*小説*カイメイ*コイウタ*

投稿日:2010/02/25 17:17:27 | 文字数:2,683文字 | 閲覧数:1,084 | カテゴリ:小説

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兄さんが誕生日なので。
でも2回も誕生日あるなんて卑怯だ…!

何はともあれ兄さん誕生日おめでとう!
愛してるよ~!!!


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わぁぁぁぁぁ!タグ追加ありがとうございます!
存分に2828してくださいまし~v

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TEXT
 

こんな片想い、もう何年目?
一緒に過ごした時間も、とてもとても幸せで。
けど、伝えられない想いの分、切なくて切なくて。
だから、君に届け、僕のコイウタ。






コイウタ






「はい、めーちゃん」

懸命に、笑顔で。
後ろ手に隠していたものを渡した。
最初驚いていた彼女は、訳が判らないと言うような顔をした後、最終的に不機嫌な顔になった。

「……何、コレ」

両手で突き出すようにして差し出すそれは、自分で材料を買って、自分で作って、自分でラッピングしたもの。
甘い、甘い、お菓子。アイスじゃないよ。
某お菓子メーカーの陰謀(?)に踊らされる今日という日に差し出す、チョコレート。
今日は、バレンタインデー。

「何って…チョコだよ?今日バレンタインだし…」
「……はぁ?」

物凄く不機嫌さを増していくその表情に、こちらは冷や汗ダラダラ。
何か、悪いことしたっけ?

「あ、えっと、めーちゃんお酒好きだから、お酒のトリュフにしたんだけど…あ、練習したし、味も見たからおいしいのは保障するよ!」
「……何、それ、アンタの手作りなの?」
「あ、えっと……うん…」

しどろもどろに返す自分。情けない。
今日は自分の誕生日でもあるから、勇気出してチョコレートをあげようと思った。
女の子が男の子にあげるイベントだけど、逆チョコっていうのもあるらしいし。
何より。
もう、いい加減この想いを伝えたいと、思ったから。

「受け取って、下さい」

この間マスターに、丸で心中を読まれたみたいな唄を唄わせてもらった。
マスターが、何で声震えるんだろうと首を傾げてたっけ。

「……バカイト」

長い溜息のあと、

「…アタシに、コレ受け取れって…」

嫌味?

少しふてくされたような声に、顔を上げた。

「今日はアンタの誕生日でしょうが…」

ひょい、と取り上げられたチョコレート。
それをじっと睨み、嬉しいんだか怒ってるんだかわからない、物凄い複雑な顔をしてから、彼女が視線を上げる。

「バカイト」

本日二度目の“バカイト”呼び。
直後に、腕の中にやわらかい、衝撃。

「え?あ…?」

固まった状態で、けれど視線を落とすと、耳まで赤い彼女の、つむじ。
恐る恐る、腕を回し、抱きしめた。

「……何で大人しく待ってられないかな」
「…………ご、ごめん…?」

服を握ってくる手のひらが、少し震えている。

「アタシだってね、アンタに何かあげたいって、必死になって…」

そこまで言って、メイコは口を噤む。

「めーちゃ…」
「アンタの誕生日なのに、アタシに色々くれてどうすんのよ!」

ぎゅ、とマフラーを引っ張っていた手のひらが、押し付けるように何かを渡してきた。

「アタシが…色々もらってどうすんのよ…」

不貞腐れた、声。
渡されたそれを見れば、小さなラッピングされた、箱。

「アンタみたいに、上手く作れたわけじゃ、ないけど…」

ぼそぼそと話す彼女は、いつもの彼女と違って。
申し訳なくて、そしてとても――愛おしくて。

「…ありがとう」

渡されたそれごと彼女を、抱きしめる。

「あ、あんまり期待しないで。…ホント、上手くできてな…」
「めーちゃんがくれるってだけで、俺は嬉しいよ」
「でも…っ…」

まだ何か言いたそうな彼女を遮り、頬にキスをした。
いつもだったら、こんなこと出来もしないことだけれど。
こうしてプレゼントも貰えた、抱きしめさせてくれている。
だから、少し、大胆になる。
だから、もう少し、勇気を。
この気持ちを伝えられる、勇気を。

「…めーちゃん、俺」

情けなく、声が掠れる。
それでも、せめてちゃんと顔を見て言いたくて、抱きしめていた腕を、少し緩めた。

「…カイ、ト…?」

少し不安げに揺れる、瞳。
必死に笑顔を作って、一つ深呼吸。

「めーちゃんが、…好きなんだ」

言った途端、恥ずかしくなって、少し低い位置にある彼女の肩に顔を押し付ける。
最初戸惑っていたようだった彼女は、けれどそっとこちらの頭に触れ、髪を梳いた。
優しく、穏やかに。

「…カイト」
「…っ」

彼女の声が、直ぐ側でする。当たり前だ。こんなくっついているんだから。

「ちょっと、顔、上げて?」
「…やだ」

どこか宥めるような声に反抗し、駄々っ子みたいにぐりぐりと顔を押し付ける。今顔を上げたら、顔が赤いのがばれてしまう。
カッコ、悪いじゃないか。

「……全く」

一つ溜息のあと、呆れたように彼女が笑う。そして。

「こら、顔上げなさいバカイト」
「……」

今日はバカイト頻度が多い。
しぶしぶ顔を上げると、両手で頬を包まれた。

「アタシも、アンタに言わなくちゃいけないことがあるのよ?」
「……っ」

先程の返事、というわけか。
と、いうか、未だ返事も聞いてない相手に抱きついて、今何してた?
急に自分のしたことに気付いて、更に顔が熱くなる。

「ちゃんと聞いてなさいよ?二度は言わないからね」
「…はい」

消え入りそうな声で返事をし、頷く。
こほん、と一つ咳払いをして、彼女は照れくさそうに微笑った。

「ありがとう…アタシもカイトが好きよ」
「…へ?」

間抜けな声を上げて、まじまじと彼女を見た。
今、この唇が、そう言ったんだろうか?
それとも、幻聴?
バカバカ言われてきたけど、耳までバカになったんだろうか?

「何よその顔。ちゃんと聞いてたんでしょうね?」
「え、いや、その…は、はい…」

聞き間違いとかじゃ、なかったんだ――…。

かぁぁ、と茹蛸が腹を立てるくらいに真っ赤になって、あちらこちらに視線を泳がす。

どうしよう、めーちゃんが、俺のこと、好きだって…。

「…アンタ、耳まで真っ赤」
「……え?あ…そう言う、めーちゃんだって…」

さっきしてくれたお返しみたいに、彼女の頬を両手で包む。
少し、熱い。

「…あの、めーちゃん…」
「…何よ」
「キス…していい?」
「…聞くなバカイト」

照れて怒った彼女に、ごめん、と笑って。
ゆっくり、顔を近づける。
自然と下りる目蓋。
触れた柔らかな感触は、とても、甘かった。

「…誕生日、おめでとう、カイト」

離れた唇の距離で、彼女はそっと囁く。
嬉しそうに、やっぱり照れくさそうに。

「ありがとう、めーちゃん」

笑って、もう一回頬にキスして、抱きしめる。
今日という日に感謝を。
生まれてきたことに感謝を。



そうして君に届く、僕のコイウタ。

MEIKOさんが好きすぎて好きすぎて大好きすぎて衝動でお家にお迎えした羽鳥と申します。
もそもそこそこそ活動…停滞気味(´・ω・`)

ブログやってます。
http://blog.goo.ne.jp/mai_hat0ri

生存確認はついったさん。
@a_htr

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作品へのコメント1

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    ご意見・感想

    はぅっ(*´Д`*)
    なんて2828ストーリー(・∀・)
    ブクマさせていただきます!!

    2010/02/23 17:26:31 From  kmsaiko

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    メッセージのお返し

    ご感想&ブクマありがとうございますぅぅぅ!(≧▽≦)
    今読み返したら思った以上にこっ恥ずかしい年長組でした;
    2828もして頂いたようでありがとぅございましたー!

    2010/02/25 22:57:54 羽鳥麻衣

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