【カイメイ】 ぜんぶ君のせいだ。 【MEIKO生誕祭】

投稿日:2014/11/14 23:27:58 | 文字数:4,248文字 | 閲覧数:463 | カテゴリ:小説 | 全4バージョン

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※全4Pです。前のバージョンで続きます※

めーちゃんお誕生日おめでとう!!10周年おめでとおおおおおお!!!!・゜・(ノД`)・゜・
日本語VOCALOIDの先頭に立って、いつも暁を背負って進む貴女が大好きです。本当におめでとうございます。愛してる

と言いつつ中身はまったくお誕生日と関係のないお話になってしまいましたが、メイコさんにはお酒をいっぱい飲んでもらい、いっぱいワガママ言ってもらい、カイトさんには思う存分苦労して頂きましたてへぺろ!(´>ω∂`)☆

カイトなんかめーちゃん好きすぎて超大型台風の日のマフラーみたいにグルングルンぶぉんぶぉん振り回されればええんや…
と思ったけどめーちゃんも兄さんに惚れすぎていたため結局ふたりしてぐるんぐるんしてる。
何もかもお酒の…お酒のせいよ…とメイコが顔真っ赤になってました。

楽しそうで何よりです…お前ら幸せになれよ…(´; ω ;`)ウッ

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TEXT
 

「じゃーねー!勝ったらチューしてあげるー!」

突如耳に飛び込んできたゴキゲンなその声に、カイトはぎょっとして顔を上げた。
知らない男の膝に手を置き、その顔を覗き込んで、不埒な笑みを浮かべているメイコの姿。
その光景に息を呑み、次の瞬間カイトは乱暴に立ち上がった。



                  *



スタジオ内の大部屋を借り切って、総勢30数名による楽曲PVの完成打ち上げ会だった。
各々がソファや椅子に座って談笑したり、壁際で立ち話をしながら、出前の寿司や取り寄せた酒を好きなように飲み食いして騒いでいる。
テンションは高いわりにどこかフラットさが漂うといった、いわゆるダメな大人の肩の力の抜けた飲み会で、メインボーカルをつとめたカイトとメイコは挨拶回りを済ませたあと隣り合ってソファに座り、小さく杯を交わしてお互いを労い合っていた。



「めーちゃん、今日ちょっと回るの早い?」
触れ合った手がいつもより熱いことに気づき、カイトはメイコの顔を覗き込む。
「…え、そうかな。そんなことないと思うけど」
「手熱い」
「この部屋暑くない?」
そう言ってふぅ、と額に手を当てたメイコの頬は、ほんのり薄ピンクに染まっている。
ここまで缶ビール×1、ワンカップ×1、チューハイ×2。カイトは指折り数えて思案した。
元々の酒好き精神とそれに大して見合わない彼女の酒の弱さを考慮しても、正直まだ酔っぱらう、というほどの量ではないと思われる。メイコの分析に関する精度の高さには定評しかないカイトが言うのだから間違いない。
「体調悪い?」
熱を測るため彼女の首筋に手のひらを当てる。わずかに火照ってはいるが、不自然な熱の上がり方は感じられなかった。病気ではないらしい。
「大丈夫。多分ちょっと疲れてるんだと思う」
少し肩を竦めながら、メイコは笑って首を振った。
実際、酒の回りは体調やメンタルで大きく変わる。序盤でこの調子なら、今日はもう自重させた方がいいだろう。そう判断したカイトが「じゃあ次からソフトドリンクにしようね」、と進言すると、途端に不満声が跳ね返ってきた。
「なんでそうなるのよ。まだいけるわよ」
「疲れてるって今自分で言ったじゃん」
「ちょっとだけよ!」
「ちょっとでもあっという間に酒の回り早くなるでしょめーちゃん。ダメだよ。今日はもうこんだけ」
彼女が今飲んでいるワンカップを掲げてみせる。メイコはうぎぎと歯ぎしりせんばかりの表情で、カイトを睨めつけた。
「―――別にいいじゃない。どうせカイトがいるんだし」
「……」
思わず、呆れる。
普段は飲酒に関してあれこれお小言を言いつけるカイトを疎ましく思っているし、それを憚らず顔にも態度にも出すくせに、こんな時ばかり人の厚意を利用しようだなんて、随分都合のいいことだ。




カイトはメイコに対し、一つの誓約をもう何年間も守らせ続けている。正確に言えば、ミクが来る以前から、つまり9年近くだ。
曰く、『外で酒を飲む時はオレがいる時だけ。オレがいない時は絶対に外で酒を飲まないこと』。
横暴な命令だと感じる人の方が多いだろう。亭主関白すぎやしないかと眉をひそめる人の方が。
そんなことはわかっている。わかっていても、それを決断せざるを得なかったカイトの胸中は、誰も知らない。

―――…はじめてメイコが酒を飲んだ日のことを、カイトは今でも鮮明に覚えている。
まだまだ世間慣れしておらず、感情も言葉も今と比べればたどたどしさを残していた、カイトにとってはかわいいばかりだったメイコが、オレのメイコが、アルコールにより突然の豹変を遂げた、思い出すのも恐ろしいあの夜のことを。
『こんなの絶対おかしいよ…!』
―――うっひゃひゃひゃひゃ!!にゃははははばばば!!ぷぎゃーーーー!!と笑い狂い転げ回りながらカイトのマフラーを全力で振り回しひたすらべシーン!べシーン!と床に叩きつけるメイコの横で、カイトは絶望に苛まれ床に両手を突いていた。
泣いたり、怒ったり、笑ったり、殴ったり、吐いたり、どこにでもいる大迷惑な酔っ払い、それだけならまだよかった。しかし人数が多い飲み会では、メイコの酔い癖はさらに頭の痛い事態へと発展した。異性同性問わずスキンシップを求めてフラフラと徘徊し、優しくされればコンマ1秒で懐き、一度抱きついたらもう離れない。誰であろうとかまわずキス魔になり、一歩間違えばセクハラ痴女に成り果てる。
まだまだV1の2人が新人扱いであったあの頃。しかし当時からすでに大きな青いコブ付きで有名だったメイコに、例えそんなどうしようもない状態でも、これ幸いと手を出せる命知らずは多くはなかった。手を出すより先に心底困り果て、最終的には件のコブ…『相方』を呼び出し助けを求めるのが常であった。
加えて、酔うとこんなでもメイコは業界の花形であり、業界唯一の歌姫だった。そんな彼女をきちんと叱り、懐かせ、宥め、最後まで面倒を見切れるほどの腰の座ったベテランは、やはりまだまだ多くなかったのだ。

カイトは悩んだ―――結果的に全て自分に手間と責任が回ってきたとしても、そんなことはかまわない。
ただただ、他人様に迷惑をかけないためにはどうすればいいのか。このまま野放しにしておけば、いずれ取り返しのつかないことになるのは目に見えていた。
「―――こんなもん自分のいない場所で飲ませるわけにいかないだろ!!」
独占欲とか嫉妬とか、そんなチャチなものじゃ断じてない。紛れもなくそれは、勇気ある英断であった。





メイコは、MAXに酔った自分の醜態を翌朝にはキレイサッパリ忘れるという、大変便利な脳みそをしている。
よって、カイトにどれほど昨夜のそれを叱られても、正直いまいち実感がない。
よって、カイトの苦悩と苦労のほどを、いまいち理解していない。
結論、メイコはカイトの課したその約束を、未だに「理不尽」だと思っている。
だから。
「私が酔いつぶれたってどうせカイトが面倒見るんでしょ!だからいいじゃない放っといてよ」
そんな風に傲慢に言い放つことができるわけだ。
いつもなら適当にスルーできるはずのカイトの思考に、この時なぜか針のような嫌気が刺した。
「……オレだって別に、好きでやってるわけじゃないよ」
思わず本音を吐き捨てた。呆れと嫌悪が入り混じる、それこそ針のような鋭さで。
「自力で歩けない酔っ払い連れて帰るのが面倒だから言ってるだけで、別に誰も好きこのんで小うるさく言いたかないよこんなこと」
「―――っ」
息を飲んだメイコの顔が衝撃でカッと赤くなる。
「オレを都合のいいなんだと思ってるのか知らないけど、めーちゃんはもうちょっとオレが被ってる迷惑ってやつも考えて」
「私だって別にしてほしいなんて頼んだ覚えないわよッ」
メイコが真っ赤な顔でバシンとテーブルを叩き、カイトの手からチューハイを強引に奪い取った。その目は釣り上がり、悔しそうにカイトを睨みつけている。
「そんなに酔っぱらいの面倒が嫌なら放っとけば!?」
言いすぎたかと内心一瞬焦ったものの、その言い草に一気に力が抜けたカイトは、眉間にしわを寄せ、はぁ、と呆れ返った息を吐いた。
「それができれば苦労しないよ」
「簡単じゃない。私のことなんか見てなきゃいいのよ」
酒を奪い返してはまた奪われ、挙句の果てのその発言に、カイトの苛立ちは最高潮に達した。勢い任せにもう一度チューハイを奪い取り、
「好きでやってるわけじゃないって言っただろ。酔って他人様に迷惑かけるような面倒くさい『恋人』がいなきゃ、オレだってもっと気楽に飲んでるよ!」
「!!」
爆発するように叫び――――今度こそカイトは、時を止めた。
言葉を失いわなわなと震えるメイコの瞳に、透明な雫が浮かんでいる。
……。あ…。…あー…あーあーあー。あああぁぁ…。
やってしまった。嫌な汗がダラダラと流れる。内心で頭を抱える。が、もう遅い。
何やってんだ馬鹿。メイコがオレに口で敵わないの知ってるのに。大体こんなの本心じゃな…いや本心だけどこんな悪意混じりに言うことじゃないだろ。
「……メイコ」
とりあえず触れようと肩に伸ばした手を思い切り跳ね除けられて。
「――――じゃあ気楽に飲みなさいよ」
冷たい声にたじろぎ、身を引いた。奪われたチューハイの残りをゴクゴクと一気飲みしたメイコは、缶をドン!とテーブルに叩きつけカイトを睨みあげた。
「私だって気楽に飲むから」
「…ッおい!」
勢いよく立ち上がったメイコに思わずカイトの腰も浮く。かまわず部屋の真ん中をずんずんと突っ切って、隅にあるガラスのローテーブル、そこに向かい合うように置いてある3人がけの椅子の真ん中に、メイコはドスンと腰を下ろした。そこにはすでに2人の男性スタッフが肩を並べて座っていた。その間に無理やり入り込んだ形である。
「メイコ!!」
焦り怒鳴っても、本人は膨れた顔をツーンと逸らせるだけだ。いきなり割って座られた両脇のスタッフたちも、何事かと2人を交互に見やって困惑している。
いまや彼らはすっかり場の注目を集めていた。事態を読み取った昔馴染みのスタッフが、ったくお前らは、とこぼしカイトの横でため息を吐いた。
「子供じゃあるまいし放っとけ。どっかいなくなったわけじゃねーだろ、目の前にいるんだからそれくらい我慢しろ」
おざなりに宥められるが、カイトの苛立ちは募る一方だ。そんなことは言われなくても見ればわかるわけでそういう問題ではないし余計なお世話なのである。
「それとも何か?MEIKOとKAITOは365日、常に隣にいないと機能停止でもするってのか?」
イヤミたっぷりな苦言にその通りだよバアアァァカ!!と絶叫しかけてなんとか耐えた。
残念なことに、彼らはそこまでの欠陥ソフトではないのだ。残念なことに。

…いっそ、本気で「そう」だったらよかったのに。
一瞬でもお互いから引き離されると死んでしまう、最弱生命体だったらよかったのにさ…。

「……」
カイトが視線を感じて顔を上げると、奥に座り込んだ椅子の上でメイコもわずかに眉を下げ、物言いたげにこちらを見つめている。
だがこちらが何か言おうと口を開く前に「ふん!」とそっぽを向いてしまい、その瞬間にカイトのセンチメンタルは終了した。
「~~~~ッッあーもう!勝手にしろ!!」

MEIKOさんを筆頭に、年長組、大人組、ボーカロイドが大好きです。

液晶の向こうに行くことは諦めたので悔しいけどめーちゃんはカイトさんに任せることにしました。幸せになれ。幸せになれ。

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