毎朝 楽しみな時間が今日も近づいてきた
散歩の途中 甘い匂いが漂う
引き寄せられるまま キャラメル色の看板くぐり
ふっくら焼けたパンの並んだ店内

低い声が響く“いらっしゃい” いつも通り
愛想ない態度すら 気づかぬ内 惹かれていたよ

焼きたてのこの匂い 浮かんで消えていく
幸せ溢れる気持ち 伝えてみたいな
ほかほかの焼き色にくるまれ 今日もまた
いつものクロワッサンに心を並べて差し出す

右手に袋提げ 左手胸に押し当ててみる
さっきの余韻 甘いときめき弾ける
帽子の下 覗く 切れ長の目が忘れられない
お会計するときが一番楽しみ

低い声が響く“ありがとうございました”
耳の奥繰り返し 気づかぬ内 微笑み零れ

あたたかいこの匂い 部屋中満たしてく
日に日に膨らむ気持ち 制御はできない
ふわふわの感覚にとらわれ 今日もまた
いつものクロワッサンを丸ごとかじって飲み込む

明日こそ 踏み出そう
勇気を出して話しかけるよ
“この味が大好きです”
一番に伝えよう

大好きなこの匂い 包まれ目を閉じる
抱えた恋しい気持ち 報われなくても
きらきらの想像に憧れ 今日もまた
いつものクロワッサンに高鳴る心を隠す
はじまりの日

焼きたてのこの匂い 勇気を貰い話しかける
大好きな後ろ姿 ゆっくりと振り向いた

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まいあさ たのしみなじかんがきょうもちかづいてきた
さんぽのとちゅう あまいにおいがただよう
ひきよせられるまま きゃらめるいろのかんばんくぐり
ふうくらやけたぱんのならんだてんない

ひくいこえがひびく いらあしゃい いつもどおり
あいそないたいどすら きづかぬうち ひかれていたよ

やきたてのこのにおい うかんできえていく
しあわせあふれるきもち つたえてみたいな
ほかほかのやきいろにくるまれ きょうもまた
いつものくろわあさんにこころをならべてさしだす

みぎてにふくろさげ ひだりてむねにおしあててみる
さあきのよいん あまいときめきはじける
ぼうしのした のぞく きれながのめがわすれられない
おかいけいするときがいちばんたのしみ

ひくいこえがひびく ありがとうございました
みみのおくくりかえし きづかぬうち ほほえみこぼれ

あたたかいこのにおい へやじゅうみたしてく
ひにひにふくらむきもち せいぎょわできない
ふわふわのかんかくにとらわれ きょうもまた
いつものくろわあさんをまるごとかじいてのみこむ

あしたこそ ふみだそう
ゆうきをだしてはなしかけるよ
このあじがだいすきです
いちばんにつたえよう

だいすきなこのにおい つつまれめをとじる
かかえたこいしいきもち むくわれなくても
きらきらのそうぞうにあこがれ きょうもまた
いつものくろわあさんにたかなるこころをかくす
はじまりのひ

やきたてのこのにおい ゆうきをもらいはなしかける
だいすきなうしろすがた ゆうくりとふりむいた