【カイメイ】赤と青の透明~abstract~【メイカイ】

投稿日:2013/05/23 01:33:48 | 文字数:3,844文字 | 閲覧数:1,257 | カテゴリ:小説 | 全4バージョン

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※全4Pです。前のバージョンで進みます*

メイトさんとカイコさんです!やっと!やっと出てきました!もりもり出てきました!もちろんカイトとメイコももりもり出てきました!赤青入り乱れてみんな好き勝手にイチャチャし始めました!収拾がつかなくなりました!…さぁ盛り上がってまいりました! (錯乱)

うちの亜種は、「曖昧」の世界に、生きています。

注意:亜種MEITOとKAIKOが出てきます。カップリングは揺るぎなく「カイト×メイコ」「メイト×カイコ」ですが、赤コンビ青コンビそれなりに仲良しです。特に赤コンビが爆発寸前です。苦手な方はどうかご注意ください。

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うーんうーん、と、カイトの唸る声が聞こえる。
足の爪先も両腕も指先も精一杯伸ばしているけれど、目的のものにあと一歩手が届かない。
「どう?」
「う…あ、あといっせんち…いやごみり…」
「無理しないで。腕つっちゃう」
メイコは眉を下げて笑った。
洗面所に備え付けの収納棚、頭上一番高いところにあるその最も奥に、ずいぶん前に仕舞い込んだままのバスソープや旅行用シャンプー類があることを思い出し、掃除がてら回収しておこうと思ったのだ。
ちょうどこの前脚立を鏡音の2人が壊したばかりだったので、キッチンから椅子を持ってこようとした矢先、我が家が誇る高身長の青い長男が現れたのである。
メイコの手前なんとしてでも任務を遂行したかったカイトだが、横腹がプルプルとつりそうになるほど手を伸ばしても、どうしてもあと少しが届かなかった。
「くそーホントにもうちょっとなのに…」
「いいのよごめん。最初から椅子持ってくればよかった」
「オレがやるからめーちゃんはやんなくていいよくそー」
「ありがと」
歯ぎしりせんばかりに悔しがるカイトに苦笑し、メイコはふと、何かを思い出したように視線を上げる。

「―――あぁでも、メイトだったら届いたわよね」

カイトであと少しだったんなら、アイツなら確実に届くはず
なんとはなしにそう呟いたメイコの声を。
響くように不機嫌な重低音が遮った。
「……悪かったな、背低くて」
「えっ?」
メイコが振り返ると、目の座ったカイトが、じっとりとメイコを睨み付けている。
「メイトよりチビで悪かったな」
「……別に、悪くないわよ。ただメイトの方がカイトより少しだけ身長高いから」
「じゃーアイツ呼び出せば。オレ知らない」
「……何言ってんの?」
「お役に立てなくてサーセンね」
「ちょっと何言ってんのカイト。やめてよ何その対抗意識」
「だってすげぇムカついたーオレもうしらなーい」
「ちょっ…別に身長差どうのなんて言ってないでしょ!?そんなことでヤキモチとか妬くの!?本気!?勘弁してよ!!」
「こっちのセリフですー男には男のプライドってもんがあるんですー」
「知らないそんなの!」
「だろうねーオレ、メイコのそういうとこキラーイ」
「きらい…、…って、はああぁぁ!?!???」
心外過ぎて、メイコは目を剥いた。何を言ってるのだこのオコサマは。見た目は大人、頭脳は子供か。いい年した大人の男があからさまにふてくされて見せて、みっともない!
「わ、私だってカイトのそういうとこ好きじゃないわよ!バカみたい!バカ!―――ッきらい!」
思いっきりそのまんま言い返してやったけど、カイトは反省どころかあーそーですかーと腕を組んでそっぽを向くばかりだ。メイコはますます憤り、拳を震わせて叫んだ。
「―――ッなによカイトのばか!!だいっきらい!!!!」









「…あ」
「…あ」

その頃、離れた場所で。
メイトとカイコは、二人同時に声を上げた。

「………ケンカしたね」
「………ああ」








                  *








「というわけでお呼ばれですー!」
キャー!と両手を挙げはしゃぎながらリビングに飛び込んできた小さい青頭を、メイコは驚きと共に出迎えた。
「カイコ!?」
「めーえちゃん!おひさ!おひさ!」
「わーカイコ久しぶりねぇ!メイトも一緒なの、デートの帰り?」
「えへへーれっつリアじゅー」
メイコよりさらに小柄なカイコは、メイコの腰に巻き付いて柔らかい胸元に顔を擦り付けている。
カイトはうんざりした目でそれを眺めてから、背を丸めてのそのそとキッチンに入っていった。
これだからコイツは嫌なのだ。腐っても性別・女である手前メイコへのセクハラ行為をむやみに押し留めるのもこちらの狭量が疑われるし、かといって己の分身がメイコのおっぱいを好きにしているのを横で眺めて複雑な気分にならないわけがない。

カイトの亜種、性別:女。カイコ。
メイコの亜種、性別:男。メイト。
非常に特殊な存在の2人だが、オリジナルである彼らにとっては至極いて当たり前…いわば空気のような認識の2人である。
例に漏れず。つまりカイトとメイコ、という例に漏れずメイトとカイコも恋人同士であり、自分たちと同じように歌も唄いこちらの世界で生活もしているらしい、が、どうにも神出鬼没でいまいち実態の掴めないところがある。
―――例えばこんな風に、あまりに空気を読んだタイミングでこの家を訪れるあたり。

考えてみると、昔からそうだった。この2人は、隠しカメラでこっちを監視してるのかと本気で何度も疑った(末に家探しまでした)ほど、タイミング良く、時には悪く、この家を突撃する。
そして今日はあきらか悪いタイミングでのアポなし訪問であった。
はしゃぐ女子2人を無視し、勝手知ったる風情でさっさとソファに座り込んでいるメイトを、カイトは舌打ちしながら視界の隅に入れる。なぜよりによって、今一番見たくないこの赤いデカブツが目の前に現れるのか。

ついさっきのメイコとの言い争いを思い出し、はぁっ、と、カイトは自己嫌悪のため息を吐き出した。
まったくもって、くだらないケンカだった。もちろんほぼ大よそ大体のところ自分が悪い。許されるなら今すぐ自分サイズの穴を掘ってスッポリ埋まって大人しくしんでしまいたい。普段ならさすがにもう少しは分別もあるしあれほどの醜態は晒さないのだが、さっきは下の子たちがいない2人だけの状況だというのもまずかったのだ。メイコもいつもならあんな風にムキになって言い返したりしない。あれは完全に、ただのガキのケンカ状態だった。
…まぁ、ある意味
3人分のカップを用意しながらカイトは思う。あのままだと意地を張るしかないから仲直りのきっかけなんか掴めなくて、家族が帰ってくるまで延々と気まずい空気で過ごすことになっていただろう。そう考えるとこの二人の突然のお宅訪問は、いい意味で場の空気を引っ掻き回してくれたのかもしれない。
が。
だとしてもどっちにしろ顔見るだけでむしゃくしゃするのは変わらん。カイトはハッと鼻で笑い、メイコ用のミルクティ、カイコ用のミルクセーキ、そしてメイト用のブラックコーヒーに、だばだばとお湯を注いだ。





丸まった背中をチラ、と見て、カイコはわざとらしく声を潜める。
「めえちゃん、カイトくんゴキゲンななめ?」
「ん?…んーん、みんなの飲み物作ってくれてるだけよ?」
「だって今日一回も怒られてないよ、カイコめえちゃんのおっぱい触りまくってるのに」
「わかってるならやめなさいよね…」
もみもみと効果音つきで胸を揉まれ、メイコは額に手を当てながらその手を外す。
「って言ってるめえちゃんも元気ないよね。ね、めーくん」
カイコに促され、メイトは無表情にメイコの顔をじっと見た。気まずくなったメイコがなんとなく視線を逸らしてから、目を閉じて頷く。
「ないな」
「…。……そりゃメイトに嘘つけるとは思ってないけど…」
むぅ、と不本意な顔でメイコがため息をつく。それを無表情に眺めやってから、メイトは唐突にソファから立ち上がった。
「あぇ、めーくんどっこ行っくのー」
「洗面所」
「カイコがいなくてもへーき?」
「平気」
じゃいってら~とヒラヒラ手を振るカイコとリビングを出て行ったメイトを物憂げに見つめて、メイコは再び、ふぅと小さなため息をついた。
「…いいわね、2人は」
「んむ?なにが?」
「よくわからないけど。…なんか、私とカイトよりよっぽど絆が強いんじゃないかって、思ったりすることとか、あるし」
「きずな」
「何も言わなくても通じ合ってるっていうか。アンタ達がケンカしてるのとか想像つかないし。間違ってもキライとか、…」
あああぁ、とメイコが頭を抱える。ごめんなんでもないのとあからさまに自己嫌悪に陥って。
そんな様子をきょとんと眺めてから、カイコは口を半月型にして、うふふふふふと笑い、メイコの頭をよしよしと撫でた。
「めえちゃん、めーくんね、どこ行くって言ってた?」
「…へ?トイレでしょ?」
「ちがうよ、洗面所だよ」
「…う、…ん?」
この家のトイレと、洗面所は別々である。
個室のトイレと離れた場所に風呂場があり、風呂場の脇に洗面台が備え付けてあるのだ。その構造をよく知っているメイトが「洗面所」と言うなら、それはトイレでなく風呂場の方の洗面所なのだろう。
メイコは、ふと気付く。さっきカイトとくだらないケンカをしたのも、洗面所だ。
カイコを振り向くと、未だにメイコの頭を撫でながら、子供を見るような目で優しげに笑っている。
「ねぇめえちゃん。めーくんとカイコの絆が強いなら、めーくんとめえちゃんの絆も強いし、カイトくんとカイコの絆も強いし、カイコとめえちゃんはちょーラブラブだよね」
ね。
まるで支離滅裂なカイコの言葉に、メイコは目を丸めた。
だけど伝わる想いを理解して、くすぐったそうに、クス、と笑った。
「……そうね。ありがとう」
されているのと同じようにカイコの頭も撫でてやると、カイコはえへへぇ、とそれを受け止めた。
「いってら~」

まったく、適わない。本当に、どこまで知ってるのだろうこの2人は。
真っ当な疑問を抱きながらもなぜか問い質す気にはならず、メイコは立ち上がり、そっとリビングを出た。 

MEIKOさんを筆頭に、年長組、大人組、ボーカロイドが大好きです。

液晶の向こうに行くことは諦めたので悔しいけどめーちゃんはカイトさんに任せることにしました。幸せになれ。幸せになれ。

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