君恋【カイメイ支援】
投稿日:2009/07/13 02:48:32 | 文字数:3,140文字 | 閲覧数:957 | カテゴリ:小説
読んでくださった方、ありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
KAITO兄さんとMEIKO姉さんが好きすぎて妄想を垂れ流してしまいましたが、なんかこう、このふたりのあれがあれであれな感じを少しでも貴方様にお伝えすることが出来れば、貴方様に受け取っていただくことができれば、幸いです。
めーちゃん可愛いよめーちゃん。
――初めて見た瞬間にはもう好きになっていた。
「それ、一目惚れってこと?」
目を爛々と輝かせてミクが訊いてくる。口に出しては言ってこないけど、リンも似たようなものだ。リンの隣に座っているレンは、いつものようにそっぽを向いている。
「うーん。どういうのが、一目惚れ、っていうのか分からないけど、でも、そうなのかも知れないね」
そう答えると、きゃーっ、とミクとリンが高い声で叫んだ。ちょっと耳に痛いその声に、レンの機嫌がまた悪くなったような気がする。
「素敵っ!」
「だよねっ! 目を開いて最初に見たひとを好きになるなんて、ロマンだわっ!」
「ロマン……なのかな」
思わず苦笑いが浮かぶ。けれど、ミクとリンにはそんなことは関係ないみたいで、相変わらずきゃいきゃい騒いでる。
少し騒がしいけど、二人が楽しそうなのは見ていると俺も楽しくなるから嫌いじゃない。これでレンも一緒に笑っていてくれるといいんだけど、とそこでレンに睨み付けられていることに気が付いた。
「……なに、KAITO兄。何でおれのこと見てんの」
「なにがある、ってわけじゃないけど。理由がなかったら、レンのこと見てたら駄目かな?」
「駄目っつったら、見ないでくれんの?」
え、と一瞬言葉に詰まる。
じっと俺を見てくるその瞳が、どこまで本気なのか推し量ることができなくて、戸惑ってしまう。
「こらレン! 駄目でしょ、KAITO兄にそんな口の利き方!」
助け舟を出してくれたのはリンだった。レンが、俺から視線を外したのを見て、俺はほっと息を吐く。
彼に見据えられると息が詰まる。レンが嫌いだとか苦手だとか、そういうことじゃない。むしろその逆で、レンのことは大好きだし、もっと仲良くしたい。だけど、笑いかければそっぽを向かれるし、声を掛ければつれなくされるし、目を合わせると嫌われる。
少し、辛い。
「はいはい、分かったよ。で、何だっけ? 『最初に見たひとを好きになる』話だっけ?」
「そうそう、その話よ。ね、素敵よね」
「そお? 素敵、って言うけどさ。これ、インプリンティングとどう違うの?」
「……インプリンティング?」
はてな、とリンは首を傾げ、助けを求めるようにミクに目をやった。
「いんぷりんてぃんぐ……プリン?」
「いや、ミク姉、それはないって流石にあたしでも分かるかな……。で、レン。何なの、そのインプリンティング、って」
「要は刷り込みってことかな。ほら、動物は最初に見たモノを親だと思い込むとかって言うじゃん。それのこと」
「ほへー。レンは頭がいいんだねぇ。わたし、そんなの全然知らなかったよ」
心底感心したように、ミクが言う。けれど、レンはミクに褒められたっていうのに、これっぽっちも嬉しくないみたいにその言葉には何も返さずに、代わりに「で?」と、俺に訊いてきた。
「……なにかな、レン」
「だーかーらーさ。KAITO兄、初めて見た瞬間、好きになってたって言ってるけど、それってただのインプリンティングじゃないの?」
にやりとレンが笑う。
意地悪そうに、口元を歪ませて、レンが俺を笑う。
「最初に見たのが、例えばミク姉だったり、リンだったりしても、結局今と同じことを言ってたんじゃないの、って訊いてるんだよね、おれ」
咄嗟にリンが何か言おうとしたのが見えた。その向かい側でミクが言葉を失ったのも見えた。
けど、俺は微笑んでいた。
「そんなこと、ないよ」
レンの表情が険しくなる。
見つめられているというよりも睨み付けられている、と言った方が正しいくらいに、レンが俺のことを見据えている。
でも、俺の気持ちは穏やかだ。
「ミクとレンには失礼な話かもしれないけど、あの日あの時あの場所にいたのが、ミクだったとしてもリンだったとしても、今と同じなんて有り得ない」
目を閉じれば思い出せる――なんてちっぽけな想いじゃない。
目を閉じなくても思い浮かぶあの日あの時あの場所での最初の出逢いのその瞬間。
『――あなたがKAITO?』
『あはは、なにをきょろきょろしてるのよ。KAITO。いい? それがあなたの名前よ』
『KAITO、って呼ばれるのに慣れない? 大丈夫よ、その内慣れる。慣れるまで私が呼び続けてあげるから、大丈夫』
『あら、そういえば私ったら、あなたの名前は知ってるくせに、自分の名前を教えてなかったわね』
『いい? KAITO。一度しか言わないから、ちゃんと覚えておいてね。私の名前は――』
「世界で何番目に逢ったって、俺はめーちゃんのこと好きになるよ、絶対」
「なに恥ずかしいこと言ってんのよあんたーっ!!」
「うわわわわっ、めーちゃんっ!?」
振り返ると、いつの間にかそこにはめーちゃんが立っていた。
顔を真っ赤にして、俺のことを睨んでる。目がすごい角度で吊り上がっていて、ちょっと怖い。
「驚くのはこっちの方よ! KAITO、あんた、私がいないと思って一体何の話をしてるのよ!」
「え、何のって……」
俺はまずリンを見た。次にミクを見て、最後にレンを見た。
「めーちゃんのどこが好きなの、って訊かれたから、その話」
あ、めーちゃん、顔真っ赤。
「き、訊かれたからって、何でもべらべら素直に喋るんじゃないわよ、馬鹿! ああもう、あんた罰として今日の買い出し付き合いなさい! 重いモノこれでもか、ってくらい持たせてあげるわ!」
全速力で言い切って、めーちゃんは帰ってきたばかりなのに、また出て行こうとする。
「KAITO兄さん、追い掛けないと」
「MAIKO姉の荷物持ち、頑張ってね」
ミクとリンが口々に言ってくれるので、俺はめーちゃんの後を追おうとして、ふとレンと目が合うのが分かった。
「……レン、そういうことだよ。俺はめーちゃんを見たから好きになったんだ。順番なんて関係ない。好きになるって、そういうことでしょ?」
最初に見た誰かだから好きになったんじゃなくて、
めーちゃんを初めて見たから好きになったんだ。
「……KAITO兄なんか嫌いだ」
ミクとリンにはきっと聞こえてない声で言ったレンに、俺は同じ声で「ごめんね」と謝ってめーちゃんの後を追った。
どんどん先を行ってしまうめーちゃんに、俺は駆け足で追い付く。肩を並べると、めーちゃんが怒ったままの顔で俺に言った。
「ばかいと」
「顔、まだ赤いよ、めーちゃん」
めーちゃんが黙る。
黙ったまま早足で歩いているから、何だか怖い。
「……一升瓶、買うからね」
「え?」
「お酒。持って帰るのが嫌になるくらい、買いこんであげるんだから、後悔するのね」
「それは無理だと思うけど」
「言ったわね? 大した自信じゃない。身の程、って奴を教えてあげるわ」
怖いことを言われてるのに、俺は自分でも知らず知らず笑っている。俺の笑顔を挑戦と受け取ったのか、めーちゃんが自信満々に笑い返してくる。
違うよ、めーちゃん。
荷物持ちでも何でも、めーちゃんの隣に立っていられること、それが幸せ。
幸せなんだから、後悔するなんて無理だと思う。
無理だと思うけど、それはめーちゃんには教えないでおく。
自信たっぷりのめーちゃんの笑顔をまだしばらく見ていたから、俺はもう少しだけめーちゃんの隣を何も言わずに歩く。
目を閉じなくても、思い出そうとしなくても、寸分の狂いもなく重なるんだ。
――あの日あの時あの場所で目覚めたばかりの俺を導いてくれためーちゃんの笑顔。
俺がめーちゃんを好きになった笑顔を、もう少しだけ俺は眺めて歩き続ける。
願わくば、めーちゃんの隣でずっと、ずっと。
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2月14日
気づいて時計を確認したら既に23時近かった。
今日で残業何日目だろう、なんて数えるのも馬鹿馬鹿しい。
時期が時期だししょうがないと自分に言い聞かせて書類を束ねると、自然とため息が漏れて肩の力を抜くことができた。
電話とメールと、もう一度時間確認のために携帯を開くが、確認するのは時間だけだった。
ついでに寒さも確認できたところで帰路につく。
2月14日
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*小説*カイメイ*コイウタ*
こんな片想い、もう何年目?
一緒に過ごした時間も、とてもとても幸せで。
けど、伝えられない想いの分、切なくて切なくて。
だから、君に届け、僕のコイウタ。
コイウタ
*小説*カイメイ*コイウタ*
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お菓子と悪戯【カイメイ】
注意:ひたすらカイメイです。
実体化VOCALOIDのお話です。
独自設定をはじめ、ちょっと色々とやりすぎた感があります。
それでも読んでみる、という方は、前のバージョンからどうぞ。
お菓子と悪戯【カイメイ】
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すぐ傍で(カイメイ)
シャカシャカと微かな音が聞こえる。すぐ隣でめーちゃんがヘッドホンで音楽を聞いているからだ。どれだけ小さな音で、音洩れを気をつけていても、無音の部屋では僅かに聞こえてしまう。…まぁ、外じゃないから音量を気にする必要もないし、それなりの音量なんだろうけど。
手に楽譜を持ってふんふんと音を確認しているめーちゃん。この間貰った新曲だろう。まだ聞かせてもらってないからどんな曲かは知らない。でもやけに難しそうな顔してたから、めーちゃんの苦手なジャンルなのかもしれない。
耳をすませて洩れてくる音を聞き取ろうとするけど、流石に曲の雰囲気まではわからなかった。一応、耳に自信はあるんだけどなぁ。
諦めて息をつく。俺はつい最近新曲を歌ったばかりで、今はお休み。せっかく滅多にない休みなのに、めーちゃんが仕事だなんて。
本当はめーちゃんの収録はもうちょっと先で、今日だって好きな事をしていいはずだ。でもめーちゃんは歌うことに誇りを持っているから、仕事に手抜きなんて出来ない。だからギリギリまでちゃんと練習している。今回みたいに苦手な曲なら尚更。
すぐ傍で(カイメイ)
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歌に込められる思い
注意:「カイメイ」のカップリングが含まれています。
単独でも読めますが、前作「酔っ払い」と多少リンクしております。
今回も酔っ払った人物が出てきます。
ひたすら作者の妄想と設定が詰め込まれております。
そして結構長いです。
歌に込められる思い
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【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#13】
!!!Attention!!!
この度、ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、コラボ(二人)で書くことになりました。
自分が書く「青犬編」とつんばるさんの書く「紅猫編」に分かれております。
原作者様には全く関係なく、そして勝手な解釈もいいところで、捏造だろうと思われる部分もあると思います。
そういった解釈が苦手な方はブラウザバック推奨。
【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#13】
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【カイメイ】ホール・ニュー・ワールド
「わぁ、おねえちゃん、綺麗!!」
振り返ると、いつの間にか控え室の入り口にミクとリンが来ていた。
きらきらと輝かせた目で素直に褒められると、嬉しいより前に恥ずかしくなってしまう。
「…ありがと」
赤い胸当てに、赤い腰巻。
【カイメイ】ホール・ニュー・ワールド
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【カイメイ】マイリトルブラザー 後編
そっとカイトの部屋の扉を開けると、薄暗い部屋からかすかな寝息が聞こえた。
真ん中に置いてあるベッドに、毛布に包まったレンがいる。ベッドの上に腰掛け、そっとその髪を撫でると、リン同様、頬には少し涙のあとが残っているのが分かった。
「…メイコ姉…?」
目を覚ましたレンが、ぼんやりした顔で私の名前を呼んだ。寝起きがリンとそっくりだ。
「…少しは落ち着いた?」
【カイメイ】マイリトルブラザー 後編
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【カイメイ】マイリトルブラザー 前編
晩御飯の支度をしていると、腰元に衝撃が走った。
何かと思って振り返ると、大きな真っ白なリボンが背中で揺れている。どうやら腰に回っているこの手の主は、双子の姉の方らしい。
「どうしたの、リン」
「……」
ぐす、という鼻声で、リンが泣いていることに気がついて、私は水道を止めてから振り返る。どうしたの、ともう一度顔を見ながら問いかけると、胸元にしがみついて、リンが耐えかねたように泣き出した。 …この泣き方、レンとケンカでもしたかな。
【カイメイ】マイリトルブラザー 前編
プロフィールのテンプレがあればいいのに。
って思うくらいに、プロフィールって何を書けばいいのか分かんないです。
プロフィールをすらすら書けるひとってすごい。