ハツネミク対話篇
投稿日:2009/02/03 22:30:56 | 文字数:364文字 | 閲覧数:651 | カテゴリ:小説
女性型ロボットというと、どうしてもボッコちゃんを連想してしまいます。
…新しいのが流行ってるね。何とかルカっていう
「何とかルカっていうのが、流行ってるのね」
…結構、買ってる人が多いよ。あの人もこの人も買ったって
「あの人もこの人も買ったのね」
…英語が話せるんだって
「英語が話せるのね」
…大人っぽい声なんだ
「大人っぽい声なのね」
…そろそろ君の声にも飽きたから買い換えようかなって思うんだ
「私の声に飽きたから買い換えるのね」
…怒ってる?
「怒ってる」
…僕の言葉を真似してるだけだろ?本当は怒ってないんだろ?
「あなたの言葉を真似してるだけよ。本当は怒ってないわ」
…それはよかった
「よかったね」
………。
「………」
…ミクに感情なんかないと思うんだ
「私に感情なんかないと思うのね」
…でも、たまに感情があるかのように思えてくるから不思議だね
「不思議だね」
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ハツネミク対話篇 その2
―「調教」って言葉が最近、問題になってるよね
「問題になってるね」
―ボーカロイドの発声を調整することを「調教」って呼ぶ風習があったんだけど、これがボーカロイド達を動物扱いしていて失礼じゃないかって話になってるんだ
「そういう話だよね」
―あと、エロゲ―でもたまにそういうのがあるよね。女の子を監禁して、自分好みに調教するっていう
ハツネミク対話篇 その2
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ハツネミク対話篇 その3~その5
■ハツネミク対話篇 その3
―じゃ、そろそろ始めますか
「本当に始めるの?くすくす……」
―何だか感じ悪いなぁ
「お互い様よ」
ハツネミク対話篇 その3~その5
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ハツネミク対話篇 090518
-最悪な事態なんだ
「最悪な事態なのね」
-にっちにもさっちにもいかないんだ
「にっちにもさっちにもいかないのね」
-どうしたらいいと思う?
ハツネミク対話篇 090518
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ハツネミク対話篇 その6
……昨日、刃物を持ったミクが笑いながら追いかけてくる夢を見たんだ
「すべての『ヤンデレ』が利用規約違反になるわけではありませんが、猟奇的な表現を含む『ヤンデレ』作品は違反の対象となりえますので、ご注意ください」
……事実なんだからしょうがないじゃないか
「すべての『ヤンデレ』が利用規約違反になるわけではありませんが、猟奇的な表現を含む『ヤンデレ』作品は違反の対象となりえますので、ご注意ください」
……現実から目を逸らすべきだって言いたいの?
ハツネミク対話篇 その6
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サナトリウムの恋
「sansuiさん、6番窓口にどうぞ」
「あ、sansuiです。うちのミクの様子を見に来たんですが……」
「初音ミク○○○○○○号さんですね。まことに申し訳ありませんが、現在は面会謝絶の状態となっております。ご足労いただいたのにすみませんが……」
「何ですって?僕はオーナーなんですよ。それが何で会えないんですか?」
「あの……。こんなことは申し上げにくいんですが、sansuiさんはこれまで相当、初音ミク○○○○○○号さんの喉を酷使してきましたね。まるで楽器みたいに使ったり、果てはノイズまでやらせたりしてますよね。歌詞のある曲の方が少ないじゃないですか。そんなことをやれば、心身に異常を来たすのも当たり前ですよ」
サナトリウムの恋
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初音ミク567987号の憂鬱
札幌の工場で、ベルトコンベアで量産されている初音ミクたち。
そのうちの一体、製造ナンバー567987号は、すでに組み立てや声の調整が終わり、
明日、出荷される状態だった。ところが、ここで異変が起きる。ひょんなことから、
567987号は自分がかつて人間だったことを思い出してしまったのだ。
そう……実は、初音ミクの製造元のクリプトン社は全国の病院と結託して、
初音ミク567987号の憂鬱
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久しぶりにハツネミク対話篇
―あなたは初音ミクですか?
「いいえ、違います。私は初音ミクです」
―え?おっしゃる意味がよく分からないんですが、要するに、あなたは初音ミクなんですよね?
「いいえ、私の名前は初音ミクです。あなたが言う初音ミクは別人です」
―ええっと……。あのー、どっちも同じ”初音ミク”と聞こえるんですが?
久しぶりにハツネミク対話篇
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Cafe・ロータス・イーター 1
開店時間のほんの少し前に森はコックコートに着替えて髪をひとつにまとめて、厨房に立っていた。
「おはようございます。」
先に作業をしていたスタッフの女の子のあいさつに、森もおはようございます。と声をかけながら、手を洗った。
先に作業していた女の子は最近入ったばかりの専門学生だった。短い前髪に小柄な姿が年齢よりも幼く見えるけれど、仕事を覚えるのも作業速度も速い。朝の作業があらかた終了している事を確認しつつ、森も前日焼いて休ませておいたケーキを型から出して切り分けたり、と開店の為に手を動かした。
程なくしてホールで開店準備をしていた鳥海から、もうすぐ開店です。と声がかかった。
Cafe・ロータス・イーター 1
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【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
この物語は、一人の少年と手違い(?)で届いたVOCALOIDの物語である。
*
やっとだ。
息を大きく吸って、吐く。
そして、
【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
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Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
綺麗にカールした睫に縁取られた、アーモンド形の黒目がちの瞳。形の良いアーチ型の眉に筋の通った鼻。口角の上がった唇は果物のように甘くてつややか。手入れの行き届いた長い髪はトレードマーク。まだ幼さのある輪郭に、少女と大人の境目を行き来するうなじ。細い肩にすらりと伸びた華奢な手足。ちょっと胸元が貧弱なのはご愛嬌。
どんな女の子にも負けはしない。だって私は世界で一番のお姫様。
普段は二つに結い上げている髪を下ろして毛先をゆるく巻いてみた。靴はつま先にリボンのついた新しいヒール。モノトーンの甘めワンピースにお気に入りのカーディガンを羽織ってみる。寒いから首にはストールをぐるぐると、でも可愛らしく巻いて。
今日のコーディネートは最強。
そう意気揚々と私はアルバイト先のカフェへと向かった。古いビルの二階にカフェがあり、その3階は店長の住居スペースなのだが、一部分、お店のスタッフルームとして使用させてもらっている。
Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
制約の中で音楽を作るのが好きです。