語り部の囚人

投稿日:2009/10/31 17:30:41 | 文字数:958文字 | 閲覧数:227 | カテゴリ:小説

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語り部シリーズ17作目です。

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語り部の囚人
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのは作越しに恋をした囚人のお話です。

その囚人は自由を奪われ、迫害を受けており、そんな中で柵の外から囚人を見ていた少女に恋をしたそうです。
そしていつからか、囚人は少女に気持ちを伝えるため、
手紙を書き紙飛行機を折り、少女の元へと飛ばしたそうです。
自由になれる事など嘘でしかないと知っていても、少女がそう告げれば、
どんな嘘でも本当になる気がするほど、囚人にとって少女は信頼できる
大切な存在になっていたそうです。
囚人が心から思っていることは、決して少女には伝わることが
ありませんでしたが、少女を見ることが、明日へのささやかな幸せだった
そうです。

紙飛行機を飛ばすようになってから、幾日幾月の時が過ぎる中で、
1つ、また1つと増えていく少女の紙飛行機が、囚人の喜びとなったある日、少女は突然、遠くに行くからもう会えない。そう告げて、
明るく笑って見せたそうです。囚人の涙など、気にも留めずに。

少女と別れて以来、囚人は日々を泣いて過ごしたそうです。そして、
唯一の希望だった手紙も、ある日看守に見つかってしまい、
破り捨てられてしまったそうです。
ごく僅かな希望もはかなく消え、ただ少女のことを思い出しては、
呼ぶことも追うこともできないと泣き悔やみ続けたある日、
ついに囚人の処刑される番がきたそうです。

もはや、何も未練など無かったのですが、最後に、もう少しだけ生きて、
少女に逢いたいと心から願ったそうです。

しかし、願いが叶う事はなく―

囚人は少女と過ごした戻らぬ日々を走馬灯のように思い出し、
それら一つ一つが生きる糧になっていたことを感じたそうです。

まるで闇が渦を巻く雑草の傍に咲く、美しい一輪華のように、
生きる世界の違った少女に、手が届くことは無いと知っても求め、
手を伸ばして―

「僕をあの子と話をさせて」そう叫びながら、囚人は亡くなったそうです。

いかがでしたか?私のお聞かせした物語は。次に来られたときは、この物語に出てきた少女の物語をお聞かせしましょう。今日のところはここでお開きにしましょう。帰り道にはどうぞお気をつけて。よければまた、私の物語を聞きにいらして下さい。それではさようなら。

語り部シリーズぜひぜひコメントを!



うろたんだーと幻想狂気曲をこよなく愛すことをここに誓う!

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