八釜しの国
投稿日:2015/07/16 22:19:31 | 文字数:830文字 | 閲覧数:2,205 | カテゴリ:歌詞
八釜しの国の歌詞
二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
いつか終わりはくるんだ。その希望にひたすらに縋った。
食うや食わず集めた一滴の夢で花々、千々に代々に咲き乱れて、夢違うこの国を彩って
カン・ヤ・マ・カン。鳴り響くはじまりの台詞。僕らは
楽しいのか恋しいのか悲しいのか寂しいのか
わからないような物語の中で、溢(あぶ)れた感情に目を瞑って踊る人形だ
終日(ひねもす)釘を叩く鎚の音、引きも切らぬ歩みのなか轟に鳴った
非道く野放図に走る車の騒音で抜け落ちた言葉を探した。
広告電燈吐き散らす嘘、夜の目も寝ずに喋る街に耳を塞いだ
か弱い言葉は埋もれて消えた。伝わらない八釜しの無言劇(パントマイム)
変わらない世界恨んで、変われない自分を許した。
云うに云えず積み上げたあの日の言葉よ遍く其処に此処に散らばっては幸(さきわ)うこの国を壊して
カン・ヤ・マ・カン。響き渡るはじまりの歌。僕らは
愛しいとか嬉しいとか苦しいとか泣きたいとか
なみなみと注(つ)がれた物語の中で、零した感情を見失って惑う旅人だ
砂を噛むこの旅は続いてくようだ
甲乙(だれかれ)泣いて生まれてくるのは選べない世界を呪ってるからだ
本当に今が仕合わせなのかい?望まない舞台で踊ることが?
カン・ヤ・マ・カン。鳴り響くはじまりの台詞。僕らは
楽しいのか恋しいのか悲しいのか寂しいのか
わからないような物語の中で、溢(あぶ)れた感情に目を瞑って踊る人形だ
ステテレカン。錻力叩く五月蝿い行進
僕らは嬉しい時笑いたいし、悲しい時泣きたいけど
遅れないように足並みを揃えて自分の感情に嘘をついて歩く兵隊だ
八釜しいこの日々は続いてくようだ
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ワールドエンドブックエンド
煤煙燻る夜汽車につゆ揺られて、辿り着いたは無人境
憂き身に独り沈む私をもっと寂しがらせよ閑古鳥
繙(ひもと)き、読み解きまた繰(く)る頁(ぺーじ)
切れ切れ幾片(いくひら)の言葉が舞う
ひた集め知らぬ間に崖の縁
ワールドエンドブックエンド
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螺子式夢遊船
夕立呷り朱(あけ)染まる市街がぐでんぐでんと夜を吐いて
鬼灯みたいな飛行船団が寝入りばな君を誘った
左手(ゆんで)すり抜けたペーパーバックは溺れたように宙を舞って
夢と現実を綯い交ぜにしては歪な地平の夢路を行くけど
起きれば昨日の延長がただただ続いていくだけで
螺子式夢遊船
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言葉とエポケー
あやふやで不確かな言葉が澱のように積み重なっては
淀み、惑い、形をなくして喉の奥に溶けていく
あなたを語るに足る言葉は生憎、持ち合わせてなくて
戯けて口噤み笑っては、路傍の塵芥一つ蹴った
曖昧が募って
言葉とエポケー
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月並みの塔、イデアの月
「月並みの塔とイデアの月」
照らしはすれど暖めることのない
崇高な月の光をこの胸に
見上げた夕さりの空をきわやかに分かち聳える無骨の塔
下生えの蔦(つた)がひたと絡みつき、小暗い御空(みそら)に塗(まみ)れ行く
月並みの塔、イデアの月
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騒がば踊れと虚無の国
遠雷のように鳴りひびかう太鼓の音、地を這って
諸人(もろびと)賑々しく歌い、てんでに言祝ぎ、手を叩く
誰(だ)がためにでもなく、自分のためだけにさ柏手(かしわで)を
信じて仰ぐに足るものはここには何もないさ
突として湧いた蟠る感情。泥(なず)み淀み響(どよ)み胸に残る
騒がば踊れと虚無の国
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ボトルシップクロニクル
ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
ボトルシップクロニクル
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異国の街
異国の街のあなたに向けて 紙の飛行機、海に浮かべる
知らない街のあなたに向けて 送電線に手紙をくくる
行き場所のないあなたに向けて 一握の砂、小瓶に詰める
生き場所のないあなたに向けて 林檎の弾丸、背に撃ち込んだ
記憶、棺、日射病、苦痛、赤いジェラニューム
異国の街
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Dr.バロウズインザラボラトリー
燐光性の錆びた言葉が時計じかけの夢を見て
螺鈿細工の猫ヒゲ線が人工鳥の比喩に死ぬ
痛みが通る轍のあとに複数形の白昼夢
君が作った〈世界の終り〉手品まがいの琥珀の音
白黒衝動、逃げる舞踏狂
Dr.バロウズインザラボラトリー
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ハイティーンアジテーション
青年少年、鬨の声を上げろ
後塵拝すは不甲斐無きと思え
嘲笑、豪雨どこ吹く風進め
か弱き、幼き、革命兵
遅れ馳せ登場 悪のアジテーター
ハイティーンアジテーション
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廻るデカダンス通り
眠たげな小路、赤い窓、街灯の明り、盲目の娼婦
廃屋で猫がニャーと鳴く、乱痴気騒ぎとはびこる悪習
虫喰いの聖書、ガラス玉、ムクドリの子ども、淀む六ペンス
全てを売って手に入れた 拳銃忍ばしこの街を歩く
あなたはいつも我が儘ね、熱病患者のように震えて
廻るデカダンス通り
オリジナル曲作ってます。
ブログ
http://ameblo.jp/a-march-hare