『5文字に込めた想い』
はじまりは もう 10年以上になるね
僕らはどこか歪んだままで
幼い想いのまま 歩きはじめてしまったね
その最中は そう お互いしか見えなくて
僕らは何も気付かぬままで
幼い考えのまま 歩き続けてしまっていたね
罅割れた音が聞こえたのは 今から8年くらい前
あれほど交わしていた連絡が 途絶えはじめた頃
音が鳴らない携帯電話を握り締め
疑惑と困惑に眠りを邪魔され続けた
浅い眠りが終わった朝に
画面見つめてみても そこには何ひとつ変わらない待受画面
あの頃には もう お互いすら見えなくて
僕らは何も気付かぬフリで
幼い考えのまま 歩き続けてしまっていたから
砕けた音が聞こえたのは 今から4年くらい前
あれほど交わしていた連絡が 全く繋がらなくなった
文字が来ない携帯電話を握り締め
絶望と切望に正気を削り落とされた
浅い眠りが終わった朝に
画面見直してみても そこには何ひとつ変化のない待受画面
砕けた音が鼓膜を破り 今からひと月前を思い出させる
あれほど交わしていた連絡を 断ち切った たった五文字の言葉
返事の来ない携帯電話を見つめて
諦念と虚無に笑みを覚えた
浅い眠りが途切れた朝に
無意識に操作する 貴方の誕生を祝う文章と もうひとつ
震える指で言葉を添えた
『ありがとう』と『さようなら』
貴方が愛する事を教えてくれて
貴方が絶望を教えてくれたから
返事の来ない携帯電話に苦笑して
諦念と虚無の笑みを零した
浅い眠りに慣れた僕は
無意識に操作した 貴方の連絡先を抹消して もうひとつ
遠い空の下 穏やかに暮らす
あなたに向けて『さようなら』と囁いた
薄い笑顔と とまらない涙を 誰かに晒す事も無いままに
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