ポーラースター

投稿日:2013/07/28 22:41:45 | 文字数:1,394文字 | 閲覧数:104 | カテゴリ:歌詞

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―――あの星だって本当は迷っているんだ。
闇を治めざるを得なかった夜鷹の羽の天使と、星が見捨てた世界で祈る少女のお話。

見て分かるように宮沢賢治の「よだかの星」をモチーフにした作品です。ポーラースターとは北極星のこと。天の北極の周りを小さな円を描いて回ります。
そろそろ空気も澄んで、星の綺麗な季節ですね。

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TEXT
 

世界が生まれる前 この宇宙は混沌で
神様のいたずらによって僕らは唐突にここへ解き放たれた
一番ダメな羽の僕が目を開け辿り着いたころには
もうこの黒い空しかここには残されていなかった

「どうしてもっと早く起き出してこなかったの」
「もうあなたに分けられるものはない、仕方がないからあの闇を治めなさい」
・・・それがあなたの望みなら受け入れましょう
こうして僕の羽は闇色に染まった

光の届かない、静寂 照らされるでも燃えて光るでもない
闇を好まぬ天使たちはこの翼を蔑み嘲笑った
空に輝く星々がすべての命の至高の憧れだとするならば
世の中すべての“醜いもの”の集合体が僕だとそう思っていた

ヒカリ瞬く闇の中みそっかすの迷子が一人
鷲も白鳥も鳳(おおとり)もみなダイヤのピンを飾り誇らしげに宇宙(そら)を巡る
せめてもと誰より美しく歌おうとした声も調子はずれ
ただ、闇の底で押しつぶされた 深い深い孤独の歌


寂しさに惹かれて 落ちてった青い星
気を失った僕を助けたのは小さな暖かい二つの手のひら
きらきら光る瞳で少女は驚きに目を潤ませ
「星が落ちてきた」とかすかに微笑(わら)い震える声で言った

雲隠れた空の星、眺め彼女は言う
「ネノホシも消えて戻ってこない、あんなに流れ星に祈ったのに」
「これじゃお兄ちゃんが帰ってこれないよ」
始めて手に触れた、誰かの悲しみ

光の見えない、夜の底 こぼれる青い泡は翡翠のナミダ
うち捨てられた旋律(メロディ)は僕の孤独の歌と同調した
小さな手、伸ばしそっと掬いとった 君に哀しみは似合わない
世の中すべての“嫌われもの”はみんな僕のものなんだ、食べてあげる!

星の消えた惑星(ほし)の上巡り会った迷子の二人
「大丈夫、僕が側にいるから」気づけばそう言ってた、彼女は笑った
暖かくて星よりきらきらしてる、これが「笑顔」っていうもの?
醜かった僕は微笑まれたことなど一度もなかった


本当はずっと昔に気づいていたんだよ、
多分臆病な僕は生まれ落ちる時を間違っただけ
飛び立つ怖さに負けて羽を開くのが遅すぎた

この宇宙の理(ことわり)を君は知らないだろう
ぶれないように見えるあの星も実は少しずつ航路をずれていること
闇を知る僕だけが その捨てられた知識を知っている
ならば答えはひとつ、「僕が星になりましょう」

決してぶれない、導きの星を
どんな光にも闇にも翳らない灯(ともしび)を


蒼い冬の明け方 他の星たちは眠りにつくころ
空気を鋭く震わせて、今、ヒカリに嫌われたみそっかすの羽が宇宙(そら)を揺るがす
怒号が僕を刺し凍った呼吸(いき)が砕けて漆黒の羽に絡みついた、
君がそれを見て言った 「まるで星空みたい・・・きれい」と

ひたむきな祈りと願いが 醜い黒い羽に光を宿した
そうだ、諦めさえしなければどんな暗闇にだって希望は生まれる
ぴかぴか輝くだけで結局は誰にも何もできなかった星たちよ
今、響くこの歌を聴け 宇宙(そら)に燃える生命(いのち)の歌

混沌の夜空を背に負って 僕は暗闇を飛んでゆく
凍った羽根も涙もすべて舞い落ちてはらりはらりと燃えて星屑になった
最後の最後で泣き虫の癖、 
言いたいことは一つだけ・・・「こんな僕を愛してくれてありがとう」
こうして宇宙にひとつ きらめく星が生まれた


不変の極北を示す星

青い物が大好きなしがない詩書き。
まったり気まぐれに、ひねくれた文章を書いてます。基本的に冷めてる。でも時々ふっ切れる。
お気に召しましたら読んでくださいませ。

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