【がくルカ】Segreto
投稿日:2014/05/23 19:03:28 | 文字数:1,759文字 | 閲覧数:638 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン
今日はキスの日らしいので、舞台裏のなかなか進まない二人に。
タイトルはイタリア語で「秘密」。
イタリア語でがくルカの場合、舞台裏シリーズでございます。
今回は二人とも頑張ったんじゃないかなと思います(当社比)。
とくにルカさんね。
あと書いてて私が恥ずかしかったです。
スゴイナー。
ちなみに赤ずきんの話は私が実際に書いたことあります。
前のバージョンでアナザーサイド。
もう少し何かあとがきに書こうと思ってたんですけど何書くか忘れましたので思い出したら書きますね。
なんだったかなー。
「はーいじゃあ休憩!」
5月23日。
撮影で張り詰めていた空気が一気に和らぐ。
その場に座り込みたいけど生憎今は衣装(しかも制服)、汚れたりしてはいけないので立ちっぱなしである。
「ふう」
持参した水筒を手に取る。
ちなみに中身は麦茶。
暑い時期に飲むのがすごい好き。
現在、一番長いシリーズの撮影中でございます。
あ、休憩中だった。
「今日マスター機嫌悪いな」
ペットボトルを手にこちらに歩いてくる神威さん。
例によって白衣です。
そういう意味では普段と変わらない格好だから見慣れてる。
…二年半くらい見続けてるけどね。
「そうですね。なんか『お腹痛い☆』って言ってましたけど」
「いつもじゃねえかよ…いや、今日は重症ってことか」
「…なんで今日撮影入れたんでしょうね?」
「気分だろうな」
常に気分で生きているマスターは今日もマスターだった。
ちなみに機嫌悪いときはカットが多い。
多分今日はほとんどカットだろうな。
だってマスターがああだもん。
「そういえば神威さん。先日リンちゃんが昔話の絵本読んでたんですよ。部屋を掃除していたら見つけたそうで」
「……なんか聞き覚えあるぞそれ」
「で、『もっと面白くしてみよう!』って変な風にアレンジしてましたよ」
「ほう。…何て改造したのか大体予想はつくから言わなくていいぞ」
うん。
浦島太郎が途中から、一攫千金を目指して新薬を開発した乙姫様が竜宮城爆破しちゃう話になってた。
赤ずきんは狼と少女の対面で、少女による言葉の精神攻撃で狼は結局警察に売られ、少女は報酬をもらってぬくぬく暮らす話になっちゃってた。
もうリンちゃんなんであんな風に話いじるんだろう。
「白雪姫に至っては、継母への復讐にオレオレ詐欺を覚えた白雪姫が、道端で拾ったラジオをいい感じの値段で売りつけるという謎すぎる話になってました…」
「ごめん俺の想像超えてた。犯罪ダメ絶対」
リンちゃん…。
「でも私、白雪姫の話すごいなって思うんです」
「悪質なセールスをする白雪姫がか?」
「あ、そっちじゃなくて…大好きな人の誓いで目を覚ますって、すごいなって思ってて」
「(そんなんだったっけ、白雪姫)」
でも元の昔話は素敵な話が多いけど、面白くしてみるのもいいよね。
私も昔よくやったなあ。リンちゃんほど斜め上じゃなかったけど。
*
今日撮影したシーンは後日また撮りなおすことになった。
今は夕飯を済ませて、洗い物を丁度終えたところだ。
今日の当番は私だからね。
リビングに戻ると、皆自分の部屋に行ったみたいだった。
私の台本はここにあるし、自室まで行くのもなんだか面倒。
だからここで練習しておこうっと。
台本を手にとってソファへ目を向けると、そこには横になった神威さん。
よく見ると手に開いた台本が。
「あ…寝ちゃってる」
夕飯の後に寝転がるとやけに眠いからわかる気もする。
せめてタオルケットでもかけてあげようと立ち上がる。
そういえば、今まで彼とは恋人らしいことしたことなかったなあ。
自分の思いを伝えること自体が私には困難だから、今のような仕事仲間の関係のまま。
私からは恥ずかしくてできない。
かと言って、彼からはとくに何もない。
数ヶ月前の旅行(?)ではいいことあったけど、本当にそれだけで。
タオルケットを持ってきてかけてあげる。
白衣だけを脱いだ状態だから、サラリーマンが疲れて爆睡してるだけにも見えるけど。
「なんで何もしてくれないのかな」
私の性格にも問題はあるけれど、ちょっとでも期待したっていいじゃない。
今の無防備な状態だったら。
きっと、私だけの思い出にできるはず。
ゆっくりゆっくり顔を近づけて、そっと触れる程度のキスをして。
「…ばか」
自分でしておいて、すぐに口元を押さえる。
世の中の人々は、こういうこと平気でやってるんだ。
皆、凄い勇気の持ち主だ。
やっぱり私に恋愛は難しい。
その後、誤魔化すために缶チューハイを開けて、少しづつ飲みながら台本を読んでいく。
酔っているから顔が赤いのだと、そう見えればいい。
私だけの秘密にできれば――それでいい。
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【がくルカ】前夜祭に抱えし夢は【舞台裏】
12月24日。
街中が白い魔法に包まれる日。
街を歩く人々が、思い思いの感情を胸にその日を祝う。
息を吐けばそれは朝でも夜でも白く舞い上がり、小さく小さく分散されて静かに空中に消えていく。
ふわふわと舞い降りる粉雪は太陽の光で反射してきらきら光り、掴もうとすれば儚く溶けてしまう。
【がくルカ】前夜祭に抱えし夢は【舞台裏】
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【かなりあ荘】秋風
9月9日。
夏休みもとうの昔に終わり、全生徒(全国民?)が憂鬱な平日。
スイカも夏野菜も枝豆も美味しい季節が終わり、私はしょぼんとしながら時期が終わる枝豆をもぐもぐ食べる。ああでも枝豆本当美味しいもう幸せ。
学生は夏休みの課題(残り)をヒイヒイ言いながらやったり徹夜したり最早開き直って一切やらずに先生にそっと評価を落とされたりする時期。
大人は大人で大人の事情があって、いろいろ忙しくもちょっとだけ寂しい時期。
【かなりあ荘】秋風
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【がっくん誕】約束の地
嘘つき。
約束したのに。
どうして。
あなたは、……。
瑠花様へ
【がっくん誕】約束の地
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White happiness --後編-- 【かなりあ荘】
《with あゆみんさん》
「ハロー!ゆるりーさん!」
すぅさんとちずさんがこたつから出て行き、読書をしていた私。
ちょうどちずさんから借りていた本が読み終わったので返しに行き、そこでごたごたに巻き込まれ。
なんやかんやあって、リビングへ戻ってこたつむりをしていた私に、あゆみんさんが声をかけた。
White happiness --後編-- 【かなりあ荘】
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Memoria --『Fantasia』--
日を重ねるごとにわからなくなる。
年月が流れるほどに理解ができなくなる。
こんな感情が存在する、その理由に。
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彼女に出会って、考え方が変わった。
Memoria --『Fantasia』--
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dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑩~
徐々に暑さが遠のく九月下旬。
お客の少ないこの頃、ネルは特に依頼もないのに俺の部屋に入りびたりである。
「……暇ー……」
「本店の方は大丈夫なのか?」
「お客さん少ないのよこの時期って……ほら、ちょうど学生は新学期だったり、受験生は追い込みはじめだったり、社会人だっていろいろ忙しくなるじゃない? だから人がホント少なくてねぇ……あ、どっぐちゃんそこもんで~」
dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑩~
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【がくルカ】Liar
ねえ先生、知っていますか。
どんな人間にも守りたい存在があるんです。
それは形のあるものとは限らないんです。
例えば色褪せた思い出。
目を閉じればいつでも大切な人に会えるんです。
【がくルカ】Liar
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【カイメイ】Distance【Ⅰ】
彼の冷たい一言は、曖昧だった私の心を引き裂いた。
その言葉に昔のような温かさは少しも含まれていないのだと気づくのに数秒かかった。
何をしても楽しくない。
何をされようが上の空で返事をする。
時間の感覚さえもが曖昧で、もうどうでもいいやと投げやりになっていた毎日。
【カイメイ】Distance【Ⅰ】
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【がくルカ】Jackは甘き夢を見る【ハロウィン】
“trick or treat”
お菓子か悪戯か。
最初にその言葉を聞いたのはいつだっただろうか。
私にその言葉を教えてくれたのは誰だっただろうか。
今でこそよく聞くけど、当時の私には縁がなかったその言葉は、子どもの心をワクワクした気持ちで埋めるには十分で。
【がくルカ】Jackは甘き夢を見る【ハロウィン】
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【超遅刻】 Reencounter 【がくルカ】
1月30日
今日は私の誕生日
友達が祝ってくれるって言ってくれたけれども…
久しぶりにあの人に会ってみたくて
≪Reencounter≫
【超遅刻】 Reencounter 【がくルカ】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。