玩具屋カイくんの販売日誌(184) テト・ドール ナチュラル・シリーズ!
投稿日:2013/02/17 14:40:19 | 文字数:1,125文字 | 閲覧数:213 | カテゴリ:小説
ゆくりさんに、そしてコヨミ君に、こき使われ…いえ、重宝されるレン君。成長が楽しみですね。
「あ、おかえりなさい」
テトさんは、ブースの前で言った。
「ええ、どうも」
コヨミ君は軽く頭を下げて、笑いながら答えた。
「いろいろ、面白いブースが出ていたよ」
東京ビックサイトで開かれている「雑貨&コミック・フェア」。
テトさんたちが出展しているブースに、会場を回って他のブースを観てきた、コヨミ君が戻ってきた。
「会場、どうでした?」
「うん、結構、混んできたみたい。隣りのホールでは、霧雨さんたちがブースにいたよ」
「へえ」
「自分のイラストを並べていて、お客さんもずいぶん立ち寄ってたみたい。いまのところ、おとなしく、作品を紹介していたよ、霧雨さん」
コヨミ君がそう言ったので、テトさんは思わず笑った。
するとその時、テトさんたちのブースに、女の子たちが来た。
「これ、カワイイ」
「うん!」
口々に言って、テト・ドールと、その柄の雑貨を見ている。
プチ悪魔、という感じのテト・ドールと、天使の姿のカイコちゃんの、ドールのシリーズ。
ここでも、女の子に人気があるようだ。
●コラボの企画を立てよう!
「うん、お客さんの評判も、いいみたいだね」
その様子を見ながら、コヨミ君が言う。
「で、会場でね、いろんなブースを見たんだけど。いろいろ、“コラボレーション”できそうなんだ」
「え?コラボレーションですか?」
テトさんは、目を丸くする。
「うん。新商品のアイデアだけど、こんどは“ナチュラル”で行こうかと思うんだよ」
コヨミ君は、ホールの隅の方を指差した。
「あっちに出てたブースで、“動物愛護”グッズを展示してたんだ。テト・ドールはやさしい悪魔と、可愛い天使がモチーフでしょう。次は、動物愛護とか、エコロジーのグッズを出したら、いいかなと思って」
「なるほどー。テト・ドールの、ナチュラルバージョンですね~」
テトさんは、感心して言った。
いつものことながら、プランナーのコヨミ君のひらめきは、新鮮だ。
●動物を愛するグッズを!
「そうですね。女の子は、ナチュラルで優しい雰囲気が好きだから、いいんじゃないかな?」
テトさんは、うなずいた。
「そうでしょ? それでね、またいろんな、キャンペーンをしようと思うんだ」
コヨミ君は指を立てて、言った。
「女の子に好かれるには、“キャンペーン・ボーイ”を登場させようと思ってる」
彼の言葉に、テトさんはまた目を見開いた。
「エ?キャンペーン? ナチュラル…動物保護シリーズで?」
彼女の頭の中に、思い浮かんだのは、動物の着ぐるみを着せられた、「レン君」の姿だった。
「動物保護もいいけど。ちょっと、“人間保護”もしてあげないとネ…」┐(´-`)┌
作品へのコメント2
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ご意見・感想
こんばんは! 早速拝読させて頂きました。
なるほど、今度は”ナチュラル=自然”コラボシリーズですか~♪ プランナーの方の発想って凄いと思います。
そういえば、ミクさんもいろいろな”異種コラボ”を成功させてきて、その相手先の人を驚かせてきましたね。桜&雪シリーズ、和菓子、洋菓子、コンビニグッズ、インスタント食品、プライズグッズ、レーシング、ゲーム、クラシック、小説、工業関連、デザイン工学、世界的ライブ、等々。
リアルの”人間”では、いろいろな面で支障を来してしまう事も、ヴァーチャルの彼女だと、なんでもできてしまう、本当に凄い存在だと思います。昔、ヴァーチャルアイドルが席巻する日本(のように作られた未来の戦艦)が出てくる”メガゾー○23”ってロボットアニメがあって、あのアニメはまさにミクさんを予言していたように思ってます。
あと、レンくん、ご愁傷様…
ではでは~♪
P.S ちと体調を崩して、ここ一ヶ月超、小説をサボってます。そろそろ治ってきたので、来週あたりに復活しようと思ってます。今日の復活は、ちと無理でした。貴方もご自愛くださいませ。2013/02/17 20:15:58 From enarin
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メッセージのお返し
enarinさん、感想をありがとうございます!
>そういえば、ミクさんもいろいろな”異種コラボ”を成功させてきて、その相手先の人を驚かせてきましたね。桜&雪シリーズ、和菓子、洋菓子、コンビニグッズ、インスタント食品、プライズグッズ、レーシング、ゲーム、クラシック、小説、工業関連、デザイン工学、世界的ライブ、等々。
ほんとですね。こうして書き並べてもらうと、その多様さに驚かされます。世界的ライブに至るまで、そのスケールがだんだん大きくなっていくのがスゴイですね。
>昔、ヴァーチャルアイドルが席巻する日本(のように作られた未来の戦艦)が出てくる”メガゾー○23”ってロボットアニメがあって、あのアニメはまさにミクさんを予言していたように思ってます。
ああ、名前だけは知ってるかもしれません。(enarinさん、詳しいですね)。事実はアニメよりも奇なり、ですね(笑)
こうして見ると、私たちはホントに面白い世の中にいるなあ、という気もしますね!
また、感想を聞かせてください!
それでは、また。
P.S 体調を崩されたとのこと、無理せず、お大事にしてくださいね。
また、楽しい作品を待ってます!
2013/02/18 22:05:47
tamaonion
-
ご意見・感想
tamaonionさん、お久しぶりです!遅れましたが、改めて今年も宜しくお願いします!
最近ブクマしかできなくてすみませんでした…今回までのお話を、全て通して読みました!
テトさんの「テト・ドール」は、ここでも女の子たちに人気がありますね。これをきっかけに、更なる人気上昇に期待!
そしてコヨミ君のひらめきで思いついたナチュラルなテト・ドール。これは新鮮で斬新ですね!他のブースを回ることで得たナイスアイデア。さすがコヨミ君は、プランナーとしてのインスピレーションがありますね。
ただ、キャンペーン・ボーイをレン君がやることになれば、彼が酷使されるのが目に浮かびますね(笑)
テトさんの頭に思い浮かんだレン君の着ぐるみ姿、果たして現実のものとなるか?
今回もブクマをいただきました!思えばカイくんの販売日誌シリーズも、もう180回目以上になるんですね。すごいです!発想の乏しい自分は、短編でもここまで続けられないです。
やや長文のメッセージ失礼しました。多忙でピアプロに来れない時もありますが、次回の更新も待っています!2013/02/17 17:48:19 From オレアリア
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メッセージのお返し
オセロットさん、感想ありがとうございます!
>最近ブクマしかできなくてすみませんでした…今回までのお話を、全て通して読みました!
うわあ、嬉しいです。どうも有難うございます!
>さすがコヨミ君は、プランナーとしてのインスピレーションがありますね。
小説も含めて、モノづくりも楽しいですが、企画するアイデアを寝るのも、楽しい仕事ですね。
>ただ、キャンペーン・ボーイをレン君がやることになれば、彼が酷使されるのが目に浮かびますね(笑)
そうなんです(笑)。レン君とかKAITOさんは、どうも“使役”させたくなりますね。これは意地悪でなく、親心でしょうか(??)
>今回もブクマをいただきました!思えばカイくんの販売日誌シリーズも、もう180回目以上になるんですね。すごいです!
有難うございます。オセロットさんの作品もすごくイマジネイティブです。とくに、長編をかける方は憧れています。続きを読もう、という気にさせてくれるパワーがあると思います。
短編だとその点、弱いので、勉強したいと思ってます。
また、ぜひ感想を聞かせてください!
それでは、また。
2013/02/18 22:03:39
tamaonion
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玩具屋カイくんの販売日誌(192) リンちゃん+“はっちゅーね”の行方は?
霧雨さんのブースに向かって、ルカさんがゆっくりと歩いてきた。
「ルカさん!」
「たこるかちゃん、おつかれサマ」
彼女は、たこるかちゃんに向かって微笑んだ。
「あら、れおんさん。どうしたの?」
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玩具屋カイくんの販売日誌(189) リンちゃん攻防戦、開始!
“はっちゅーね”の人形を持った、リンちゃんに、どこかアヤシイおじさんは、話しかけつづけている。
「アナタもかわいいし、人形もカワイイねー。」
リンちゃんはちょっと困って、でも強気に応戦する。
「でも、おじさん。写真ばかり撮ってるけど、私が目的?人形が目的?」
おじさんは、ニコッと笑って答えた。
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玩具屋カイくんの販売日誌(194) 新商品で勝負だ!
ブースの前で、コヨミ君と、れおんさんは、にらみあって立っていた。
ザワザワ、と騒ぎ出した男の子たち。
それを見て、テトさんは思わず、コヨミ君に声をかけた。
「ねぇ、どうしたの? もめ事はよくないですよ」
フッと我に返ったように、コヨミ君は彼女の方を見た。
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玩具屋カイくんの販売日誌(179) レイムさんのオカルト理論 (その1)
お店の売り場には、コスメや、美容関連のアイテムが、いろいろ並んでいる。
それを、レイムさんは目を丸くして眺めている。
「ワタシ、こういうの詳しくないんだわ~」
そうつぶやく彼女に、後ろを歩いているぱみゅちゃんは、諭す様に言った。
「そうそう。あんたはちょっと化粧っ気が無さすぎるからネ。少しは知っといたほうがイイわよ」
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玩具屋カイくんの販売日誌(187) 困ったヤツの目的は?
「はーい。コーヒー、入りましたよ」
ルコ坊がカップに入ったコーヒーを、レン君たちに運んできた。
ちょっと不思議な雰囲気の、りりィさんのお店「星を売る店・上海屋」
りりィさんを送ってきたレン君は、美味しそうにそれを飲んだ。
「いつも、美味しいね。ルコちゃんの淹れるのって」
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玩具屋カイくんの販売日誌(182) コミックフェアで、ひと騒動
ゆくりさんのお店で、バイトのレン君が、青くなっていた、その頃。
東京・有明にある東京ビッグサイトで、人気のイベント「雑貨&コミック・フェア」が開かれていた。
企業のブースをはじめ、コミックやフィギュアを作る有志や同人の人たちが、それぞれにブースを出展している。
会場のホールの一角に、移動式自動車のカフェ「ドナドナ号」が乗り入れていた。
車内のキッチンでは、たこるかちゃんとツナちゃんが、メニューの料理を作り注文に対応して、切り盛りしている。
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玩具屋カイくんの販売日誌(180) はっちゅーねの謎を解け!(レイムさんのオカルト理論?・その2)
ヘルシー&美容雑貨のお店、「アディエマス」。
ふらりと遊びに来た2人組、ぱみゅちゃんとレイムさん。
お店に仕事で来ていたルカさんと、たこるかちゃんと、話に花が咲いている。
4人が今、見つめているのは、売り場の棚の上にマスコットとして置かれている、はっちゅーね人形だ。
人の問いかけに答えたり、なんだか不思議な反応をする人形だと、巷でちょっと話題になっている。
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玩具屋カイくんの販売日誌(193) リンちゃんキャラの取りっ子に!?
霧雨さんのブースの前で、ルカさんとテトさんは久々に声を交わした。
「元気?ルカちゃんのとこの商品、相変わらず、いい調子ね」
「テトのとこの、テト・ドールも可愛いよね」
仲良く話す2人。
じっさいには、テトさんの方がかなり年配なのだが、タメ口を聞く間柄だ。
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玩具屋カイくんの販売日誌(185) 楽しいナチュラルグッズ、スタート!
「雑貨&コミックフェア」の会場は、ますます、お客さんが増えてきた。
テトさんとコヨミ君がいるブースにも、先ほどからたくさん来場者が詰めかけている。
テト・ドールをはじめ、陳列している商品の説明で、2人とも大忙しだ。
ひとしきり、お客の流れがとだえたところで、テトさんはフーッと一息をついた。
「バイヤーさんの名刺、ずいぶん溜まっちゃったね」
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玩具屋カイくんの販売日誌(176) ライブハウスの楽屋で
演奏が、全て終わったライブハウス。ホールの中はまだ、ザワザワとしている。
「楽屋に行ってみましょうか」
りりィさんは、レンくんに言った。
「ええ、そうですね」
出口やロビーに向かう観客たちに、さからうようにして、2人は楽屋の方を目指した。
玩具屋カイくんの販売日誌(176) ライブハウスの楽屋で
雑貨の仕事をしてます。
キャラクター雑貨がらみで、キャラクターも好きです。
音楽も好きですが、好きな曲の初音ミクバージョンを聴いて感心!
ボーカロイドを聴くようになりました。
機会があれば、いろいろ投稿したいと思ってます。
宜しくお願いします。
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