緑閃 弐拾

投稿日:2012/04/07 16:51:05 | 文字数:2,468文字 | 閲覧数:56 | カテゴリ:小説

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すごく前に書いたものが発表されてなかったんですねー
ほんっと久しぶりですよこれ。
もう俺も流れ忘れてるっていう…
ぼちぼち書き始めたいとおもいますよー

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TEXT
 

 機体に重低音が響き、ガタガタと、不定期に揺れる。外から聞えるのは、風を切るヒュンヒュンという音と、車輪がたまに立てる、軋みの音だけ。

 リフトの中には、沈黙が流れている。

ミクは、最初に声を出した。
「テトさんは、何で、これをもっていたんでしょうね。」
 答えは無い。
「何で、この能力を使わなかったんでしょうね・・・。」

「テトさんは、なぜあんな事にならなければならなかったんでしょうね。」

「・・・やめなさい。ミク。」
 俯いたままで、メイコが声を出す。
「あの時、なぜ止められなかったんでしょうね。」
「やめなさい。」

「テトさんは、あの時なぜ笑っていたんでしょうね。」
「やめて・・・。」

「テトさんは・・・」
「やめなさいって言っているでしょ!!」
 メイコの、怒号にも似た声が響く。
「すべて・・・」

「え?」

「全て、私のせいなんですよ!こんな事になってしまったのは!!」
 瞬間、メイコの手がミクの頬を弾いた。
 派手な音を立てながら、ミクが転がる。
 
 そのまま、時が過ぎていった。ミクも、立ち上がる事もせず、ただ何も無い天井を見つめている。リンは、座り込んで膝に顔をうずめ、ルカにいたっては、ずっと外の闇を見つめていた。

 沈黙。
 それが、今の彼女らを支配している。そして、皆、それを破ろうとしない。

「ねぇ・・・」
 ミクがまた口を開く。
「ねぇ、みんな。私達って、何で戦ってるんだろうね。もう、守らなきゃならない人間は消えてるのに。」
 誰も、答えはしない。
「もう、終わりにしようか、こんな戦い。」
 ミクが、そう言った瞬間、カイトがミクの胸倉を掴み、無理やり立たせた。
「今までに、俺達の仲間が何人消されたと思ってるんだ!!いまさらこの戦いからは逃げられ無いんだよ!何で戦ってる?ふざけるな!俺らは隣に居る仲間達を守る為に戦ってるんだろ?そうじゃないのか!ミク!!」

・・・
 ミクは、カイトの瞳を真っ直ぐ見ていた。
「・・・うか。そうなんだ。だから、戦ってるんだね。私達は。でもね、言ってる意味が少し違うかな、カイ兄。私は、終わらせようって言ってるんだよ?この、ふざけた、腐ったような戦いを、早くおわそうって言ってるんだよ?」
 冷徹な声。何故か響かない声。
「だから、終わらせる事なんて出来ないんだよ、この戦いは。分かってるだろ!ミク!」
「五月蝿い。意味わかんないよ。」
 その声は、確かに、怒りに満ち溢れていた。それは、怒りを超えた緊張になって、空気を張り詰め、威圧させる。
 カイトは、いつの間にか手を離していた。
「ぶっ壊せばいいんだろ・・・?」
「・・・は?」
 ミクは、言葉を怒りに任せて撃ち放った。
「"THE END"をぶっ壊せば、こんな戦いも終わるんだろうがッ!それなのに、くよくよくよくよ言いやがって!仲間達を守る?ふざけるな。今まで仲間を救えなかったのは私達じゃないか!・・・今まで。救えなかったのは・・・。」

 今までに蓄積したものを、全て吐き出すように言うと、ミクはそのまま俯き、膝を着いてしゃがみこんでしまった。
「私達・・・なんですよ。カイ兄・・・・・・」
 消え入りそうな声で言った。
 再び沈黙が場を支配する。カイトは静かに座り込み、その代わりリンが少し顔を上げる。


カッッッシャ・・・

 静かに音を立て、ミクは自分の胸元の扉を開けた。
 そこには、配線や、基盤、パイプが幾多も通っている中、不自然なほどに孤立した、灰色のユニットがあった。

「ミク姉、それ・・・何?」
 リンが声をあげる。
「これは、特殊能力のためのユニット。特殊能力を発揮するために使われているの。」
 ミクはそういって、体内からそれを引きずり出した。
「テトさんの決意を無駄にするわけには行かないから。」
 ミクは床にテトからもらった基盤と、自分の体から伸びているユニットを並べる。
「いまから、私に特殊能力を追加する。うまくいけば、拒否反応もなく受け入れられる。でも拒否反応で暴走したら・・・」
 ミクはどこからか拳銃を出し、リンに手渡した。
「迷わず、私の脳天をぶち抜いて。」
 ミクが声を発した途端にリフト内の全員が振り返った。
「・・・ぇ?」
「私の能力が暴走すれば、あなた達を殺してしまうから。その前に、お願い。」
「そんな・・・出来ないよ。そんなこと。」
「お願い。やって。・・・それじゃ、始める。」

 ミクはユニットのロックを解きながら、蓋を開けた。

 そこには、基盤と配線が何重も層になって入っていた。
 その側面の方には、小さい基盤が一つ別に入っているスペースがあった。ミクはそれを手に取り、配線を綺麗にはがした。
 
「これが"神速"です。」
 刹那、ミクはそれを粉々に砕き、リフトの外に捨てた。
「もう、後戻りできないように。」
 そういうと、床においてあった基盤を手に取り、配線を繋ぎ始めた。
 一つ、また一つと、慎重に。ここで、一つでも配線を間違えれば、再起動時に暴走する可能性は100%になってしまうのだという。

 最後の配線が繋ぎ終わると、ミクは手で触れながら配線の接触を確認し、蓋をした。
 それを自分の胸の中にしまいこむ。

「リンちゃん、銃の安全装置を外して、私に向けて。」
「え・・・。でも私・・・そんな・・・。」
リンは戸惑ったが、ミクの瞳えお見て、それにしたがった。
「私にエラー警告が出た時点で引き金を引いて。分かった?」
 リンは手を震わせながら、浅く頷く。
「ちょっと待ちなさい、ミク。アナタ勝手に・・」
「黙って。」
「何なのよ、私はアナタに・・・」
「いいから、黙って。」
 メイコは幾度となくミクに怒鳴りつけたが、ミクは冷徹な声でそれを全て払いのけた。
「始める。」
ミクはそういうと、椅子に腰掛け、静かに目を閉じた。
そして、聞えるか聞えないかというような声でいった。

・・・さようなら。と。

時間を浪費してなにかをつくります。

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