【カイメイ】 酔っぱらいと正気の沙汰 

投稿日:2013/12/09 22:45:44 | 文字数:4,006文字 | 閲覧数:848 | カテゴリ:小説 | 全3バージョン

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*全3Pです。前のバージョンですすみます*

タイトル通り困った大人たちが酔っぱらって小悪魔になったり翻弄されたり卑怯戦士になったりわんこになったり発情したりしてます。

カイメイでお酒。定番ネタですがはじめてガッツリ書きました。メイコは弱いのに酒好き派。兄さんはry

オトナの皆様、次の日がお休みならば、たまには盛大に飲んで大騒ぎしましょう!そして未成年のあなたは、どこかの年少組のように、迷惑な大人たちに巻き込まれないように…!

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すり、とコートの胸元に手と頬を寄せ、メイコはまるでオレを誘うかのようなうっとりとした様子で言った。
「はぁ…カイトの胸ってかたくて好きぃ…」
対するオレは完璧なまでの真顔。しなだれかかる身体をされるがままに受け止め遠い目で答える。
「…そうだね。めーちゃんのよりはね」
「叩いていーい」
「なんで。嫌だよ」
「えいっ」
「う゛っ」
「たたいた!かたいから!」
「何その理由」
「えいやっ」
「だから痛いって!やめ、でっ゛」
痛恨のパンチをバンバンと容赦なく叩き込みきゃっはっは、とご機嫌に笑い転がるメイコの姿は、まるで壊れたオモチャのようだ。オレの顔は真顔を通り越し、もはや悟りを開いた大いなる存在のように穏やかな笑みすら浮かんでいる。



説明するまでもないが、酔っているのだった。
ここで一つ世間的によくされているだろう誤解を解いておきたい。
酔ったメイコの介抱役が、役得などというありがちな誤解だ。
メイコに憧れてるような輩には昔からよくお前はいいよなぁなどと羨ましがられたり、メイコの世話なら喜んでしたいよ、などと夢見がちに語られたりするわけだが、色んな意味で身の程知らずも大概にしといて頂きたい。
酔っぱらいの相手なんか面倒くさいだけだ。ぐだぐだと意味のない管を巻き同じ話を100回繰り返し笑いの沸点は低空飛行。かと思えば泣き出したり怒りだしたり暴れたり、当然行きすぎたら吐くし寝るし動かないし、とにかく生物として面倒くさい。そこに惚れた腫れたは関係ない。オレそんなに面倒見いいタイプじゃないし、面倒くさいものは面倒くさい。
うちの家族構成は、未成年が3人、成人が一人、年齢不詳だが「自他ともに認める多分成人済み」が2人の、計6人。よってメイコの晩酌に付き合えるのは5人中2人しかいないわけだが、オレがルカにその役目を譲ったことは一度もない。やむを得ず、という事態なら何度かあるが、基本的にメイコはオレがいる所でしか飲酒はしないように躾け…ゴホゴホッ………言い聞かせてあるのだ。
心の底から面倒くさいと思いながら、なぜオレがこの業とでもいうべき役割を自ら望んで引き受けているのかというと…わからいでか。



「かいとー」
「なに」
「好きよぉ」
そう言って膝の上でゴロゴロとのどを鳴らされても、オレは相変わらずの仏頂面だ。ハイハイと適当に流して空になったカップをまとめる。
「なぁに、うれしくないの」
「嬉しいです」
「よろこべー」
「わーうれしいなぁ」
「だろうだろう」
ぐねぐねぐねぐねと無駄な動きで嬉しがってるのはメイコの方だ。酔っぱらいって寂しがりだよな。かまってほしいが為に迷惑行為をしてるとしか思えない。
この状況で好きだとかなんだとか、さすがにまともに受け取れるほどオレはピュアじゃない。まぁはじめの頃はそれなりに可愛いなぁとか思ってたけど、こんだけ付き合ってるといい加減萎える。
…だってこの人酔ったら誰にでも言うんだよ、こういうこと。だから絶対、オレ以外の前じゃ飲ませられない。
「じゃーねー。じゃーねーかいとー」
おまけに。
「ちゅーしようちゅー」
ホラきた。
ため息しか出ない。
これも、多分誰にでも言う。
「…したら、そろそろ寝ようか、めーちゃん」
「ちゅーする?」
「うん。でももう遅いから、寝る約束して」
後半は聞こえない都合のいい耳をお持ちのこの酔っぱらいは、わぁいとはしゃいでオレの首に腕を回してきた。
酔っぱらいは、スキンシップも大好きだ。やっぱり根本が寂しがりやなんだと思う。
「めーちゃん目瞑って」
期待に満ち満ちた目を大人しく閉じて、ん、と口唇を突き出してくるのを横目に、まずはそのまぶたに口唇を落とした。あれ、とキスしてない方の片目が薄く開いて不満げにオレを見上げる。
「キスしたら、お酒は終わりだよ。約束して」
「ちーがーうーちゃんとくちにして、くちに!」
「約束する?」
そう言って、今度は逆のまぶたに口付ける。
「そーこーじゃないぃなんでぇもうかいとのいじわるかいとのーいーじーわーるー!」
「もう寝ないと明日しんどいでしょ。約束したら意地悪しない」
うーうー、と子犬のように唸ってオレの肩をぎゅうと掴むメイコを、オレは徹底したポーカーフェイスかつ至近距離でじっと見返した。
未成年組は泊りでいない、ルカは明日の仕事は午後から、そしてオレとメイコは明日休日だ。久々に羽目を外してもいいだろうと居間でメイコの晩酌に付き合ったが、時刻はもう日付を跨いで久しい。さすがにそろそろ切り上げなければいけない。
駄々をこねる酔っぱらいに穏便に言うことを聞かすのは、それなりの経験とスキルを要する。ただ要求を聞いてやってても、ますます調子に乗るばかりなのだ。
メイコはしばらく何か意味のない文句をぶつぶつと繰り返していたが、オレが何も言わないのを見て取ると、不機嫌そうに「わかった」と頷いた。
「かいとのわがままー」 
なんでやねん。
「じゃ、ホントにこれでお終いね」
むぅ、とふてくされる顎を掬い上げて、触れるだけの口付けを与えた。すると離そうとした瞬間に怒った顔が迫ってきて、あっという間にこっちが口唇を奪われた。
…あぁ、酒臭い。本来メイコのキスは甘くていい匂いがするのに。
だからイヤなんだよ酔っぱらい。
「…めーちゃ、 んっ」
ぐいぐいと有無を言わせない強引さに辟易し、眉を顰めた。今日は特にしつこい方だ、な…。
……もしかして欲求不満?
「…ッこら、メイコ苦、し」
ソファの背に押し付けられて、体温の高い身体がこれみよがしに密着してくる。リボンで括られたベアトップの大きく開いた白い背中、剥き出しの肩、脇、覗いた胸元から水玉模様のブラとオレの胸で形を変え曲線を描く深い谷間が、なんの遠慮もなく丸見えだ。オレに跨っている両の太ももがぐいぐい入り込んできて短めのプリーツスカートは足の付け根までめくれ上がっていた。
……これだから。

「…かいと」
理性の壊れた酔っぱらいのキスに技巧など何もない。子猫がエサを食むように夢中になってキスを繰り返し、息苦しくなってからメイコはようやくぷはぁと息を吐いて口を離した。
これだから、嫌だって言うんだよ。
何が役得だ。
ただの生き地獄。
気にせず手ぇ出せばいいじゃんとか思うだろ?オレだって最初はコレ据え膳ってやつだろ、とか思ったよ。興奮したよ。でもな。
でも、本当に大切なら、できないんだよ。なんか、本能が無理って言うんだ。
まぁ何回かはやっちゃったけどってなんでもない!なんでもないよ!!
「…メイコ。いつも言ってるけど、しないからね」
「わたし、酔ってない」
確かにこういう時に限って、メイコは驚くほどしっかりした口調で言い切った。
「ちゃんとできる」
「…ダメ」
性欲だけハッキリしてても身体がぐにゃぐにゃじゃどうしようもない。
「なんで、ねぇ、もう」
「ダメったらダメ。…っこら!」
上着の前を広げられ、首筋に吸い付かれて慌てて引き剥がす。引き剥がした途端にまた口唇を塞がれてもう色んな意味で目眩がした。
あのな、それでもなんだかんだ言って、翌日になったらほとんど忘れてるだろメイコは!最中だって結局どこか上の空だし微妙に反応鈍いしまぁそれもめっちゃ可愛いけどかといってオレ一人が好き放題するのは罪悪感がものすごいんだよ!もうそれがイヤなんだよ!終わってから超むなしいんだよ!ちょっと誘惑されたからってそう簡単に発情するような男だと思ってんのか!?あぁそうさもちろんだ!だって相手がメイコなんだぞ!?だから生き地獄なんだろーが!!
細い腰に回しかけた手を、なんとか根性で寸止めする。それなのにメイコの手はなんの躊躇もなく上着の中からオレの背中に回されて、おっぱいごと柔らかい身体がオレの全身にまとわりついてくる。酔ってるなりに、どうしたらオレが堕ちるかわかってやってるんだよこのコアクマは。

……ッアアアもう!! こ れ だ か ら ! ! ! 

「っひゃ」
伸し掛かるメイコの腕を取り背中に手を回し、重心をグイと返して彼女をソファに押し倒した。睫毛が触れ合うほどの近さで目を眇めてメイコを睨み付ける。
「―――この酔っぱらい」
それくらいしか文句も言えない。だってそれ以外にメイコに落ち度がない。ただ可愛いだけで責められる故はない。
ひとえに、堪え性のない男の性が悪い。わかってるから悔しいんだ。
真ん丸に見開かれた茶色の瞳が、次の瞬間には期待混じりの羞恥を含み、目尻が赤く染まった。
…何を期待したのか知らないけど(知ってるけど)。なんとしてでもそれにはお応えできませんよ?
乱れた前髪から覗くおでこに悔し紛れの口付けを落とし、
「…いたっ」
そのままペチッ、とおでこを叩いてやった。
「ほらもう終わり!歯磨いて寝る!」
勢いよく身体を起こすと、途端に不満の声を上げたメイコを有無を言わさず抱き上げ洗面所に連行する。
「やーだーかーいーとー!!やーだーああああ!!!」
「暴れんな!!ったくもーどうせ眠いくせに!」
そうだよ、今ここにオレがいるから人肌恋しくなって無理してるだけで、ホントは眠気MAXなくせに!…そういや一回途中で寝られたことあるしな…あれは呆然ってレベルじゃなかった…お前こっちの下半身どんな状態かわかってんのか…?…………あんなリスクを背負ってまで酔っぱらいに付き合う義理はない。
「やーあぁぁもおおおかいとのばかぁぁぁ…ふえっ…」
「ちょっ…なんで泣く」
「かいとのばかぁぁぁばかぁぁああひーきょおーものーーぉ!!」
「こらぁ!!泣き落としやめぇええ!!」

こ…っの…っ
ギリィ、と奥歯を噛み締める。
あぁあぁああああもう!!

どっちがだこの卑怯者!!!覚えてろよ!!!

MEIKOさんを筆頭に、年長組、大人組、ボーカロイドが大好きです。

液晶の向こうに行くことは諦めたので悔しいけどめーちゃんはカイトさんに任せることにしました。幸せになれ。幸せになれ。

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