童話「化け猫の洋菓子」

投稿日:2019/04/23 07:05:25 | 文字数:1,480文字 | 閲覧数:104 | カテゴリ:小説 | 全3バージョン

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童話初めて書きました。童話になってるかわかりませんが、是非、読んでみてください。グリム童話を意識してます。読みづらかったらすみません。

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童話「化け猫の洋菓子」

山の奥の小屋には化け猫が住んでいるという噂があった。その化け猫というのはそら恐ろしいらしく、誰も寄り付かなかった。
しかし、一方でこんな話もあったのだ。そこには宝が眠ってるのではないかという法螺にも似た類の話であった。
あんな小屋のなかに宝などあるものかと多くの人は耳を貸さず、噂だけが一人歩きしていた。
そんな中、卑しい男がそれを確かめてやろうと意を決していたことは誰にも知られる筈もないことであった。

卑しい男は村から離れ、例の山奥の小屋へと向かった。
途中、小動物が前を横切ることもあったが、そんなのには目もくれない。目をくれてやるのは、小屋の財宝だけである。
ようやく、小屋へとたどり着いた卑しい男はそれを眺めた。
男はうなった。本当にこんなところに宝などあるものかと疑ったのだ。
それはやはり、誰もが思う至極単純な感想であった。
何故なら、例の小屋は至って平凡な作りであり、そしてまた誰かが住んでいるようにはとても思えないほど、簡素なものであったからである。
そしてまた男はうなった。小屋には扉は一つしかない。もし、噂の化け猫が仮にいるとして、姿がバレてしまえば殺されてもおかしくはない。男は火をつけようかと一瞬考えた。
けれども、中にある宝が焼けて使いものにならなくなっては元も子もない。考えを蜘蛛の糸のように張り巡らせていると、結局単純な答えにたどり着いた。
もし、化け猫がいたとして、見つかったその時には殺して仕舞えばいい。最悪の事態を想定し、懐に隠してあった刃物を握り、ケラケラと心のなかで笑った。
そして、意を決してゆっくりと扉へと近づき、勢いよくそれを開いた。
その時、目にはそこいらの猫と同じサイズの猫が映った。
ただ、それは正しく化け猫であった。恐らく七つは尾があるであろう。
驚いた化け猫は「ひゃっ」と声を上げた。その瞬間何もかもが冷めた。
男はなんだか馬鹿らしく思って、訪ねてみた。
「おい、化け猫や。なんで、お前のような奴がここに住んでいる。殺しはしないから、質問に答えろ」と、
化け猫は答えた。
「ただ、私は静かに暮らしたいだけなのです。どうか見逃してください。」「此処には、宝があると聞いた。宝をよこせば見逃してやる」
それに対し、少し間を置いて化け猫は答えた。
「宝はないのですが、洋菓子というものならあります。ほら」
そう言って化け猫が目をパチパチとすれば、なんとそこに見たこともない食べ物が現れた。
男は呆気に取られながら言った。
「これは何だ」
「洋菓子といいます。」
男は何度もそれを眺めて、ふと腹が空いているのを思い出した。
「毒など入っておらぬな」
「滅相もございません」
それを聞いて安心したのか、男はそれを一口で食べてしまった。
「これはうまい。もっとだ、もっと寄こせ」
化け猫は答えた。
「仰せの通りに」

その後、飽きることなく「洋菓子」を来る日も来る日も食べていた。何かの魔力に取り憑かれたように食べ続けた。
だが、ある時、男は倒れた。喉が渇いた。お腹が空いた。
動けない身体を起こして、嗄れた声で化け猫に向かって言った。
「おい、洋菓子寄こせ」
化け猫は答えた。
「仰せの通りに」

しばらくが経ち、男は死んだ。化け猫はそれを見届けてから歌を歌った

甘いものにゃ 棘がある

身体蝕む 棘がある

知ってか知らずか棘がある

甘いものにゃ 棘がある

心蝕む 棘がある

知ってか知らずか棘がある

そうして、化け猫はどこかへ消えてしまった。

作詞!歌い手!

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