G clef Link カリスマ騎士ローランド5

投稿日:2020/01/22 00:47:34 | 文字数:2,326文字 | 閲覧数:69 | カテゴリ:小説

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新しい仲間は、まだ出番ないです(笑)

次話
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TEXT
 

 仲間がダメならば! ここで冷静沈着なポジションの僕の出番だ! そう心に決めて、今度はこちら側から掛け合いで“たらし込もう”とした。普段なら相手のボケに対し、ツッコミを入れるのが役割であるが、あえて…そのネタに乗っかってみようと考えた。

「ローランドさん…貴方はミクちゃんを翠星石と例えましたよね……」

「そうだが、それがどうしたんだ?」

「ひとつ大きな間違いをしています。ミクちゃんの髪型はツインテールなので、その振りをするなら“真紅”の名が適切ではないかと…。僕は読者を代表して、貴方にそう答えます」

 レンのツッコミを交えた反撃は適切であった。

 たしかに、この少年が言うようにリーダーのことをお人形さんで例えるならば、スィドリーム(薄緑)の精霊を持つツンデレドールより、主人公である紅い薔薇のお上品なドールが見た目的に近いからだ。

「残念だが少年よ、このカリスマ騎士であるローランドが“真紅”と認めた人間は、このセカイで1人しかいない」

「えっ!? どういうことですか?」

 それは、予想だにしなかった言葉であった。まさか……本当にあの、お人形さんのようなプライドの高いヒトが居たのかと思ったからだ。

「今はもう…この国には居ないが、その真紅と呼ばれた者は大剣を背負い、ここで団長をしていた。その名は……」

 どうやらお人形さんとは関係ない、真紅と騎士たちから比喩されていたヒトのようである。現団長でもあるローランドは、そのヒトの名前を教えてくれた。

「その名は、メイ・エリティア・ハイゴー。フォレスタ・キングダムで伝説となった英雄、ロアの娘だ」

『……!?!?』

 このとき、ミクたちは自分たちと繋がりのある人物の名を聞き、4人で顔を見合わせていた。そのうち、フーガの表情だけ『やっぱり…ぼくの言ったとおりだろう……』と言わんばかりの面差しで仲間を見ている。

 ごめん……と口には出さないが、年下の3人は彼に頭を下げていた。この場で責任転嫁をし合いたいところだが、リーダーのミクは仲間を代表してローランドにこう言った。

「じつは私たち、そのロアさんってヒトを探しているんです。ロアさんは、ここに居るみんなと繋がりがあるんですよ」

「まさか、若い君たちと繋がりがあるのか……。本当に残念な話になるが、英雄ロアは9年前に亡くなった」

「そうですか……」

 自分たちと繋がりを持つ人物は既に、この世には居ないと聞きミクは落ち込んでしまう。夢のなかで見た先人たちの軌跡、それを追って自分たちが旅の目的でイルヴァルスの地へ来たのが無駄だったと思うからだ。

「じゃあ…ロアさんの娘であるメイさんは、まだこの国に居るのですか……?」

 フーガはまだ、繋がりを諦めてはいなかった。港町のランマルコ広場で、すれ違った“あの女性”が絶対にメイ・エリティア・ハイゴーであると確信したからだ。

「それも残念な話になるが、前団長は2年前に騎士団を辞めて国を離れた。国へ残る俺たちに『私の墓標に名はいらぬ、死すならば戦いの荒野で……』と言い残してな」

 過去にフォレスタ・キングダムで団長をしていたメイ・エリティア・ハイゴーは、とてもハードボイルドな言葉を騎士たちに遺して国から去ったようだ。

「なんか…その女のヒト、世紀末のセカイにでも行っちゃたんッスか!?」

 レンは、メイと云う女性の人物像に【TOUGH BOY】のBGMがイメージで流れていた。あの広場で偶然、出逢ったのがそのヒトだとすると、拳から手首に掛けて巻いていた包帯がよけいにそう思わせてくれる。

「世紀末のセカイか…あながち間違いではないな。俺が聞いた前団長に関する噂話では、荒野の町ランブルウィードで配達人の仕事をしているらしい」

「では、そのランブルウィードに向かえばメイさんに会えるんですね?」

 ミクは、次なる仲間との繋がりを持ちたいと思うため、ランブルウィードについてローランドから聞こうとする。

「行きたいと思う気持ちはわかるが、絶対にあの町へは行くな。あそこはWelcome to this crazy Timeな感じでヨロシク、幻想セカイの世紀末だからな。ヒャッハーで凶暴な盗賊たちに襲われてしまうぞ」

 あの町は、幻想セカイの世紀末であるとローランドから表現されるほど、ランブルウィードには倫理や道徳を失い、己の欲望に忠実なヒトばかりが住んでいるそうだ。

 説明が終わったあと、ローランドは精神的な掛け合いで最後の交渉をはじめていく。

「よし、無駄話はここまでだ。バンダナツインテの娘よ。明日の夜会だけで構わない、フーガ君を騎士にしても良いか?」

「本当に…夜会だけなんですか?」

「まだ悩んでいるな。ならば、彼が夜会で売り上げたGの一部を報酬に上乗せしよう。1日20G+バックでどうだ?」

「うっう〜んっ……」

 ここで問われる仲間を思いやる自身の心。
 金と信頼関係、効率よく稼ぐために仲間を騎士にするか?。仲間が自分へ寄せてくれる信用を裏切らないため、1日20Gで我慢するか?。

 フォレスタ・キングダムにて、たいへん悩ましい選択肢を決めねばならない16歳の少女は、青緑色に輝く眼を閉じて考えをまとめようとした。

 優先すべきモノはGなのか……?。
 守るべきは仲間の絆なのか……?。
 金か……信頼か……と彼女が悩んでいると…………。






「ミクちゃん! 今回はあたしも、契約で意見していい?」

「えっ? リンちゃんが意見するの?」

 深く悩んでいるなか突然、陽気な少女から助け綱が入った。

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