もう長くは生きられないって医者に言われた。
あの時の瞳、嘘ではなかった。
でも何度も繰り返した言葉なら
私は「一人の患者」に過ぎないよね
今日もまた吐く
淡い呼吸
絵の具の様な人生だった。
今日もまた水をつぎ足す。
この歌があなたに届く日
何人の人がいなくなっているのでしょう。
昨日より淡い呼吸
呼吸音に走るノイズ
そのまま肺にも流れ込む
そして全身に広がって
黒いノイズが火花を散らす
また少し淡い呼吸
絵の具に水を継ぎ足し続けて
そしていつか溢れる花のように
そのまま流れきったらその水はどこに行くのでしょう
(小さな声で)私の将来はケーキ屋さん
その将来に更新はなかった
淡い呼吸音
私の脳に流れる水
そしてタバコの煙の様に揺れる視線
ほつれる思考に香るのは
まるで甘ったるい金木犀
淡い絵の具
日に日に淡くなる思考
日に日に淡くなる私の瞳
そして全身に巡る赤
そして継ぎ足させる痺れの魔法
淡い輪郭
夕暮れに落とす影
私に影はあるのでしょうか
まあそろそろしたら影すら残さないけれど
あなたは私の影の形覚えててくれる?
私は希死願望を持つ人を否定しない
だって私はその人よりもその人の人生を知らないから
それはその人のありようで
私の今は私のありよう
それにそろそろ
私は神に殺される
淡い沈黙
乱れる呼吸
枯れ葉の様な涙
刻む指先
溶ける絶望
[弱くなる心拍数]
淡い絵の具(命)
※「淡い命(いのち)」と読んでいただけたら嬉しいです。
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