罅割れた街並み強く掻き毟って
詰まらせた指先に生温い滴り
暑かった日にあった片隅の花束
枯れ果てて風に吹かれ
溢れ出した嗚咽
無数の四角踏んだのにまだ居続けている
乾いた薄紅なぞって虚ろに喘いだ
濁った透明が離してくれなくて
「ドウカ一緒ニヰッテ欲シイワ」
鏡の中醜い流線型
跡形もなく汚して汚して
胸に咲いたカトレアが
また媚薬めいて心溶かしていく
甘く、細く鳴いて月に陰った
「サヨナラ」なんかくれないで
背中に突き立てた赤黒い指先
動けずに震えている私は飴細工
小夜時雨に霞む青い目と白い息
どうせ見つけられないまま
変わっていくのだろう
夜明けと似た街灯 明滅 嘲笑った
湿った薄紅埋めて徒く喘いだ
濁った水面に沈んでいくようだ
「モウココデ消エテヰクノネ」
麻糸で吊る夏の終わり
名残もなく崩れて崩れて
胸の中のカトレアの根が
張り巡って心縛っていく
甘く、細く吠えて朝を嫌った
「サヨナラ」だけここにある
ずっと、ずっと忘れないでいて
願った声は音もなく宙を浮いた
そっと死んだ夜に歌っていたい
「ネェ、聴イテ」
疼きだした薄紅
どうしようもなくなったわ
鏡の中醜い流線型
落ちる夕陽 色付いたのに
甘く、細く泣いて月に陰った
「サヨナラ」がとても痛いわ
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