そぞろサンクスギビング
投稿日:2014/09/26 20:35:42 | 文字数:448文字 | 閲覧数:2,707 | カテゴリ:歌詞
そぞろサンクスギビングの歌詞
うらぶれ旧市街 靴の音
夜天銀天の夜もすがら
調子の外れた樂音で沸く
虚しく豪奢なパレードだ
鋳型にはまった瑪瑙の星
赤い幻燈 夜市を射す
祈りをま喰らう広場の慾
踊れぬ私は所在なげ
蓄音機から天の声 戯曲を諳んじるように語る
やがて言の葉は散りぬれど 伝えることなど何一つないさ
そぞろ眩しき祝祭の興に
染まれや愉し多幸を望めど
大切なものは一つでいいさ
代えがあるなんてさみしいから
金切る弦楽 喧しく
游ぐ群羊 夜半を往く
踏まれた苹果の香り烟る
見せかけ瀟洒なパレードだ
魔法はいつしか呪詛に変わり
ランタンの灯もいよいよ消え
さりとて踊れ 騒がば騒げ
誘い拐かされぬように
遠き流るる彗星が西の魔女の死を皆に知らせた
手向けに捧げる在りし日の喧噪に溶けゆく一匙の想いを
嗚呼、暗めり宴の際 紛れては彷徨った
嗚呼、溶けたフィラメントが明滅をするばかりだ
きづけば世界はあまりに暗く
無くしたものは探せやしないさ
かけがえないなんて言ったくせに
いくつもあるのは嘘吐きだ
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八釜しの国
二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
八釜しの国
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ボトルシップクロニクル
ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
ボトルシップクロニクル
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暗ム明ラムパングラム
そこのけ、広き海へ渡る船、
帆、よく揺れて知らぬ瀬戸も青
釣り餌を食む魚や水面に待ち
〈そこのけひろきうみへわたるふねほよくゆれてしらぬせともあおつりえをはむさかなやすいめんにまち)
青めく空さえ飲み込む摩天楼に
暗ム明ラムパングラム
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螺子式夢遊船
夕立呷り朱(あけ)染まる市街がぐでんぐでんと夜を吐いて
鬼灯みたいな飛行船団が寝入りばな君を誘った
左手(ゆんで)すり抜けたペーパーバックは溺れたように宙を舞って
夢と現実を綯い交ぜにしては歪な地平の夢路を行くけど
起きれば昨日の延長がただただ続いていくだけで
螺子式夢遊船
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ワールドエンドブックエンド
煤煙燻る夜汽車につゆ揺られて、辿り着いたは無人境
憂き身に独り沈む私をもっと寂しがらせよ閑古鳥
繙(ひもと)き、読み解きまた繰(く)る頁(ぺーじ)
切れ切れ幾片(いくひら)の言葉が舞う
ひた集め知らぬ間に崖の縁
ワールドエンドブックエンド
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文学 in the 少女
寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
文学 in the 少女
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騒がば踊れと虚無の国
遠雷のように鳴りひびかう太鼓の音、地を這って
諸人(もろびと)賑々しく歌い、てんでに言祝ぎ、手を叩く
誰(だ)がためにでもなく、自分のためだけにさ柏手(かしわで)を
信じて仰ぐに足るものはここには何もないさ
突として湧いた蟠る感情。泥(なず)み淀み響(どよ)み胸に残る
騒がば踊れと虚無の国
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晴天に記す雨の印象
いつか名付けた野良猫 今日は未だ来ないようだ
独りになりたがるのに 寂しがるんだねえ?
拝啓、そぼ降る雨の夜々 魂暗い午前三時
並べられた標本の中で夢を見ていた
幼子の吐く駄々のように 喧(ののめ)き呻(うめ)く波のように
晴天に記す雨の印象
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Dr.バロウズインザラボラトリー
燐光性の錆びた言葉が時計じかけの夢を見て
螺鈿細工の猫ヒゲ線が人工鳥の比喩に死ぬ
痛みが通る轍のあとに複数形の白昼夢
君が作った〈世界の終り〉手品まがいの琥珀の音
白黒衝動、逃げる舞踏狂
Dr.バロウズインザラボラトリー
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こんな夢を見た。
淡い淡い海鳴りの底、群立つイルカの呼気さながらに
溶けた瑠璃色の泪、視界が滲む
爛漫敷き詰めた青と青、世界は止め処もなく美しく
頓に永久に満ち満ちて居場所をなくした
こんな夢を見た。
オリジナル曲作ってます。
ブログ
http://ameblo.jp/a-march-hare