【がくルカ】memory【1】
投稿日:2011/12/12 17:26:39 | 文字数:3,506文字 | 閲覧数:1,530 | カテゴリ:小説
「疑問」
「どうか、忘れないで」
どっかで見たことあるのは気のせいではない←
自分が書いたどっかの話の続編です。
月日はこの気持ちと共に流れた。
あの日から二ヶ月、今再び物語は始まる――
-----【がくルカ】memory【1】-----
今は12月。
寒いので体調をくずしやすい時期。雪も降りだす。
あれから、私は変わったのだろうか?
授業を受ける態度とか変わってないし、かと言って孤独になったわけでもないし。
ただ一つ変わったと言えば、胸あたりにある、ほっこりとした暖かい気持ちかな?
でも、この小さなモヤモヤはなんなのだろう。
10月の、あの出来事から二ヶ月。
私たちは、他から見ると変わっていないのかもしれない。
実際は、あの出来事から私とあの人の関係は変わったんだけど…。
まぁそんなことはどうでもいいか。
この時期に私の手はもの凄く冷たくなる。
手袋をしてもあまり効果が無いように思える。
ずっとこたつでぬくぬくしていても、手だけはあまり温かくならない。
困ったものだ。
しかも私は、一応病気になりやすかったりする。
毎年と言っていいほど風邪をひくし。
さらに、今年から一人暮らしなので一緒に居てくれる人が居ない。
友達もほとんどは違う高校に行ってしまったという…
冬、病気で弱っているなか一人。
これほど寂しいこともない。
さて、よくわからない長話は終わりにして。
今日も元気に高校に向かう。
「はくしっ!!うぅぅ…」
そう…元気…に…
やっぱり元気じゃないかも。
いくら冬用の制服とはいえ、寒いのには変わりはない。
階段を上り、教室の扉をガラッと開ける。
なんで隙間風が入り込んでくるのか。
そして運が悪いことに私の席は窓側。
ついてない。
「おはよう、ルカ。なんでため息ついてるの?」
がたんと私の前の席に座ったのは、親友であるメイコだ。
いろいろと頼りになる。
私の、高校での唯一の友達。
そして唯一、私とあの人の関係を知る人でもある。
「いや、なんで隙間風が入り込むんだろうって思って…」
「そりゃ、この高校って古いし…ここ旧校舎だし、しかも窓際じゃよけい寒いわな」
「メイコも窓際でしょ、私の前の席なんだし」
「私は、体が弱いあんたを心配してるの」
「それはどうも」
メイコって病気になることがあんまり無いらしい。
いいなぁ、羨ましい。
「そういえば、うちのクラスを代表する馬鹿三人ってまた問題起こしたらしいね…」
「うん…確か、停学処分を受けて問題起こして…何回も問題おこしてるから、退学になったんだよね…」
「よくこの高校に、あんな馬鹿が進学できたね…」
「だね…」
私達が通うこの高校は、地元でもレベルが高い。(私はそこで学年トップをとったこともあるが)
一応、進学校…らしい…
そんなレベルが高い高校でそんな危険なバカが居たら、大体は退学とか停学だ。
「ところでさぁルカ」
「何」
メイコが話題を変えてきた。
「最近はどう?」
「は?」
「だからぁ、最近はあの人とどんなかんじ?ってきいてんの」
「は、はぁッ!?」
どうしていきなりそんなこと!
「何どうしたのその顔。なんかあったん?」
「べ…別にぃ…」
「あったね?」
メイコは言い出したらとまらない。
「別になんにもないって!」
「でもその顔…絶対何かあったっしょ」
「別に神威先生とはなんとも…!」
「俺が何?」
「うわあッ!?」
後ろに一つに結んだ髪。
凛とした声。
整った顔。
そう、この人は…
つい最近コンタクトにしたという神威先生登場。
気配が無かったよ!
「いつからいたんですか?」
「隙間風の話題のときからずっと聞いてたけど…」
「嘘だッ」
そんな前からいたの!?
「で、俺がなんだって?」
「あ、ルカは今先生とどんなかんじなのかなーって思って」
「メイコッ!!」
なんで言うの!?
しかもなんで2828しながら!?
「そr」
「なんでもないから!先生何もないですよねッ!!」
「そんなにまでして隠したいのかー…先生、何かあったでしょ?これ」
「え?…本当に何も無かったけど?」
「じゃなんで隠すの?」
「さぁ…」
だって…
この不安は…
*
それから、一週間ぐらい経っただろうか。
この気持ちは、ずっと晴れることはない。
ココロ予報は、『晴れる』と予測。実際は外れて『曇り』。
いまにも『雨』が降り出しそうな、そんなかんじの『曇り』だった。
三時間目の授業のこと。
この時の科目は『日本史』。担当教師は始音先生。
正直言って、私の苦手科目。
『世界史』なら得意なんだけどな。
だからこそ、勉強は頑張らなくちゃいけなかった。
そんな大事な授業なのに、私の身にはあることがおきた。
頭はクラクラし、視界は霞んでいる。
なんとかノートをとろうとするも、シャープペンシルを握る手に力が入らない。
咳は止まらなく、左手で抑えると手には血が着いていた。
体が中に浮いたと思った次の瞬間、私は床に倒れていた。
ガタンと倒れる椅子。
誰かの叫ぶ声。
暗くなっていく視界。
意識は遠ざかる――
*
目が覚めたとき、視界に入ったのは見慣れない天井。
ここはどこだろうと起き上がると、頭に激痛が走った。
「痛っ…」
とりあえずわかるのは、私はどこかのベットで寝ていた。
ほんとにここどこだろう。
ていうか、なんで私はここにいて…?
ふらつく頭を抑えながら立ち上がる。
そして壁に手をつきながら扉の窓を覗き込む。
プレートの表記は『保健室』。
あぁ、そういうことか。
大人しくベットに戻る…までの体力が続かず、近くのソファに倒れこむ。
なんだろう。すごくクラクラする。
とりあえずわかったことは、ここは学校の保健室。
あの時私は倒れて、誰かが私をここまで連れてきたんだ。
でも誰が?
ていうか今何時?
壁にかかっている時計をぼやけている目で確認すると、そこには「4時48分」と表示されていた。
…ちょっと待て?
私が倒れたのは、確か三時間目。
推測すると、午前11時ぐらい。
で、今は午後4時48分。
ようするに…私は、六時間くらい意識を失っていた、ということか?
昼寝の域超えてません?
どっかのダメな大学生か、私は。
でも体調悪いから仕方ないか…
だめだ。まだクラクラする。
ふと左の手のひらを見てみると、そこには乾いた血の跡。
そっか。あの時、咳をした時に吐いた血か。
そんなに咳してたんだ…
「うぅ…ゲホゲホッ…」
止まらない。辛い。とても喉が痛い。
とりあえず、手は洗おうと思い頑張ってフラつく体で立ち上がり、保健室内の水道に向かう。
手についている血の跡を念入りに洗ったあと、(凄く冷たい)なんとなく備え付けられている鏡を見てみる。
そこに写っていたのは――頭に包帯が巻かれた私。
ふと見ると、右腕にも包帯が巻かれていた。
ケガでもしたんだろうか?いつしたんだろう?
倒れたときかな…
とにかく辛い。また近くのソファに倒れる。
今放課後だよね?
私は帰れるの?
そんな感じで考えていると、ガラッと扉を開ける音がした。
誰だろう。
「…巡音?」
この声。そうだ、きっとこの声は。
近づいてくる足音。
今、私は起き上がる気力もない。
でも、声だけでその人物は推測できた。
「…神威、先生」
「すまないな。抜け出そうとしたんだが、皆がうるさくてな…」
皆がうるさい…?
なんのことだろうか。
よくわからない。
…いったい、なんなのだろう。この不安は。
「…そう、ですか」
あー、もぅとにかく辛い。
頭はクラクラするし腕は痛いし。
喉も痛いし。
もう意味不明。
てかなんで私は倒れたワケ?
そんなに体調悪いの?
てか熱あるの?
体温計を取る気力もない。
息をするので精一杯だ。
しかも何この沈黙。
前はこんなことなかったのに。
あぁ、そうか。この不安の理由は…
私が少し、孤独を感じているからなんだ。
そしてその孤独を感じる理由も、気づいた。
その感情が、体に負担をかけていたのかもしれない。
でも、不安を感じる理由がわかっても。
理由がわかったって、不安自体は消えない。
その不安を消すために。
孤独の理由を知るために。
あの人に、聞かなければいけない。
私は、口を開いた。
作品へのコメント3
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ご意見・感想
ひょこっ。
時を超え主を変え姿を変え♪憤怒の器の軌道を探すようにテキストの記録を遡ってmemoryの始まりを「あれ!?あれ!?みつからない!!?」なんて3分ほど探したTurndogですwww
要するに対象物を絞っても見落とすという愚行をやっていたわけですねwwwええ、笑ってください、もう。
馬鹿にされる準備はできている。
ゆるりーさんに命じられるなら、僕は土星だって割って見せるさ!(誰かさんの真似www
コホン、前置き長くなりましてすみません。
ルカさあああああん!!!?よ、よし!倒れたルカさんは俺が保健室まで手取り足とr(変態
い、いや!それよりも大事なことがあるだろう!!
こっ、高校生のルカさんとか想像しただけで…ぐほあ鼻血が間欠せっ(バターん!!)
がくルカは書く人によってはめちゃめちゃこーふんするwwwこれは…イイ…!!
…え、自分が書いたら?いやいや自分は何書いてもバトりますから無理ですwww普通のギャグを書いてもめーちゃんが火を吹くんでwww(詳しくは自分のコラボでの小説をご覧ください)2012/04/09 01:08:00 From Turndog~ターンドッグ~
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メッセージのお返し
茶番ww
3分ww
笑いませんよ。よくあることですし…
逆に自分が落ち込む準備はできている!←
どっかの変態科学者さんですね、わかりry
ちょw
実際、倒れたルカさんはカイトが保健室に連れて行った…っていう設定なんですけどw
自分が書くと、高校設定のがくルカが多い気がする。
って倒れた――!!よし、ルカさんとめーちゃん!出番d
「私、病み上がりな「三階の窓から飛び降りて無傷だった人が頑張らなきゃ」んですけど」
「私もめんどく「時速60?で走る人も頑張ってよ」さい」
こーふんしてらっしゃる方がww
「おうら―――――――――!!待たんかいドロボ―――――――――――――――――――!!!!!」2012/04/09 12:08:55
ゆるりー
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ご意見・感想
病弱なルカちゃんてっ
こんなに美味しい設定が他に有りますかッ!?
そして先生×生徒!
は、鼻血が・・・
2828とうはうはが止まりませぬ。
ブクマしてっちゃうんだからねッ//←2011/12/20 13:55:44 From ジェニファー酒井さん
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メッセージのお返し
ジェニファー酒井さん、メッセージありがとうございます。
美味しい設定ですかw
ありがとうございますw
そしてがっくんが看病してたら萌えると思うんd((
咲耶さんに影響されたんですけどねw
鼻血大丈夫ですか!?←
2828とうはうは!?止まりませんかw
ブクマありがとうございます!
ツンデレですねわかります←2011/12/20 17:36:42
ゆるりー
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【がくルカ】memory【2】
ほら、やっぱりそうなんでしょ?
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~ルカ視点~
しばらく沈黙が続いていた。
私は頭痛かったり腕痛かったりで喋るのは辛いし。
【がくルカ】memory【2】
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【がくルカ】memory【12】
どういうこと?
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「…で、どうしてこうなった」
バスから降りて最初に見たのは、初音先生が転んでいる光景だった。
別に初音先生がよく転ぶのはいつものことなのだが、右足の靴が無くなっている。どういう転び方をしたんだろう。
【がくルカ】memory【12】
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【がくルカ】memory【21】
ねぇ、信じてもいい?
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「――…ッ」
ちょっと待ってよ、嘘でしょ?
こんなの、理解できないよ。
【がくルカ】memory【21】
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【がくルカ】memory【9】
その理由を教えて
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見てしまった。
彼女が彼に何かを叫び、彼は逃げ出した。
その際、彼の表情は恐怖を宿していたことを。
【がくルカ】memory【9】
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【がくルカ】memory【4】
少しでも長く。
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~ルカ目線~
それは、12月24日のこと。
世間では、この日はクリスマス・イヴだ。
【がくルカ】memory【4】
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【がくルカ】memory【7】
あなたにとって、彼女はどんな存在?
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「―――といって、ここは…」
2-Bの教室に響くのは、神威先生の声、チョーク、シャーペンを動かす音。
いたって普通の光景だ。
【がくルカ】memory【7】
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【がくルカ】memory【11】
ここで何が起こる?
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「うおー、すげえ!」
クラスメイトである鏡音君――鏡音はこのクラスに二人いるので、レン君でいいだろう――が、窓を開けて叫んでいた。
はっきり言うと、うるさい。
【がくルカ】memory【11】
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【がくルカ】memory【6】
この気持ちの正体は?
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「ルッカアアアアアアアアアアアアァァァァ!!!」
メイコが私めがけて走ってくる。
私は危険を察知し、秒速27mぐらいはあろうメイコの突進を回避するために、真横にずれる。
【がくルカ】memory【6】
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【がくルカ】私の初恋と白衣の彼【side:G】
誰か教えてください。俺には、わからないんです。
行き場のないこの想いを、どうすればいいのか。
その春も、俺は自身が通っていた高校で、教師をしていた。
母の顔を知らずに育ち、高校時代に父を亡くし、就職するまでは祖父と共に暮らしてきた。
十年ほどいるにも関わらず、俺の周囲と反してこの街並みは変わることがない。
【がくルカ】私の初恋と白衣の彼【side:G】
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【がくルカ】memory【20】
結末はどうなるの?
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「さあ今日も頑張ろう!」
初音先生がにこやかな笑顔で告げる。
対するメンバーは、皆微妙な顔をしていた。
【がくルカ】memory【20】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。