たまには甘えてみて

投稿日:2011/03/05 22:17:48 | 文字数:3,629文字 | 閲覧数:220 | カテゴリ:小説

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猫耳ネタです。にゃんにゃんの日(2/22)…はい、遅刻も甚だしいです;;でも遅くなっても良いと言われたから…←

レンを猫役に選んだのは、そっちの方が作品的に少ないと思ったからです。死語的な内容は、今回はスルーしてほのぼのな感じですwこれがリンにうつったパターンを考えるのも、面白いかもしれません♪

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いつもと変わらない朝―少なくとも、寝起き直後のマスターはそう思っていた。


「………なに、あれ?」


マスターの疑問に、返事をする者はいなかった…いや、出来なかった。テトはただ苦笑を浮かべ、リンは嬉々とした眼差しでレンに目を向けていた。当のレンはというと、部屋の隅で丸くなって落ち込んでいる様だった。頭にある猫耳は若干垂れ、尻尾からもその様子が見てとれた。


「え…レン、なんで猫耳と尻尾?コスプレ?」

「…………」


マスターの質問に、レンは何も答えない。ただひたすらに押し黙り、口を開こうとしなかった。疑問を感じたマスターが再度訪ねようとしたが、テトがそれを制止して口を開いた。


「マスター。レンくん、今は喋らないと思います」

「え、なんで?答えてくれないと、状況が把握できないんだけど…」

「あー…実は、その………」

「っ!テ、テトさん待つにゃ…あ」


テトの言葉を遮ろうとレンの口から出てきたのは、明らかに不自然な語尾。気付いて言葉を止めた時には、既に手遅れだった。部屋に長い沈黙が満ち、その中でレンが消え入りそうな声で呟いた。


「………もう殺してくれにゃ」

「私は可愛くていいと思うよ!」


目を輝かせるリンの言葉は、レンにとってはフォローにすらなっていなかった。彼女は本心で言っているため、なるはずもないわけで。


「………とりあえず、話を聞こうか」


マスターはそう言って、溜め息をこぼした。










「―――で…起きた時には、もうそうなってたんだよね?」

「うん、気がついたらにゃぜかこんにゃ事に………」

レンの腕にあるパネルとパソコンを繋ぎ、マスターが操作をしながら尋ねる。レンは相変わらず落ち込んでいて、それに弱々しく答えた…リンに抱えられながら。今の彼は猫耳と尻尾、それに口調だけでなく、身体も普段より一回りほど小さくなっていた。リンはそんなレンを腕に収め、とても満足そうだ。


「ウィルスの類なんですよね?なら、サービスセンターに連絡した方がいいのでは…」

「その必要はないと思うよ、危険性はないみたいだし」

「いや、してよ。僕はいい迷惑だにゃ」

「したとしても、どのみち対応には一週間くらいかかるよ?」

「そ、そんにゃ………」


レンは絶望したような声をあげ、表情は悲しみに沈む。彼にとって今の状況は、余程好ましくないようだ。


「私は暫く、このままでもいいよ。猫好きだし」

「僕は嫌にゃんだよ。言葉は変だし、耳とか尻尾とか邪魔にゃ…」

「あ、レンは犬派だっけ?」

「いや、好みの問題じゃにゃくて」


双子のやり取りをよそに、マスターはレンのパネルからケーブルを抜き取る。マウスを操作しながらコーヒーを口にして飲み、一息ついて口を開く。


「とりあえず害がないのは確かみたいだし、もう少し調べて見るから部屋で大人しくしてな」

「じゃあレン、私の部屋に行こうね」

「…とりあえず、降ろしてくれにゃいかな?」

「やーだ♪」


レンの提案を一蹴し、リンは彼を抱えたまま自室へと向かった。二階に上がったのを見届けたところで、テトはマスターに話しかける。


「リンちゃん、楽しそうでしたね」

「猫好きだからね。…まあ、別の理由もありそうだけど」

「…あるでしょうね」


テトは小さく笑い、マスターは苦笑を浮かべた。パソコンを操作する彼の隣に腰を降ろし、自分の分のカップに口を付ける。


「猫耳、か。まあ、愉快犯なんだろうけど………」

「…どうかしましたか?」

「いや…俺としては、リンかテトさんに付いて欲しかったなと思って」

「マスター…いっぺん死ねば、その思考は正常になりますか?」

「さあ?どうだろうね」


テトの睨むような視線と言葉を受け流しながら、マスターはマウスを操作した。




















一方リンの部屋ではベッドに腰掛けレンを膝にのせ、上機嫌なリンの姿があった。抱えられているレンの表情からは、どこか疲れの色が見える。


「…リン、そろそろ降ろしてくれにゃい?」

「別にいいでしょ、減るもんでもないし」

「それはそうにゃんだけど…って、あんまり耳いじらにゃいで」


リンが耳を撫でたりくすぐったりすると、レンは頭を振って些細な抵抗をした。しかし今度は尻尾に手をかけ、黒い毛並みの感触を指で堪能する。それにレンが身体を僅かに震わせ、小さく声を漏らした。


「あ、ごめん。痛かった?」

「痛くはにゃいけど…ちょっとくすぐったいにゃ」


リンは耳と尻尾から手を離し、何かを数秒考えレンの手首を掴む。そしておもむろにレンの手のひらを、親指でまんべんなく圧迫し始めた。


「リン?」

「………肉球」

「にゃいもんはにゃいよ」

この上なく残念そうなリンに、呆れたように言葉を返す。ひとしきりそうした後リンは両腕で、いつもより小柄なレンの身体を包むように抱きしめた。


「レンの身体、いつもより温かい気がする」

「そうかにゃ?自分ではよく分からにゃいけど」


既にリンからの行為に対して抵抗を諦めてるらしく、レンはされるがままになる。しかし彼自身も嫌な訳ではないようで、リンから伝わる温もりに自然とその頬は緩んでいた。リンは唐突にベッドの上に寝転がり、再びレンの耳をいじり始めた。


「…うん、やっぱり可愛い」

「そう言われても嬉しくにゃいにゃ…」

「私もちょっと欲しくなったかも…いいなぁ、猫耳」

「あげれるならあげたいにゃ」


リンが本気で羨ましそうに言って、猫耳をいじり続ける。レンからしてみれば現状は煩わしく、男のプライド的に不満を感じずにはいられなかった。


「そう嫌がらなくてもいいじゃない、似合ってるよ?」

「この上にゃく嬉しくにゃい誉め言葉だにゃ…」


そう言ってふてくされた顔をするレンに、リンはたまらず抱きしめる力を強める。今の彼の一挙一動はリンにとって、可愛くて見えて仕方ないようだ。


「こうしてるとさ、私がちゃんとお姉さんに見えるね」

(あんまり変わってにゃい気がするにゃぁ…)


笑うリンの言葉に対して、レンは心の中で呟く。それを知らないリンは、そのまま言葉を続けた。


「私お姉さんなのに、いつもレンに頼ってばかりだからさ…今日くらい、お姉さんらしい事してあげたいの」


先程とは違って、リンの声はとても静かだった。彼女の腕に収まって黙っていたレンが口を開いて言った。


「…リンは馬鹿だにゃ」

「なっ…!?」


予想だにしてなかった弟の言葉に、リンが声を詰まらせる。その後には僅かに怒った様子で、レンに言い返した。


「馬鹿ってなによ!これでも真剣に…」

「だからそんにゃ事、気にする必要はにゃいよ」


リンの怒りに、レンはやや呆れたように答える。それでもその声は、どこか優しげに響いた。


「リンはリンだし、僕は僕にゃ。姉とか弟とか…上とか下とか、関係にゃいんだよ。僕たちは二人で一つにゃんだから」

「レン………」

「それに僕だって、リンには沢山助けられてるにゃ…感謝してるにゃ」


レンは自分を抱きしめる腕に、優しく手を添えた。自分の気持ちを言葉だけでなく、行動でも示すかのように。リンはレンの頭に額を当て、返事をした。


「…ありがとう、レン」

「こっちこそ…いつもありがとうにゃ、リン」

「うん…語尾のせいで、イマイチ締まらないね」

「…一言余計にゃ」


レンは溜め息をこぼし、リンは小さく笑う。ひとしきり笑ったリンが、腕の拘束を解こうと力を抜く。しかしその腕を掴む事で、レンがそれを阻止した。リンはレンの行動に、疑問を抱く。


「レン?」

「…お姉さんらしい事してくれるにゃら、今日は少し甘えてみるかにゃ」


腕を掴むレンの手に、少しばかり力が込められる。リンがよく見てみると、彼の顔に赤みが増していた。


「も、もう少しだけ…こうしてて欲しいにゃ………」

「…うん、分かった♪」


とても嬉しそうに返事をして、リンはレンの向きをくるりと自分の方へと向けた。突然の向かい合わせに驚くレンを、逃がさないように身体をしっかりと拘束する。


「リ、リンちょっ…!?」

「お姉さんらしい事、させてくれるんでしょ?」

「…あーもう、好きにするにゃ」


遠慮なく抱き締められながら、レンは羞恥を誤魔化すように目を瞑る。視界を閉じた事で、不思議と他の感覚が敏感になる気がした。触れ合う肌から伝わるリンの鼓動と温もりが、先程と比べより強く感じられたから。それがとても心地よくて、レンは自然と意識を委ねた。














(たまにはこういうのも悪くにゃい)



文をメインに、色々と創作中。
基本テトさんと鏡音が大好きです^^*(もちろんボカロ全般好きです)

よく色々な作品を巡り歩きしてます。一行詩に出没しているので気軽に絡んでくれると嬉しいです♪

最近は絵師さんのイラストから文を書いてみたいと思っていたり…。
また、僕の書いた文からイラストを書いて頂けたら嬉しいなと思ってます←


ツイッター始めて見ましたが、使い方がよく分からないww
よければお立ち寄りください♪
http://twitter.com/Defectiveprodu

pixivでも作品を投稿し始めました、良ければご覧ください^^
http://www.pixiv.net/member.php?id=2245288

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