巡音ルカの 『めぐりすぎ注意だというのに言う事を聞かない』

投稿日:2010/01/30 22:12:39 | 文字数:1,953文字 | 閲覧数:2,130 | カテゴリ:小説

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まさかの第2弾。
『トエト』ネタは最後まで書こうか迷いましたが、トエトの知名度を信じて書きました。他力本願(汗)。
いいなぁ……こういう歌、すごい好きだ。
知名度抜群なので、紹介する必要もないとは思いますが、まあ一応。

『トエト』
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6183148


追記:
本当はもっと早くやるべきだったのですが……(汗)
翠葉さんが絵をつけて下さいました! 僕の恩人にもどうかコメをお願いします。
http://piapro.jp/content/stlha0s43yg7u101

いま気付きました。タグ追加してくれた方、ありがとうございますw

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TEXT
 

「ひどいわ、ミク」

私と顔を合わせるなり、ルカお姉ちゃんは怒り出した。

「ど、どうしたの?」
「昨日、夢の中で私に石を投げてきたじゃない」

え、夢の話?

「しかも、こんなに大きい石を」

お姉ちゃんは両手をいっぱいに広げる。
それは石と言うより岩だ。どれだけ力持ちなんだ、夢の中の私。

「ひどいわ。やめてって言ったのに」

そんなこと言われても。

「もうミクは今日の晩ごはん、ネギ抜きなんだから」


なんでっ!?








収録が終わって楽屋に戻っている途中。
廊下に備え付けてある消火器を見て、ふとお姉ちゃんが言った。

「消火器って偉いわねぇ」
「え? どうして?」
「毎日毎日、こうして埃をかぶっても、ジッと廊下に立って。みんなから邪魔者扱いされてもガマンして。だけどイザという時には、他のどんな道具よりも一番大活躍して、私達を守ってくれるのよ」

ほんのりと赤く染まった頬に手を当てて、うっとりして言う。


「どうしよう。好きになっちゃったかも」


お姉ちゃん、気を確かに。







2人で街へ買い物に行って、偶然カイトお兄ちゃんに出会った。

「あら? 兄さん、髪を切ったの?」

一目見るなり、お姉ちゃんは言った。
あ、ホントだ。よく見たら短くなってる。お姉ちゃん、よく気が付いたな……。

「うん、春になって温かくなってきたからね。短くしてみたんだ」

気付いてもらえて、お兄ちゃん嬉しそう。

「どうだい? 少しは男前になったかな?」

おどけてそんな事を言うお兄ちゃんに。
お姉ちゃんは花のような微笑みで答えた。


「ええ、頭が小さくなったわ」


……それって男前なの?









『月がきれいですね』


明治の文豪・夏目漱石は、I love you をこう訳したと言う。
話を聞いたお姉ちゃんは、すごく感激していた。

「これが日本のワビサビというものなのね!」

 ・
 ・
 ・

「ねえミク、Nice to meet you を日本語に訳すと、何になると思う?」

さっそく何か考えてきたみたいだった。
私はわざと、直訳で答えてあげる。

「ええと、『お会いできて嬉しいです』だよね」

お姉ちゃんは待ってましたとばかりに、嬉しそうに首を横に振った。


「違うわ。『べ、別にアンタに会えたって、嬉しくも何ともないんだから!』よ」


なんか色々間違っていた。






「ミク、大変なの」

お姉ちゃんが慌てふためいて、私の所にやってきた。

「私、みんなから女王様みたいな性格だって思われてるみたいなの」

うん、そうみたいだね。
て言うか、今ごろ知ったの? ずいぶん前からだよ、それ。

「どうしよう。やっぱり鞭とか持って、高飛車な言い方しなきゃダメなのかしら」
「無理してまでやる必要ないと思うけど……でも、ある程度はみんなの期待に応えるのも大事だから、難しいよね」

アイドルだって、人に言えない苦労があるんだよ。

「子供の頃にもらったクマのぬいぐるみが宝物だって事は、黙ってた方が良いのかしら?」
「う~ん。あまり著しくイメージを損なうような事は、黙ってた方が無難かな」
「じ、じゃあ、シュークリーム作りが得意だって事は? 一生懸命練習して、やっとおいしく作れるようになったのよ?」
「残念だけど、それもアウトっぽい」

お姉ちゃんは目にいっぱい涙を浮かべて、悲しそうに言った。

「将来の夢がおよめさんだって事も、知られたら嫌われちゃうのかしら……」


……て言うか、お姉ちゃん可愛いね。







「お姉ちゃん、宝くじで100万円当たったらどうする?」
「びっくりするわ」


いや、そーいう事を聞いてるんじゃなくって。







お姉ちゃんは急に、思い出したようにポンと両手を合わせた。

「そうそう、歌の練習をしないといけないんだったわ」
「そうなんだ。がんばってね」

お姉ちゃんを見送ってしばらくして、喉が渇いたので私も部屋を出た。
キッチンに入ろうとすると、なぜかそこにお姉ちゃんとカイトお兄ちゃんがいた。

「兄さん、あの、えっと……あのね、私……」

え、なにこの雰囲気。
ひょっとして……告、白……とか?
私がドアの陰から息を潜めて見守っていると。

「あなたの事が好きです」
「え、本当?」
「ウソです」

固まっているお兄ちゃん(と私)をよそに、

「だけどほんとは、んんんんん~♪」

お姉ちゃんは歌いながら、どこかへ行ってしまった。


……いや、んんんんん~じゃなくて。







巡音ルカの 『めぐりすぎ注意だというのに言う事を聞かない』    おしまい



10周年、本命はこっちです。→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8589791

本当にロクなこと呟いてませんが、ついったもやってます。
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よろしければ是非に。m(_ _)m

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作品へのコメント14

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    ご意見・感想

    再来です。こちらも『めぐりすぎ』ました! 消火器の話が好きです。百万円も^^)
    これから消火器を見るたび、宝くじ売り場を通りかかるたび、ほぅっとなっているルカさんが思い浮かびそうです。思考がめぐりすぎると、日常がたのしくなりそうですね☆

    2010/03/15 19:53:53 From  wanita

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    メッセージのお返し

    おー、また来てもらえるとは嬉しいです。ありがとうございます!
    めぐりすぎのネタは、たいてい日常の中で「もしここにルカがいたら、なんて言うだろう?」って考えながら出します。確かに自分は楽しいですけど、他人の目にどう映っているかが恐ろしいという罠。妄想はくれぐれも、場所と周囲を確認して楽しみましょうw

    2010/03/16 18:23:32 時給310円

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    ご意見・感想

    >藍莉さん
    いらっしゃいませ、コメありがとうございます! 
    口コミで来てもらえるなんて嬉しいです。話題にしてもらえたんだなぁ……ホントにありがたいありがたい。
    宝くじのネタなら、翠葉さんという方が絵をつけてくれたんですよー。すでにご存知かも知れませんが、ご紹介しておきますね。

    http://piapro.jp/content/stlha0s43yg7u101

    よろしければ、僕の恩人の翠葉さんにもぜひコメをお願いします!

    2009/04/19 09:03:08 From  時給310円

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    ご意見・感想

    お友達から薦めてもらった時給310円さんの作品。
    天然クールルカちゃん。かわいすぎますww
    どれもかわいく面白かったのですが、特に宝くじ場面が個人的に好きです。

    又書いて下さると心から嬉しいです。さらにめぐりすぎることをたのしみにしてますww

    2009/04/18 09:51:06 From  藍莉

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    ご意見・感想

    >甘味料さん
    初めまして、コメ&ブクマありがとうございます、すごく嬉しいです!
    僕の脳内では、ルカはこんな感じです。だからたまに女王様なルカの動画を見ても「ああ、そんな頑張っちゃって……」とか思ってしまいますw
    僕の小説はだいぶ下層に埋もれてしまっているので、おそらく翠葉さんの絵を見て、来て下さったんだと思います。もし宜しければ、僕の恩人にもコメをお願いします。

    2009/04/09 22:08:38 From  時給310円

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