円尾坂の仕立屋 第五幕 -青い襟巻の男-
投稿日:2010/10/27 08:54:37 | 文字数:398文字 | 閲覧数:839 | カテゴリ:小説
やっと終盤です……
「…さぁ、ようやく仕事も一段落したわ……
私が忙しくてあの人が会いに来てくれないのなら
私の方から会いに行きましょう…」
るかは笑いながら裁縫箱を片付けると
仕度に取り掛かりました。
「あの人驚くかしら…今の私を見たら何て言うかしら…
『もう浮気なんかしないよ』って言うかもね…フフフ」
るかは尚も笑いながら鏡を覗き込んでいます。
やがて仕度を終えたるかはお店を早めにたたんで
夕暮れの中をいそいそと出掛けて行きました。
行き先はあの人がよく散歩に行く薄野原です。
るかがそこへ行くとあの人の後ろ姿が見えました。
るかは笑いながら近付きますがあの人は気付いていない様です…
格子柄の赤い着物
菊柄の緑の帯
髪には蝶飾りの黄色い簪
あの人が好きだった女達と同じ―――
ほら私、貴方好みの女になったわ―――
どう?私『キレイ』でしょう―――――?
-
円尾坂の仕立屋 終幕
店に戻ったるかは裁縫箱を取り出しました。
「それにしても貴方も酷い人ね
私を見た途端『初めまして。こんにちは』だなんて
まるで私達他人みたいじゃないの。嫌な人」
るかは笑いながら言うと
円尾坂の仕立屋 終幕
-
円尾坂の仕立屋 第六幕 -青い襟巻の男 弐-
るかに肩を叩かれた男は振り向きました。
そして――――
『 』
次の日の朝、
るかはいつもの様にお店を開ける準備をしていました。
円尾坂の仕立屋 第六幕 -青い襟巻の男 弐-
-
むかしむかしの物語 外伝その2 思い出の祭り 前編
人の縁や出会いと言うものは、本当に不思議だと思う事がたまにある。
初めて会ったきっかけは偶然であったのにも関わらず、その相手との交流が長く続いたり、逆に運命だと信じていた出会いが実はそこまで大した事じゃ無かったり。
……運命の出会いなんてものは経験した事が無くて、本で読んだ事があるだけだけど。
運命か必然か、それとも偶然か。そんなの神様くらいしか分からないだろうし、知った所で起こった出来事は変わらない。
ロマンチックの欠片も無いけれど、そう思い、考えてしまうのだから仕方が無い。別にロマンチックな事を否定している訳でもない。あったらそれはそれで面白いなと思う。ただそれだけ。
むかしむかしの物語 外伝その2 思い出の祭り 前編
-
moonlit bear ……っぽいもの。夢見る女の子が出てきますw……
私の名前はイヴ
え,苗字?
えーっとねぇ,確か,むーんりっと?
だったかなぁ?
あんまり、覚えてないの
moonlit bear ……っぽいもの。夢見る女の子が出てきますw……
-
白ノ娘 ―4―
「生きていてごめんなさい」
*
あの惨劇から数ヶ月。
私は町外れの教会で新たに暮らし始めた。
静かな教会。教会の近くには小さな港が有るが、余りそこに人は近寄らない。風が強いからだという。
白ノ娘 ―4―
-
円尾坂の仕立屋 第一幕‐仕立屋の若き女主人‐
昔々、町外れに『円尾坂』というさほど急ではない
大きな坂がございました。
その坂の入り口の片隅に小さな仕立て屋がありました――
「あらお早う、るかちゃん」
「お早うございます。女将さん」
円尾坂の仕立屋 第一幕‐仕立屋の若き女主人‐
-
籠ノ鳥
[A] 自由になりたいと願いながら
籠に戻った1羽の鳥
古い約束守るために
夢を追うこと見ることやめて
記憶も無くして帰ってきたの
籠ノ鳥
(プロフィールはありません)