嘘偽りなく

投稿日:2011/04/01 00:07:01 | 文字数:1,518文字 | 閲覧数:128 | カテゴリ:小説

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テトさん、誕生日おめでとうございます!

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「テトさん」


ソファーに座りながら充足感の余韻に浸るテトに、マスターが小さな紙袋を差し出した。それを「ありがとうございます」と言いながら、テトは笑顔で受け取る。


「開けてみてもいいですか?」

「うん、どうぞ」


促されたテトが取り出したのは、銀色のネックレスだった。小さな音符を形どったアクセサリに、チェーンが通されている。


「何をプレゼントしたらいいか分からなかったから、こんなのしか用意できなかったけど…」

「いえ…十分、嬉しいですよ」


苦笑を浮かべるマスターに、テトは言葉に迷いながら言った。手に持つネックレスを、形をなぞるように指先で触れる。


「こういう時、何だかもどかしくなりますね」

「どうして?」

「嬉しくて仕方ないのに、『ありがとう』としか感謝を伝えられなくて…。マスターだけじゃない、リンちゃんとレンくんにだって………」


既に部屋で寝ている双子に対しても、テトは申し訳なさそうに言った。リンは嬉しそうに、レンは少し気恥ずかしそうにしながら、祝いの歌をテトに贈った。それが嬉しくてたまらないのに、それを伝える為の言葉がテトには思い付けなかった。それを彼女は、歯痒く感じているようだ。


「あまり難しく考えなくていいと思うけどな」

「でも…」

「喜んで貰えてるなら、俺もリン達も嬉しいしね」


マスターはそう言いながら、テトが持っているネックレスを取った。その突然の行動に反応の遅れている彼女をよそに、チェーンを前から掛けようとする。


「マ、マスター、自分で出来ますから…!」

「いいから、大人しくしててよ」


マスターにそう言われ、テトは押し黙るしかなかった。互いの顔の距離が近いせいもあって、テトの顔には僅かに赤みが見れた。気恥ずかしさからか、視線の向け所も定まらない様子だ。マスターがテトの首にネックレスを掛けたところで、ようやくその状況から解放された。


「…うん、似合ってるよ」

「あ、ありがとうございます…」


顔の赤みが増す様子に、マスターは嬉しそうに微笑む。テトにはいつもの冷静さは見られず、羞恥心を頬をかきながら誤魔化す。それでも表情は、どことなく喜んでいるようにも見えて。


「あと一時間ぐらいかな。テトさんの誕生日が終わるまで」

「そうですね…」

「他に何かして欲しい事ある?言うなら今のうちだよ」


時計を見れば、時刻は既に十一時過ぎを指していた。寂しげな表情をするテトを見て、マスターは優しく問いかける。急に言われたテトは少し悩み何か思いついたのか、遠慮がちに口を開いた。


「それじゃあ…」


テトは隣にいるマスターの側に近付き、自分の頭を彼の胸元に落とす。突然の彼女の行動に驚き、マスターは反応する事が出来なかった。


「今日が終わるまでは…このままでいさせてください」

「…やけに素直というか、大胆だね。ちょっと意外」

「言い出したのはマスターじゃないですか…嫌なら止めますが」

「いえ、嫌じゃないです。させてください」


そんなマスターの言い方に、テトは小さく笑い声を漏らす。するとマスターは空いていた腕で、テトの身体を包むように抱き締めた。


「マスター…ここまで頼んだ覚えはないですが」

「単なるサービスです」

「都合の言い事を………」

顔を赤くさせながら、テトは呆れた様子で呟く。しかしその顔には、嬉しそうな表情が浮かんでいた。


「…テトさん」

「なんですか?マスター」

「大好きだよ」

「…知ってます」




















(だって、私もアナタが―――)

文をメインに、色々と創作中。
基本テトさんと鏡音が大好きです^^*(もちろんボカロ全般好きです)

よく色々な作品を巡り歩きしてます。一行詩に出没しているので気軽に絡んでくれると嬉しいです♪

最近は絵師さんのイラストから文を書いてみたいと思っていたり…。
また、僕の書いた文からイラストを書いて頂けたら嬉しいなと思ってます←


ツイッター始めて見ましたが、使い方がよく分からないww
よければお立ち寄りください♪
http://twitter.com/Defectiveprodu

pixivでも作品を投稿し始めました、良ければご覧ください^^
http://www.pixiv.net/member.php?id=2245288

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