玩具屋カイくんの販売日誌(198) 不思議ゾーンと、不思議な人たち
投稿日:2013/06/09 12:09:28 | 文字数:1,362文字 | 閲覧数:98 | カテゴリ:小説
事務所の場所を選ぶポイントは、「人のつながり」「場所の利便」「仕事のこだわり」などです。ただ、他にも不思議な要素があるのかもしれません。
いま活躍中の、デザイナーたちが入居している施設「ニコニコ・デザイナーズ・ビレッジ」。
レン君はここを訪れて、友達のテトさんたちと話している。
「そうなんですか。ここのデザイナーさんたちも、メンバーが変わるんですね」
レン君が言った。
「そうなのよ」
テトさんたちはうなずいた。
「じゃ、皆さんは今度、どこに行かれるんですか」
レン君の問いに、テトさんの隣にいたファッションデザイナーのマコさんは答えた。
「ええ、ウチらも、このニコビレが気に入っとるんで、出たくないんやけどね。決まりやから」
彼女と相棒のルナさんは、うなずいた。
「ウチらはこんど、テトさんのやってる“カフェ・つんでれ”の入ってるビルに、事務所を持ちますねん」
「あ、そうなんですか」
レン君は言った。
「ボク、テトさんのカフェに行ったことありますよ。あのビル、なかなか雰囲気がありましたよね」
「そうなのよ。ボーカル・ビルって言って、うちのカフェの他に、雑貨店とかもあるし」
テトさんも笑って、うなずいた。
「そういえば、テトさんのカフェは、夜にはバーになるんだよね。君は夜に行ったらダメよ」
ルナさんが言ったので、みんな笑った。
●事務所を持つのも大変…
「そうですか。あのビル、ますます賑やかになりそうですね」
そう言って、ふと、レン君は聞いた。
「でも、デフォ子さんは?」
「それがねえ、まだ彼女は新しい事務所が、決まってないのよ」
テトさんが、腕を組んで言った。
「彼女はね、仕事でいろんな“実験”とか“発明”をするでしょ」
「実験?」
レン君は、聞き返した。
ルナさんとマコさんはうなずいて、苦笑いして言った。
「だから、入れる場所が、結構、限られちゃうのよ」
「実験で、爆発とかされると、ビルの持ち主も、困るやろし」
「ふうん、そうなんですか」
仕事場を持つのも、いろいろ大変なんだなあ…と、レン君は思った。
「ところで、きょうはここに何しに来たの?」
テトさんが、レン君に尋ねる。
「ええ、ここにレイムさんっていう人がいるでしょ。彼女に会いに来たんです」
●洗脳されちゃ、ダメだよ!
「あら。レイムちゃんに?」
マコさんが驚いたように言う。
「彼女に、オカルトの講義でもしてもらうのかしらん?」
「ええ、実は、そうなんです」
みんなは、目を丸くした。冗談で言ったのに、図星だったので…
彼は答えた。
「ボクの学校で、友達とオカルトについて調べてるんです。とくに“はっちゅーね”の謎について、聞きたいなと思って」
ホントは、湯栗さんたちが知りたがっているのだが、まあ、そこは詳しく言わなくてもいいだろう。
「そうなの?あまり、レイムに洗脳されちゃダメだよ。彼女、ほんとの“不思議ちゃん”だから」
ルナさんが、笑っていう。
「そうそう、この作業室が“不思議なゾーン”だって、言ってるみたいね」
テトさんが、辺りを見回して言う。
「うん、不思議といえば不思議やけど…」
「ああ、でもちょい変わっとる場所ではあるわ。この作業室」
マコさんたちは、真面目な顔で言っているので、レン君は、少し気になった。
「“不思議ちゃん”に、“不思議なゾーン”?。あの人形と同じくらい、周りの人も不思議なのかなぁ」!?(・_・;?
作品へのコメント1
ピアプロにログインして作品にコメントをしましょう!
新規登録|ログイン-
ご意見・感想
こんばんは、ようやく最新作到達です♪
さてさて、やっぱりというか他の皆さんは、レンきゅんがレイムさんにオカルト洗脳されてしまう事を恐れているようですね~♪ まぁ”調査”に来ているから、レンきゅんそのものが洗脳されるつもりで来ているわけではないのですが、”ミイラ取りがミイラになる”ということわざもあるくらいですし…。
不思議ちゃん、最近多いですよね~、性格的に不思議、言動が不思議、いろいろありますが、まぁ個性と言えばそうですからね。”レイムさんの趣味はオカルト”と言えば、論破出来ますし♪
事務所の場所、まさにこの3つだと思います。他に就労条件とかありますが、それは選ぶポイントとはちょっと違いますからね。
ではでは~♪
P.S 今日は気合いを入れて短時間にカレーを作ったので、夜の時間が出来て訪問させていただきました。また時間を作れたら、まとめて拝読させていただき、コメしたいと思います♪2013/06/14 21:36:14 From enarin
-
メッセージのお返し
enarinさん、メッセージ有難うございます!
>レンきゅんそのものが洗脳されるつもりで来ているわけではないのですが、”ミイラ取りがミイラになる”ということわざもあるくらいですし…。
そうですよね?。オカルトとかは、最初信じていなかった人ほど、ハマると抜け出せないようです。
>不思議ちゃん、最近多いですよね?、性格的に不思議、言動が不思議、いろいろありますが、まぁ個性と言えばそうですからね。
確かにいろいろありますよね。不思議っぽいものが好きな人と、思考の仕組みが不思議な人(笑)もいますね。
レイムさんは多分、後者でしょう。シャーマン・タイプはそういう感じがしますネ。
忙しい中で感想を書いてくれて嬉しいです。
また、時間ができたら読んでください!
それでは、また。2013/06/18 21:49:19
tamaonion
オススメ作品10/23
-
或る詩謡い人形の記録『終焉の歌姫』
その昔 魔物に脅え 暮らしていた時代
隻眼の魔女の元 美しい娘がいた
彼女はかつて至上の歌姫と呼ばれたが
今はもう謡わない その歌は死招くから…
呪われた 娘でも傍に置く魔女のこと
或る詩謡い人形の記録『終焉の歌姫』
-
In my belly【曲募集中】
甘い 甘い 君の血を 俺に 注ぎ込んで
苦い 苦い 俺の血を 君に 注ぎ込む
君は人間で 俺達は 君を 襲う 悪魔
僕は 吸血鬼 俺はね 魔女
これから 始まる Halloween 俺達と 踊ろう
In my belly【曲募集中】
-
「ありのまんまで恋したいッ」
(Aメロ)
また今日も 気持ちウラハラ
帰りに 反省
その顔 前にしたなら
気持ちの逆 くちにしてる
「ありのまんまで恋したいッ」
-
【自己解釈】ヴェノマニア公の狂気
ヴェノマニア公の狂気
プロローグ
アスモディン地方に、ある少年がいた。
少年の名前は、ガスト=ヴェノム。
ガストは、どうも冴えない顔だった。ガストはこの冴えない顔のせいで周りに嘲り笑われていた。
【自己解釈】ヴェノマニア公の狂気
-
或る詩謡い人形の記録『雪菫の少女』
雪の降る国 名将と名を馳せた
若き一人の 少女の話
権力も財産も 彼女はいらないけど
戦場へ…
噂だけはとおくとおく広がり 武勲をしらぬものおらず
或る詩謡い人形の記録『雪菫の少女』
-
水中歌
A 聞き飽きたテンプレの言葉 ボクは今日も人波に呑まれる
『ほどほど』を覚えた体は対になるように『全力』を拒んだ
B 潮風を背に歌う 波の音とボクの声だけか響いていた
S 潜った海中 静寂に包まれていた
空っぽのココロは水を求めてる 息もできない程に…
水中歌
-
優範生
いつだって 泣いて 言って
「死ぬ」って 嫌になるんだって
神様 私何かしちゃったのかな
頑張って 声を押し殺して
優等生(イイコ)になるの
優範生
-
【KAITO】止まない雨に病みながら【オリジナル曲】歌詞
陰鬱な雨 灰色の空
窓から見てた
あなたはまだ帰らない
今日も残業なのでしょう
いつも疲れてるあなた
【KAITO】止まない雨に病みながら【オリジナル曲】歌詞
-
五つの軌跡
満月の夜 誓う 絆 輝く光り 5色色の虹が巡り合った
事は軌跡で 運命なんだよ きっと
そら あか
星屑ある天 誓った 証し 輝く灯り 5色色が巡り
五つの軌跡
-
【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 1【自己解釈】
気が狂ってしまいそうな程に、僕らは君を愛し、君は僕らを愛した。
その全てはIMITATION,偽りだ。
そしてこれは禁断。
僕らは、彼女を愛してはいけなかった。
また、彼女も僕らを愛してはいけなかった。
【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 1【自己解釈】
雑貨の仕事をしてます。
キャラクター雑貨がらみで、キャラクターも好きです。
音楽も好きですが、好きな曲の初音ミクバージョンを聴いて感心!
ボーカロイドを聴くようになりました。
機会があれば、いろいろ投稿したいと思ってます。
宜しくお願いします。
twitter http://twitter.com/tamaonion