「ツキノカケラ」小説/第四話

投稿者: usericonルナリーさん

投稿日:2020/08/04 09:23:38 | 文字数:4,056文字 | 閲覧数:79 | カテゴリ:小説

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今月のテーマ「夜空」への投稿作品です。

お待たせいたしました。

ようやくバトルシーンあり。

メイこと、メイコがカッケーのです。

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TEXT
 

 アンドロイド達は、乗客の荷物を破棄することを拒んだが、私達は、火器を持った者達がこの星に住む事を拒んだ。
「何故、銃を持っていてはいけないのですか?」
 アンドロイド達は聞いてくる。
「身を守る事や、狩りをすることもできる。大変便利なものですよ?」
 私は、このアンドロイド達に教え込まれている知識の裏が読めた。
「そして、穏便な先住民達を皆殺しにする事も出来ますよね?」と私が聞くと、アンドロイド達はしばらく顔を見合わせ、「そのような無作法なことを、この乗客達が起こすとお思いですか?」と聞き返してきた。
「あなた達がどのように教育されたかは存じませんが」
と、メイさんが前置きして答える。
「私達は、同じ人間として、人間の『恐怖』や『傲慢』がもたらす『悪意』を知っています。そして、人間と言うのは、群れが大きくなるほど無作法になる事もあります。
もし、この星の先住民が、この船の乗客の存在を拒んだ時、銃を持った乗客達は、その銃口を誰に向けるでしょうか?」
 アンドロイド達は考え込んでいるようで、しばらく沈黙した。それから、「この星の先住民は、我々の入植を阻めるほどに知能の発達した存在なのですか?」と聞いてきた。
 私は呆れてしまった。「入植して10年も経たない私達が、『船』のある場所から、たった7時間でここまで来れたのは、どんな方法を使ったと思ってるんですか?」
と聞くと、「それだけの発展を得られる、豊富な資源と能力があったのではないですか?」と、アンドロイドはまた聞き返してしてくる。
「その豊富な資源と能力を持っているのは、私達ではありません。先住民…いえ、海中に住む、この星の住人達です」
 メイさんがきっぱり言った。
「彼等の助け無くしては、私達はこの星で生き延びれません。それは、この船の乗客達も同じことです。その中で、災いを起こす種を持ち込むことは許しません」
 すると、アンドロイド達は目つきが変わった。全部で8体居たアンドロイドのうち、2体の様子が特におかしい。
「メイ・カシス。あなたが、第一期移住者の中で、どのような権力を持つかは知りませんが」
と言って、2体の大柄なアンドロイドがゆっくり近づいてきた。
「この場では、たった一匹の『有機体』でしかない」
 この2体のアンドロイドは、戦闘型だと私は察した。そして、そのアンドロイドがメイさんに手を伸ばして来ようとした瞬間、「メイ! フセテ!」と、ウータの声がした。
 メイさんが身を伏せると、その頭の上を、弾道が走った。
 アンドロイドの顔面に、弾丸が突き刺さる。でも、そのアンドロイドはまだ動いていた。床に伏せたメイさんの腕をつかもうとする。
 マガジンのついたライフルを手にしたウータが、2撃目、3撃目を撃ち放つ。そのうちの一撃目が、アンドロイドの胸を貫いた。
 そのアンドロイドの体に空いた穴から、小さな火花がこぼれ、蒸気のようなものが噴き出す。アンドロイドは、力を失って倒れた。床に金属の体がぶつかる鈍い音がする。
 たぶん、発電源を貫けたんだ。こいつらの…少なくとも、もう1体の同じタイプのアンドロイドも、胸にエネルギー中枢がある。
 私はメイさんを助け起こし、ウータの背後に回った。
 私も、使ったことはないけど銃を手に取った。メイさんも。
 6連式の大型リボルバーを手にしたメイさんは、構え方もしっかりしてるし、手つきが違う。たぶん銃を扱ったことがあるんだ。
「そうだ。私達は、『有機体』でしかない」メイさんが威嚇の言葉を投げる。「だから、『お前達』に支配されたりはしない!」
 そう言って、メイさんはもう一体の戦闘型アンドロイドの胸の発電源を、正確に撃ち抜いた。
 発砲の反動でメイさんの肩が強く跳ねたけど、彼女は銃を取り落とすどころか、正確な連射を続けた。
 発電源から蒸気を吹き出し、金属音を鳴らしながら、次々にアンドロイドが床に倒れる。
 6体のアンドロイドは見る間に倒れ伏し、残るは1体になった。
 その1体は、怯む様子はない。メイさんの銃の弾丸が無くなったことに気づいたんだろう。最後の1体が、素早く機械的な動きで近づいて来ようとした。
 でも、銃を持ってるのは、メイさんだけじゃない。私は、さすがに大ぶりの銃を振り回せるわけじゃないから、小さな拳銃を持っていた。だから、標的がギリギリまで近づくのを待った。
 そして、標的の脚を、撃った。何度も、何度も。この銃じゃ、恐らく無機物で出来ているアンドロイドの体は貫けない。でも、動きを止めれば、なんとかなる。
 自動連射式の銃は、思ったより弾数が入っていた。
 アンドロイドは、集中的に撃たれた片脚が曲がったようで、バランスを崩した。
「麟、ナイス!」と言う、ウータの声がする。
 ウータが援護射撃をくれた。アンドロイドの片目を狙撃したんだ。
 何処に「電子頭脳」がついてるか分からないけど、私達の姿を確認していたのは、「目」からだったらしい。
 おかしな動きをしながら、そのアンドロイドは、まだ私達を捕えようとしている。
 新しい銃を手に取ったメイさんが、アンドロイドに近づいて、こう言った。
「分かったか。これが、『人間』だ」
 そうして、アンドロイドのもう片目を撃ち、次の弾丸でアンドロイドの胸のエネルギー中枢を破壊した。

 敵が居なくなった船の中で、まず私達がやったのは、銃器の運び出しだった。なんて言っても、1万人の「銃社会」の人間達が持ち込んだ武器の数はものすごい。
 極地に住んでる近所の先住民…いや、住人達に手伝ってもらって、銃器がぎっちり入っている箱を154箱運び出し、私とメイさんが元の島で預かることにした。
 貨物用の「カプセル」を用意してもらって、また7時間の移動をする。貨物カプセルは、海の中で浮力が働く間、海中人達に海辺まで運んでもらい、海辺から陸地までは、カプセルにロープを絡めて、引き上げた。
 何故こんな物騒なものを持って来たかと言うと、弾丸と本体を分解すれば、火薬と鉄が手に入るからだ。
 もし、アブゼア鉱山が「はずれ」でも、ちょっとは鉄生産組の慰めにもなるかも知れない。
 島の住民は、暴発が無いように注意しながら、しばらく火器の分解の仕事に従事した。

 私は、弾丸を取り出した銃をドライバーで分解しながら、手伝いをしてくれるウータに話しかけた。
「ウータ、なんで銃の使い方知ってたの?」
「これくらい原始的な道具なら、観ただけで分かるよ」と、ウータは言う。
「じゃぁ、この星にも『武器』ってあるの?」
「あるよ。水中で使うものがほとんどだけどね。私達の歴史にも、戦争ってあるから」
「そっか。戦争が無ければ、戦争って言葉もないもんね」
「うん。私達、麟達が思っててくれてるほど、優しい種族じゃないんだ」自嘲するようにウータは言う。「色んな争いや葛藤があって、ようやく星が平和になってきた頃に、麟達が現れたの」
 その話を聞くと、ウータ達は私達「移住民」の登場を、「この星の祖としての結束を試す神成る者の意志」であると捉えているらしい。
 この星に来てからの至れり尽くせりが、唯の「優しさ」や「無知」からではなかったと言うことが分かって、私はなんだか顔が赤くなった。
 海中人達の歴史も知らずに、唯、彼等を「なんにも知らない良い人達」だと思っていたのが、恥ずかしかった。

 島民と近所の海中人達総出での銃の解体が終わってから、私とメイさんは再びウェリア海峡に向かった。
 船は相変わらず海の上に浮いていて、私達が帰るときに乗り付けた救命ボートはそのままにされていた。
 エンジンのついたボートに乗って、宇宙船に入ると、乗客達はまだ眠っていた。
 アンドロイドの搭乗員達が居たと言うことは、彼等が乗客の「安全」を確保してから、入眠装置を切る予定だったのだろう。
 自動システムに頼り切った「第一期」の「反省」が、結果的に侵略行為を行なう事だったことに、私はなんとも言い難い怒りを覚えた。
「『人間』より頭の良い種族なんて居ないって言う、驕りでしょうかね?」と、私は細かい所を省いてメイさんに言った。
「何が?」と、メイさんはコックピットのシステムを調べながら聞いてくる。
「『この星の先住民は、我々の入植を阻めるほどに知能の発達した存在なのですか?』の事です。アンドロイド達が言ってた言葉」と答えると、メイさんは「それも『人間』の課題よ」と言う。
「自動システムに命を任せて死者を出したのも、攻撃的な機械達に『安全』を任せたのも、みんな『人間』の乗り越えなきゃならない課題」
 そう言いながら、メイさんはコックピットの、あるボタンを押した。
「その課題に、平和を手に入れた者達を巻き込まない事が、最低限のルールね」
 宇宙船が、波の上を少しずつ移動し始めた。
「何したんですか?」と、私は聞いた。
「プロペラを動かしたの。スクリューの代わりになるかと思って。後は、翼を舵に使えば…うん。何とか、移動できそう」
 メイさんも、伊達に長年私達のリーダーはやってない。ちゃんと、知識のある人達から「船」の扱い方を教えてもらっていたんだ。
 私達は、倉庫にあった食糧や、数ヶ月間居住可能な宇宙船の設備を使いながら、時間をかけて島まで戻ることになった。

 宇宙船の中には、チューナーのついたテレビモニターらしきものがあった。
 ふざけて、海中人達の使ってる電波の回線に合わせたら、思いもよらずにちゃんとこの星で使われている電波番組が観れた。
「『天空を引き裂いた船』は、現在、ウェリア極地からゆるやかに南へ移動しています。恐らく、『故郷を無くした船』と同じ場所に移動するものと見なされます」
 ニュースらしきものが報じられていたけど、後から私達もインタビューされたりするんだろうか。
 私は、しばらく情報収集を続けた。

作り続ける事を目的としているコラボになります故、月一でアイデアの元としてテーマを掲げております。
テーマから投稿された作品が色々な方々の目に留まり、そこから最終目標のコラボへと通づることが出来れば尚良しです!

楽曲でもよし、動画でもよし、小説、作詞でもよし、イラストでもよし。何でもよし!
とにかく作り続ける事!
身体に無理のないように!

完全思いつきなんで、上手くいくかわからないですが楽しく、そして素敵なオリジナル作品がどんどん増えていければいいなあと思います。

ルールは追々追加していくと思われます。

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