白ノ娘 ―1―
投稿日:2010/02/06 11:41:04 | 文字数:1,534文字 | 閲覧数:1,367 | カテゴリ:小説
曲を聴いて「小説書きてぇ!」という衝動に駆られたので、そのままの「テンションのまま書き殴りやがりましたよ。
……ごめんなさい。色々とごめんなさいorz
た……タグが……とんでもなく増えてるぅぅ!
タグの先生ネタに思いっきり吹いてしまいましたw
タグが増えてありがたいです。ありがとうございます!
「生きていてごめんなさい」
いつからだっただろう。こんな気持ちが湧いてきたのは。
いつからだっただろう。こんな弱音ばかり吐く自分が大嫌いだと思い始めたのは。つまらない人生だと思い始めたのは。
ああ……こんな私が生きていて、ごめんなさい。
「あの子、魔女なんじゃないの?」
「顔は若いのに白い髪なんて……」
「見て見て、あの子の髪白よ」
クスクス。
私をみて馬鹿にする人達の、私を下に見ているような笑い声が何処からも漏れ聞こえる。
何処へ行っても、私の居心地のいい場所はもうないのか。
私は胸の前でギュッと拳をつくった。
村の人は全員、緑の髪。仲間はずれの私は、人と違う白い髪。
ああ、何故私は白い髪なのでしょうか。何故髪色だけで判断されねばならないのでしょうか。何故こんなにも馬鹿にされなければいけないのでしょうか。
何故……私がこの世に生まれ落ちてしまったのでしょうか。
私は早くこの居心地の悪い場所から抜け出したくて、早足で歩く。どちらにしろ噂は耳に刺さるぐらいに聞こえてくるのだけど。
そして行き着く先は、やっぱり……
森の奥で密かにそびえ立つ千年樹の所。いつも嫌な事があれば来ている。村の中では最年長の樹齢を誇ることから、千年樹と呼ばれている。
私は息を整えて、地面にへたり込んだ。そして顔の前で指を組み、心の中で神への願いをかける。
(孤独に生き続けること…それはとても寂しい。
誰でもいいから私の、
友達になってほしい)
*
いつもと同じ一日が始まる。
昨日と同じ、馬鹿にされてまだ心の中で弱音を吐く。自分が嫌いだと。
でも「今日は」「昨日と」違う事を知らされるのは、いつもと同じ様に千年樹へと向かった時の事だった。
「……?」
異変に気付いて私は立ち止まった。
千年樹の木の下に、一人の女性が倒れこんでいる。別に病気というわけでもなく、ただ眠っているだけのようだ。
空模様が怪しい事に気がついた。彼女をここで眠らせておけば、風邪をひいてしまう……。
私は一瞬躊躇った。だって、また馬鹿にされるかもしれないと思ったから。
でも、私の中の何かが「彼女を助けろ」と命じていて。私はそっと座り込み、彼女を揺らした。
「あの……風邪ひきますよ?」
暫く揺らしていると、彼女が「ん……」と呻き、瞳を開けた。私は安堵の溜息を漏らした。
良く見てみれば彼女の髪は今まで見たことが無いくらい綺麗な青緑だった。それは長く踝辺りまで有る。それを二つに分けて纏めていた。それは瞳も。透けるようにに白い肌、と言っても病的ではなく健康的な白と言った所か。端整な顔立ち、華奢ながら女性らしい柔らかみも感じさせる体系。私は一瞬夢を見ているんじゃないかと錯覚した。
暫くすると、彼女が「ごめんなさい!」と唐突に謝ってきた。私はきょとんとする。彼女は申し訳なさそうに私を見て、服が汚れる事も気にせずに私ノ目線までしゃがみ込んで、謝罪の言葉を述べる。
「ここ、いつもは貴方の場所だったんですよね。なのにすみません…」
彼女はしゅんとしている。私は慌てて顔の前で両手を振った。
「いえ、いいんです。誰の物と決まっているわけじゃありませんし……」
私がそういうと、彼女はパアッと顔を輝かせた。そして私の手をギュッと握って、笑顔で言って来た。
「私、ミクっていいます。歌唄いをやっていて……貴方は?」
「私?私は…ハクっていいます」
多分、彼女は皆に愛されているのだろうと思った。誰でも分け隔てなく接していられそうだ。
いつのまにか私と彼女は仲良くなった。暇があれば千年樹の木の下に集まって、彼女の歌を聴いたり、お菓子を持ち寄ったりもした。
だけど、私と彼女は何もかもが違った。
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白ノ娘 ―4―
「生きていてごめんなさい」
*
あの惨劇から数ヶ月。
私は町外れの教会で新たに暮らし始めた。
静かな教会。教会の近くには小さな港が有るが、余りそこに人は近寄らない。風が強いからだという。
白ノ娘 ―4―
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カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
これは、人柱アリスの「夢」がもしカイトなら。
と思ってかいた小説です。
1.メイコ。2.ミク。3.リンレン。4.カイト
の順でかいていこうと思います。
それでは、どうぞ。。。
カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
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【超自己解釈】人柱アリス【一番目アリス】
「ここ・・・・は・・・・・。」
メイコが目を覚ますと、そこは翠に覆われた森の中でした。
周りをみても、いつもある、守るべき兄弟たちの顔はありません。
メイコはとっさに起き上がり、また、周りを見渡します。
そこに続くのは、一本のどこかへ続く道のみ。
【超自己解釈】人柱アリス【一番目アリス】
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悪ノ物語 -序-1
-序-
さあ、物語は今からずっとずっと昔。貴族の服がいっそう華やかになったころ。
悲しくも哀れ、そして狂おしい一生をたどった、美しい双子の物語。
彼らは望まれずに祝福の光を浴び、生まれてきました。何も知らぬ民衆からは喜ばれ、両親には望まれぬことなった、過ちを犯した少女と過ちを隠そうとする少年が主人公です…。
とある王国。
悪ノ物語 -序-1
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思春期の歌声【リンとレン】
「…レン?」
双子の弟の名前を呼びながら目を覚ます。あるはずの亜麻色が見当たらない。隣で寝ているはずのレンがいない。
「レン…?」
真夜中。外には半月。布団には私の温もりしか残っていない。
「レン…っ」
思春期の歌声【リンとレン】
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Cafe・ロータス・イーター 1
開店時間のほんの少し前に森はコックコートに着替えて髪をひとつにまとめて、厨房に立っていた。
「おはようございます。」
先に作業をしていたスタッフの女の子のあいさつに、森もおはようございます。と声をかけながら、手を洗った。
先に作業していた女の子は最近入ったばかりの専門学生だった。短い前髪に小柄な姿が年齢よりも幼く見えるけれど、仕事を覚えるのも作業速度も速い。朝の作業があらかた終了している事を確認しつつ、森も前日焼いて休ませておいたケーキを型から出して切り分けたり、と開店の為に手を動かした。
程なくしてホールで開店準備をしていた鳥海から、もうすぐ開店です。と声がかかった。
Cafe・ロータス・イーター 1
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【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
この物語は、一人の少年と手違い(?)で届いたVOCALOIDの物語である。
*
やっとだ。
息を大きく吸って、吐く。
そして、
【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
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Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
綺麗にカールした睫に縁取られた、アーモンド形の黒目がちの瞳。形の良いアーチ型の眉に筋の通った鼻。口角の上がった唇は果物のように甘くてつややか。手入れの行き届いた長い髪はトレードマーク。まだ幼さのある輪郭に、少女と大人の境目を行き来するうなじ。細い肩にすらりと伸びた華奢な手足。ちょっと胸元が貧弱なのはご愛嬌。
どんな女の子にも負けはしない。だって私は世界で一番のお姫様。
普段は二つに結い上げている髪を下ろして毛先をゆるく巻いてみた。靴はつま先にリボンのついた新しいヒール。モノトーンの甘めワンピースにお気に入りのカーディガンを羽織ってみる。寒いから首にはストールをぐるぐると、でも可愛らしく巻いて。
今日のコーディネートは最強。
そう意気揚々と私はアルバイト先のカフェへと向かった。古いビルの二階にカフェがあり、その3階は店長の住居スペースなのだが、一部分、お店のスタッフルームとして使用させてもらっている。
Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
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絵本世界とトランプカード 1
スペードアリス
学校の図書室で、ルカはその絵本を開いた。最近学校内で噂になっている、図書館の古ぼけた分厚い絵本である。茶色の絵本の表紙には「トランプアリス」と書かれている以外、挿絵もなければ飾り文字もない。
このところ、学校内で怪事件が続いている。
学年も性別も年齢も部活も、なにも接点もない五人の生徒が何の前触れもなしに、消息を立っているのだ。最初に行方不明になったのは、剣道部、期待のエース、『紅い騎士』とまで言われ、男女関係なしに人気があった『メイコ』。
二人目は合唱部で癒し系と有名だった中等部の『カイト』。人懐こく、手先も器用であったがそれ以上に、歌唱力は誰にも負けない。
絵本世界とトランプカード 1
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メイコの日【カイメイ】
「メイコさんっ」
五月五日の昼食後。居間で食事を終え、部屋に戻ろうと廊下を歩いていたところ、唐突に背後から呼び止められた。
「カイト?」
駆け寄ってくる足音に振り返る。声で分かった。呼びかけてきたのは青い髪の「弟」だ。私の間近で足を止めて、じっと私を見つめてくる。
頭ひとつ高い「弟」のカイトを見上げると、カイトが柔らかく微笑んだ。
メイコの日【カイメイ】
まだまだ未熟な文才だけれど、頑張って小説書いてます。