A
待ち焦がれた夜に 溶けていく影は
なぜひとつになれず 雫に消える

B
蒼ざめた柔肌 忘れられぬ感触は
逃れはできない籠の中の鳥 羽根をもがれた

S1
気だるい媚薬を含んだくちづけ
移ろう記憶を紡ぐような
細くしなる指 頬に当てたなら
優しく微笑み眠るから

S2
罪にこの身悶えて 帰る場所ない
愚かな神の使い
甘い密に誘われ 恋に酔い痴れ
タブーに溺れたセラフ

A
気まぐれな右手に 香るソプラーニ
何度目の痛みと 快楽をねだる

B
刻まれたスティグマ 逐われ堕ちてたどり着く
最後の楽園 静かに抱かれた 胸の温もり

S1
全てを捧げた証の身体が
貴方に染まっていくのなら
耳元囁く哀しいララバイ
綺麗な涙で飾るから

S2
愛の意味を償う 術も知らない
淫らな神の使い
崇き使命犯して 求めるままに
堕天に彷徨うセラフ

C
遥かなトルヴェール 独り寝の夜に
溜息包むように 貴方を夢見るように

B
残酷に眩しい 月明かりに照らされて
燻る想いの届かぬ行方を 探し続ける

S1
気だるい媚薬を含んだくちづけ
移ろう記憶よもう一度
つないだ指先 熱を奪われて
戻れなくたってかまわない

S2
腐りきったロサリオ 祈り忘れた
憐れな神の使い
永久の契り破って 背いたアガペー
誓いを失くしたセラフ

A
まちこがれたよるに　とけていくかげは
なぜひとつになれず　しずくにきえる

B
あおざめたやわはだ　わすれられぬかんしょくは
のがれはできないかごのなかのとり　はねをもがれた

S1
けだるいびやくをふくんだくちづけ
うつろうきおくをつむぐよな
ほそくしなるゆびほおにあてたなら
やさしくほほえみねむるから

S2
つみにこのみもだえて　かえるばしょない
おろかなかみのつかい
あまいみつにさそわれ　こいによいしれ
タブーにおぼれたセラフ

A
きまぐれなみぎてに　かおるソプラーニ
なんどめのいたみと　けらくをねだる

B
きざまれたスティグマ　おわれおちてたどりつく
さいごのらくえんしずかにだかれた　むねのぬくもり

S1
すべてをささげたあかしのからだが
あなたにそまあていくのなら
みみもとささやくかなしいららばい
きれいななみだでかざるから

S2
あいのいみをつぐなう　すべもしらない
みだらなかみのつかい
たかきしめいおかして　もとめるままに
だてんにさまようセラフ

C
はるかなトルヴェール　ひとりねのよるに
ためいきつつむよに　あなたをゆめみるよに

B
ざんこくにまぶしい　つきあかりにてらされて
くすぶるおもいのとどかぬゆくえを　さがしつづける

S1
けだるいびやくをふくんだくちづけ
うつろうきおくよもういちど
つないたゆびさきねつをうばわれて
もどれなくたあてかまわない

S2
くさりきいたろさりお　いのりわすれた
あわれなかみのつかい
とわのちぎりやぶって　そむいたアガペー
ちかいをなくしたセラフ