【メイコ+勇馬】Haughty or Cute ?【カイメイ】

投稿日:2012/02/19 11:09:23 | 文字数:4,225文字 | 閲覧数:732 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン

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メイコと意外な組み合わせです。
勇馬・ピコ オリジナル人格注意です。NGでしたら、素直に撤退いたします。

大遅刻のバレンタインものです。ああああ!すみません、申し訳ございません!
カイトの誕生日祝いに、カイトのことが大好きなメイコを書こうと思ったら、あらぬ方向に暴走して、俺得以外の何者でも無いものになりました。

「カイメイ」と呼んで良いか迷いましたが、友人のジャッジメントでは「カイメイだろ」といわれたので、恐れ多くもカイメイと呼ばせていただきます。
ひぃぃ!!

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TEXT
 

「そんなぁ、ひどいですようぅ!!」
「はいはい、ごめんね~。それじゃ、カイトくん、もう一頑張りしよっかぁ。」
「鬼ぃぃぃ~!」
 スタジオにカイトの悲痛な叫びが木霊した。
 カイトの必死の訴えに聞く耳持たず、という風にがくぽとキヨテルは左右の腕を掴み、無理やり録音ブースにカイトを押し込めている。
 その攻防戦をポカン、と口を開けて見ていた勇馬の横で、「じゃ、俺次の仕事があるんで!」と言いながらレンが足早にスタジオを後にしていった。
(・・・慣れている。)
 レンの後ろ姿に「お疲れ様です。」と頭を下げ、周囲のスタッフの様子を伺えば、皆暴れているカイトを無視して黙々と次の収録の準備に取り掛かっていた。
 別に珍しい光景でもないらしい。


 2月14日のバレンタインの今日、男性ボーカロイド達のスペシャルユニットでホワイトデー向けのラブソングの収録が行われていた。
 バレンタインを初めて経験する勇馬にとっては、バレンタインのお返し、と言われてもピンとこないが、収録前にスタッフから、ファンからの贈り物と言って紙袋一杯のチョコを渡されて、初めてバレンタインを実感したようなものだった。 
無事収録も終わり、帰り支度をしていた勇馬が目の前の光景に呆気にとられていると、ピコが「じゃ、俺らも帰ろうか。」と肩を叩いてきた。
 我に返り慌てて片づけをして、スタッフや先輩たちの背中に「失礼します。」と頭を下げた。
 がくぽ・キヨテルは律儀に振り返りながら「お疲れ。」と返事をした奥で、暴れていたカイトは一度動きを止め「お疲れ様。」とにこりと笑顔をみせた。
 ちゃんと、勇馬・ピコの方を見て。
 ピコと連れ立ってスタジオを後にした勇馬は、歩きながら改めてカイトの人の良さに感心した。
(いい人だよなぁ。)
勇馬とピコの言葉に反応を示さなかったり、こちらを見向きもせず手だけで返事をするスタッフが居た中で、先輩ボーカロイドたちは(恐らく)取り込み中であったにも関わらず、ちゃんと後輩に返事をしてくれた。
 更に、大先輩であるカイトは(たぶん)切羽詰っている状況であったにも関わらす、相手の顔を見て笑顔を見せてくれる心遣いまであった。
 その尊敬する先輩が危機的状態である(だろう)にも関わらず、助けになることができないのは何とも心苦しいが仕方ない。


 ピコと他愛の無い話をしながら歩いていると、「あ、ピコくん!勇馬くん発見!」と、愛らしい声が廊下に響いた。
「リン先輩。」
「リンさん。おはようございます!」
 にこやかに挨拶をしたピコから半拍遅れて勇馬は頭を軽く下げた。
「レンさんなら、もうスタジオを出ましたよ?」
 パタパタと軽快な音を響かせて近づいてきたリンに、ピコが言葉をかけると「違うよぅ。」と言いながらリンは、持っていた紙袋をガサガサと漁り始めた。
「はぃ!バレンタインのプレゼントだよ!」
 可愛らしいピンクのリボンの掛かった小さな小箱を、ピコ・勇馬其々に手渡した。残念なことに、二つとも同じデザインであったので、確実に義理チョコだ。
「わぁ、有難うございます。」
「まさか、リン先輩からもらえるなんて・・・。」
「あ、そっか、勇馬くんは、バレンタイン初めてだモンね。リンはね、毎年仲良くしているお友達にはチョコを配ってるんだよ!」
「今年も、先輩方の手作りですか?」
 慣れた風に言うピコに、リンは「そうだよ。」といいながらニコリと笑う。
「今年も、メイコ姉と、ミク姉と、ルカちゃんとリンちゃんの合同作品!ホッペが落ちること間違いなし!の超逸品!持ってけドロボー!!」
 踏ん反り返ってドヤ顔全開で可愛らしいことを言うリンに、ピコ・勇馬は揃って噴出した。
 『ホッペ』って・・・相変わらず、可愛い人だ。
「ねぇ、カイト兄と、がっくんや、キヨテルくんはまだいる?」
「あぁ、まだスタジオに残っていますよ。特にカイトさんは急遽、追加の収録が入ったので確実です。」
「え?」
 ピコの言葉に、リンは信じられないという風に二人の顔を見上げた。
「追加って、何?カイト兄、まだ収録終わってないの?」
 リンの言葉に、二人は苦笑いを浮かべて首肯する。
「・・・・メイコ姉、知ってんのカナ?」
 頬をポリポリと掻きながら、リンは視線を泳がせた。


 どうやら、カイトはメイコとランチの約束をしていたようだ。
 誕生日やバレンタインのイベントで満足に家に帰ることも出来ないほどに多忙だったカイトは、やっと捻出した久々の愛しい恋人との時間に、頭に花を咲かせた状態で今朝の収録を生き生きとこなしていた。
 しかし、無事収録を終えて、「お疲れ様です~」と、スキップを踏みながらスタジオを後にしようとした正にその瞬間、故意か偶然か、プロディーサーから追加の収録を言い渡された。
 その声がスタジオに響いた瞬間、カイトの頭上に艶やかな緑葉と共に美しく咲き誇っていた花が、一瞬でしおれていく様を勇馬は目の当たりにした。
 振り返った顔は、さながらゾンビが「ム●クの叫び」を模写しているかのような様相だった。
 あまりの変わりように、後ずさりしそうになった勇馬だが、がくぽとキヨテルは慣れた様子で、扉の前から動かないカイトの両腕を掴み、ズルズルと引きずりながら身体を移動させた。
「そんなぁ、ひどいですようぅ!!」
 そして、カイトの悲痛な叫びがスタジオ内に木霊したわけだ。 


 リンは「しょうがないなぁ」といいながら腕を組んだ。
「カイト兄に、ちょっとエールを送ってくるか!じゃぁね、二人とも!」
 再び、パタパタと音を立てながら去っていくリンの後姿に、二人は「お疲れ様です」と労いの言葉をかけた。
「じゃあ、勇馬くん。俺、新しいプロディーサーに呼ばれてるから行くね。」
「うん。頑張って。」
ピコの背中を見送り、エレベーターで一階に下りる。


 
 一伸びをし、出口に向かう途中、どこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。
「仕方ないでしょ!それくらい割り切りなさい!」
(・・・・この声・・?)
 電話で話をしているのだろう、声がする元へ足を運べば、一階に設置された休憩室の椅子に、一人の女性が携帯電話を耳にあて、何かを話していた。
「待てる限りなら待つわよ。だから、あんたはしっかり仕事に専念しなさい。」
 様々なPVで、姿だけは知っている。
 そうだ、彼女は・・・・。
「仕事を優先するのは当たり前のことでしょ?・・・そうよ。それができない男は男として認めないわ!!」
 酷くきつい物言いに、カチンときた。
 そこまで言うことは無いじゃないか!
 カイトの、嬉しそうにしていた表情と酷く落ち込んだ表情が脳裏に甦る。
「ええ・・・。何よそれ。・・・・・はいはい、じゃあ、頑張るのよ。」
 何かをあしらうような物言いに、次第に腹がたってきた。
 携帯を切った彼女に、勇馬は黙っていることができず、「あの、」と声を掛けた。
「え?」
 振り返った女性は、勇馬の姿をマジマジと見つめてきた。
「その声は、勇馬くん・・?」
 名前を呼ばれて驚いた。
 容姿が表に出ることがほとんど無く、仕事によって姿を変えている彼は、今ある自分の姿を知っている者はほとんどいないはずだ。
 確か、彼女とはデビューする前の挨拶以外でほとんど接点を持ったことが無い。
 なのに、少し声を聞いただけで名前を呼ばれるとは思ってもいなかった。
 穏やかな笑みを浮かべ、メイコが立ち上がった。
「お久しぶりね。今日は収録だったのかしら?」
 我に返り、改めて頭を下げた。
「お久しぶりです。メイコ先輩。」
「あら、何それ?そんな堅苦しいのやめてよ。性能は貴方の方が高いはずよ。いうなれば、私だって、貴方の後輩みたいなものだわ。」
 以外な言葉に目を丸くしている勇馬の前でメイコはニコリと微笑んだ。

 先ほどのきついもの言いとは対照的に、優しい笑顔を見せる人だな、と思っていたが、その考えを頭を一振りして払い飛ばすと、「あの!」とまっすぐに彼女の目を見て畳み掛けた。
「カイト先輩と、約束していたんですよね。」
「え?えぇ、ここで待ってるって約束をしていたんだけど・・。」
「カイト先輩、凄く楽しみにしていたんです!」
「・・・・。」
「連日の秒刻みのスケジュールで、凄く疲れているはずなのに、今日は凄く嬉しそうで、『やっとめーちゃんに会えるんだ』って、ニコニコしながら俺に話してくれたんです!さっき、急に収録が入ったときにも、爽やかイケメン顔なのにヘドロ色の気色悪いゾンビのム●ク顔になって落ち込んで・・・あ、いや、今のは無しで・・・とにかく!凄く落ち込んでたんです!だから、収録が終わるまで待ってあげてください。」
 一気にまくし立てる勇馬に呆気に取られていたメイコは、少し間を置いた後小さく噴出した。
「あいつは、そんなに周りに心配をかけてるのね。」
「いや、そんなんじゃないですよ。ただ、俺が勝手に思ったことで、カイト先輩にはお世話になってるし。あと、もう少し、優しい言葉をかけてあげてもいいんじゃないかなって思っただけで。」
 大先輩に対して失礼なことを言っている自覚が充分にあるので、堪らず視線を外した勇馬には、その時メイコの表情が曇ったことに気付かなかった。
「すみません、電話の会話、聞こえちゃいました。あれ、カイト先輩との電話ですよね。ちょっとキツいですよ。カイト先輩は、決して仕事を疎かにするような人じゃありません。ただ、純粋にメイコ先輩に会いたいんですよ。」
「・・・・えぇ、そうね。」
 メイコの言葉に顔を戻す。
「大丈夫よ。あいつはなんだかんだ言っても、仕事の大切さを分かっている奴よ。私を優先させることは無いわ。」
「え?」
 何か、意外な言葉を聞いた気がする。
「仕事を疎かにするような奴は嫌いよ。カイトも、ソレを充分分かっているわよ。」
 何だそれ・・・?
 やっぱりきつい人だな。
 メイコの言葉に嫌悪感が湧き上がる。理屈では理解できるが、純粋なカイトの感情を踏みにじり、自分の考えを押し付ける傲慢な考えにしか思えなかった。
 勇馬が不快に思っている事を感じ取ったのだろう。メイコは軽く表情を緩めながら「カイトを心配してくれてありがとう。」と言った。

日々、ボカロの隠れた名曲を探して奔走する、孤独を愛さない流浪の民。
ハマったきっかけはカイトとメイコのデュエット。
キャラクターを意識したのも、この二人が切欠でした。

某CDショップではありませんが、ノーミュー○ック、ノー○イフ状態。
いろんな曲に出会えますように。

孤独にわけの分からないことを呟いているツイッターあります。
ID:isogin926

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作品へのコメント1

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    ご意見・感想

    こんにちは。

    カイトのことが大好きなめーちゃん、もうたまりません。
    最先輩の年長組に対する後輩たちの印象って、なんだか色々素敵ですよね。
    抱きつこうとして自重できる兄さんが大人でちょっと萌えましたw
    仲良くて可愛い年長だなぁ。ほくほく幸せです。

    2012/02/20 23:30:09 From  ねこかん

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