まれているのは落ち着かなかったのか、二人は素直に修理部屋を出ていった。 しん、とシーマスには似合わないぴりぴりとした沈黙。そして徐に吐き捨てる。
 
「メイコの持ち主は国会議員だ。あまりよくない噂が多い、与党のヤツ」
「記録映像に映ってたんだ?」
「メイコに付加されていた映像記録機能は丸一日分余裕で記録出来る超大型だ。データとして保存することも出来る。ほとんどデジカメだ、これは。国に報告すりゃァ確実にスクラップ処分だろうな。 …それに、付加されてた機能は他にもある」
 
他にもある、の言葉に含まれた棘に引っかかりを覚え、目を細める。 …シーマスは確かにツンケンした所のある男だ、だが、ここまで嫌悪を露にすることも少ない。 メイコの記録映像には一体何が映っていたのだろうか。シーマスがここまで怒るようなこととは―――?
 
「………、科学は様々なアンドロイドを生み出した。救助。医療。福祉。工事。調理。 だが人間の欲望は余計なアンドロイドまで作り出した。 麻薬精製、人身売買、強盗、殺人、性処理」
「…何が、言いたいのよ」
「アンドロイド全面撤去が決まって、オレはよかったと思うね。人間の欲望は闇の方によく働く。アンドロイドによって助けられる人間より、アンドロイドによって苦しめられる人間の方がはるかに多いはずだ。 ―――だがな。アンドロイドが憎いわけじゃない。そういう悪事を平気で出来る腐りきった人間が大嫌いなんだよオレは」
 
機械を愛する男が珍しく拳をパソコンのディスプレイに叩きつけた。がしゃんと轟音がして揺れる本体。 今の今までメイコの映像記録を映していた画面は、カーテンの向こう側の夜と同じ暗い闇を纏い、今はただ静かな沈黙を保っている。
 
「………だから、メイコのマスターが殺される映像を見て胸がスッとした。 …殺される直前まで、あいつ、メイコに何やらせてたと思う?」
 
シーマスが浮かべた歪んだ笑顔を見れば言われなくたって理解する。 途端に胸が悪くなって、近くにあったスチール棚を思い切り蹴飛ばした。 滑稽なほど軽々しい音が響き、収納されていた部品がいくつか床に落下したが、シーマスは文句一つ言わなかった。「オレもそれやればよかった」なんて言い出した時には流石に耳を疑ったが。
 
「…人間の欲望って底が無いなあ」
 
ぽつんと呟いた言葉に、シーマスも小さな声で返事をする。
 
だから人は人たるのだ。
 
 
 
 
To Be Next .

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作品へのコメント2

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    その他

    こんにちは、雨鳴です。
    読んでいただいてありがとうございます!
    書いていて胸糞が悪くなりましたが何とか書き上げられました…
    恐らく考えている内容で間違いないと思います。
    人道的にどうなのよって腹立てながらの執筆でした。

    2009/08/02 10:53:07 From  雨鳴

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    ご意見・感想

    ヘルフィヨトルです。
    その与党のヤツ? 本当にいやです!!!
    なんということを!
    それも…………もう、想像したくもありません……
    とにかく女性として許せません!!!

    あ、これは直接答えが出ていなかったのであくまでも場所と条件から考えて私が導き出した「殺される直前までさせていたこと」であって違っていたらすみません。
    過激になって申し訳ないです^^;

    2009/08/01 20:41:14 From  ヘルケロ

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