語り部の悪ノ召使

投稿日:2009/06/28 08:53:37 | 文字数:1,127文字 | 閲覧数:911 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン

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語り部シリーズ6作目です。

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語り部の悪ノ召使
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのは悪逆非道の王女様に仕えていた召し使いの物語です。

その召し使いは、教会の鐘に祝福され、王女と共に生まれたそうです。しかし、大人たちの勝手な都合で、双子は引き離されてしまい、王女と召し使いとなりました。

召し使いは、王女の命令によって苦しんでいる国民の姿を知っていたそうです。しかし、王女に笑っていてほしいと願うあまり、苦しむ民の姿を隠していたそうです。
それが、最終的には王女を悲しませてしまうとは分からずに・・・・

ある時、召し使いは王女と共に隣の国へと出掛け、そこで見掛けた優しげな声と笑顔の緑の娘を一目で好きになってしまったそうです。しかし、その娘の隣には、既に恋人が佇んでいたのです。その恋人は、王女が恋心を抱いている、青き王子だったのです。そして、召し使いは王女の命令に背くことができずに、自身の恋と共に、緑の娘を葬ってしまったそうです。恐らくは、止まらぬ涙を流しながら。
しかし、その涙を押し殺して、王女の元へと戻ったそうです。王女の大好物の、ブリオッシュを持って。

召し使いには、一つの確信があったそうです。
革命が起こり、この国は終焉を迎えるだろうという、確信が。

この革命はこれまでの悪逆非道の王女の当然の報いでした。しかし、それでは王女が傷ついてしまう、いや、きっと断頭台にかけられてしまうでしょう。それだけは避けたいと願った召し使いは、あえて報いに逆らって服を取り替えて、王女と入れ替わったそうです。そして、

「王女と召し使い」  から、  「王女と逃亡者」  になったそうです。

その姿は双子だったため、誰にも見分けはつきませんでした。そして王女はその時、初めて召し使いが古ぼけた記憶の中、いつも隣で笑っていた人物だと知ったそうです。

紅き鎧の女戦士が蒼きナイトと共に王女の元へと辿り着いた時、逃亡者は既に逃げ出していたそうです。

昔々、悪逆非道の王国の、頂点に君臨していた王女の、処刑の時。

例え世界の全てが君の敵になっても僕が君を守る。だから、君は笑っていて―
「あら、おやつの時間だわ。」
   ―終わりを告げる鐘が鳴る中、民衆には目もくれず、私の口癖を言う。

双子の最後の願いは、
―もしも生まれ変われるならば、その時はまた遊んでね。―

いかがでしたか?私のお聞かせした物語は。今日のところはここでお開きにしましょう。ああ、そうだ。この物語は、まだ続きが存在しているのです。次にここに来られた時には、その物語をお聞かせしましょう。帰り道にはどうぞお気をつけて。よければまた、私の物語を聞きにいらして下さい。それではさようなら。

語り部シリーズぜひぜひコメントを!



うろたんだーと幻想狂気曲をこよなく愛すことをここに誓う!

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作品へのコメント1

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    ご意見・感想

    語り部シリーズ、全部読ませていただきましたが・・・・・・とにかくすごいです。その一言に尽きます。
    なかでも、悪ノシリーズはとてもよかったと思います。私は、曲がとにかく好きだったのですが、小説にしてみると、すごいですね。

    これからも、語り部シリーズ楽しみにしてます。

    2010/01/24 22:15:35 From  鏡野アリス

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