【MEIKO誕】Obbligato 下【カイメイ】
投稿日:2011/11/05 10:45:51 | 文字数:2,475文字 | 閲覧数:798 | カテゴリ:小説
わっふー! どうも、桜宮です。
Obbligato下、いかがでしたでしょうか。
元ネタはツイッターのキスシチュ診断だったりします。ひと月近く温めた結果がこれだよ!
本当は最後のカイトのセリフもあったのですが、いろいろ考えて、ない方がお話が膨らむかな、と、ぎりぎりになって削りました。
実際のセリフはどうだったのかはご想像にお任せします(笑)
さて、今回のタイトルですが……頭文字Oまできたんか……自分でもここまで続くと思ってなかった……。
とは言ったものの、Obbligatoは英語ではなくイタリア語です。いわゆる対旋律を表す音楽用語で、もともとの意味は「不可欠な」。
音楽を構成するメロディと、伴奏と、オブリガート。
この設定でのメイコさんにとって、メロディは悠さんです。それは少なくとも私の中では、どのVOCALOIDにも言えること。マスターがいなければ彼女らVOCALOIDは成り立たないですから。
伴奏は言わずもがな、メロディ以外の知り合った人たちみんなです。好きな人も嫌いな人も、いなければ「今の自分」もいないというのが私の持論でして。
では、メロディ以外の、不可欠な誰か一人は……と考えて、このタイトルにしました。
少し、直球すぎましたかね。書いてて恥ずかしかったです、てへ。
でも一番楽しかったのは実は上での悠さんのターンだったり←
では、ここまで読んでくださってありがとうございました!
そして改めて、めーちゃんお誕生日おめでとう!
一度、台所に行って作ってきたココアを差し出すと、カイトはどこか気落ちした様子でそれを受け取った。
「やっちゃったなあ……」
「そんな気にすることないわよ。マスターだって、あれくらい何とも思ってないみたいだし」
「いや、それもあるけど……マスターに先を越されたと思うと……」
驚かせたかったのになあ、とカイトは嘆息する。が……私は前に不意打ちを食らっているのだ。
彼がサプライズを企画していたとしても、生憎、一度驚かされてる身としては、自分の誕生日をうっかり忘れる事は、しばらくはないと思う。
……彼には、少し申し訳ないけれど。
―Obbligato―
下
しばらく1人で落ち込んだら気が済んだのか、カイトは意外と早く立ち直った。
ココアを一口飲んで、そのマグカップを両手の中でくるくると弄ぶ。
「熱かった?」
「ううん、平気。それにしても、マスターも酷いよね……なんかすごい楽しそうだったんだけど、あんな人だっけ?」
げんなりした様子で言うカイトに、私も苦笑を返す。
「最近なかったけど、考えてみれば、ああいうネタは好きな人だった気がするわ」
「正直、疲れるんだけど……いや、真に受ける俺がどうかしてるんだろうけどさ……」
はあ、と何度目かの溜め息を吐いたカイトに、私は笑いそうになった。
彼としては、自分のマスターに嫉妬している状況が嫌なのだろうが、私からすれば、実は少し嬉しかったりする。
もちろん、マスターは冗談が過ぎる事がしばしばあるが、本気で他人の恋路に干渉して邪魔をするような人ではない。カイトもそれをわかっているから気にしているのだろうが、この大人しい男が少しでも私への独占欲をちらつかせる相手も、今のところ、マスターくらいのものなのだ。
そもそも元を辿れば、私とカイトがお付き合いを始めたきっかけも、カイトがマスターに嫉妬したからだし、それを思うと、少し懐かしくもある。
少しばかり自惚れているのかもしれないが、これくらいは許されるだろう。
「それで?」
「ん?」
「マスターに先を越されたって言ったけど、カイトは何をしてくれるのかしら?」
意地悪をするつもりで問いかけると、恨めしげな目を向けられた。
「めーちゃん……自分でそういう事、言う?」
「いいじゃない、誕生日くらいわがままになったって。前は驚かされたけど、今回はどっきりは遠慮したいし」
しれっと言い返すと、また諦めたような溜め息を吐かれたが、そこには苦笑いが混じっていた。
「仕方ないなあ、メイコは」
呼称が変化し、彼が2人きりの時の顔になる。
ちょいちょい、と手招きされたので近くに寄ると、ぐいと抱き寄せられた。
「去年は、間に合わなかったから……今年は何かあげたかったんだけど、やっぱりなかなかいい案が出なくて」
穏やかな、でも家族に対するものとはどこか違う声に、黙って聞き入っていると、不意に左手が彼の両手に包まれる。
「だから、これくらいしか思い付かなかったけど……今度、指輪買いに行かない? 2人で」
その『指輪』の意味をはかりかねて、数秒間考えたが、理解した途端かあっと顔が熱くなる。
私とカイトの左手薬指には、互いの名前を彫った指輪がある。
それ自体は定価500円の安物で、人間の真似事にもならないかもしれないが、それでも2人を繋ぐものがあることが嬉しかったものだ。
ただ、これは私たちが相手へ贈ろうと、1人で買いに行ったものだ。2人で見比べて決めたわけではないし、ペアリングでもない。
「い、一緒にって……」
「俺たちは人間じゃないから、結婚なんてできないし子供だってつくれないし、ただ真似るくらいしかできないけど……でも、ちゃんとメイコと一緒に、メイコと一緒のものを探したいと思って」
少し目を伏せて、私の左薬指にキスをされる。それが、なんだか壊れ物を扱うような、怖々といった仕草で、何故だか胸がきゅうとした。
「……いいのかしら」
「いいというか……メイコが嫌なら、何か別のものを考えるけど」
「嫌、じゃ、ないけど……それ、あんたがしたいことでしょ」
ほとんど決め付けるような言い方をしてしまったが、返す言葉がなかったらしい。カイトは困ったように眉を八の字にして、薄く笑った。
「だめ、かな」
「ダメじゃないけど、ズルいわ。私の誕生日なのに、カイトのやりたい事がプレゼントなんて」
嬉しくないわけではもちろんないけれど、なんだか少しだけ、悔しい。
「だから、ちょっとわがまま聞いてもらっていい?」
「いいも何も、わがままになるって言ってたじゃないか。……何?」
意を決して、じっとこちらを見ている青い眼を見上げる。
彼の言ったとおり、私たちは人間じゃないから、人間のする事を真似る、ごっこ遊びしかできない。
でも、人間ごっこだったとしても、それを真似たいと思うほどには、カイトは私にとって不可欠な個人になっていて。
彼もそう思ってくれているといいな、と願いつつ、私はゆっくりと言葉を絞り出した。
「形だけしかできないけど」
「うん」
「本当にできるわけじゃないけど」
「うん」
「……カイト」
一度名前を呼んでから、私はすう、と息を吸い込んだ。
「私を、貴方のお嫁さんにしてくれる?」
驚いた顔が見えたのは、一瞬。次の瞬間には、カイトに抱き締められたまま、口付けられていた。
彼にしては少しばかり乱暴なキスに驚いたものの、それほど余裕をなくしたのかと思うと、してやったりという気分になる。
「ああ、もう……こういうのは俺の方から言いたかったのに」
「一緒に指輪買いに行くんじゃないの?」
「それとこれとは別」
「そういうものなの……で? お返事はいただけないのかしら?」
ふざけた調子で言ってみたが、照れは隠しきれていないだろう。
カイトの方も照れくさいのか、ごまかすように私を抱く腕にぎゅうと力が入る。
それでも、耳元で聞こえた掠れた低い声は、私は今後、忘れることはないと思う。
-
【MEIKO誕】Obbligato 上【カイメイ】
夏もとうに過ぎ去り、快晴でも肌寒く感じるようになってきた。去年買ったカーディガンを羽織って、ほうと、息を吐く。
ふと近くで着替えている妹たちに目をやると、私の視線に気付いたか、落ち着かない様子で、ごまかすように薄手のコートを着て部屋を飛び出していった。
よそよそしい態度だが、気にはならない。むしろ微笑ましくて笑ってしまわないよう必死だ。
今日は11月5日。私の誕生日だ。
―Obbligato―
【MEIKO誕】Obbligato 上【カイメイ】
-
十一月五日。
十一月五日。
それは、当たり前の日常が、ちょっとだけ特別で、とてもいとおしく思える日。
十一月五日。
-
【カイメイ】カイトさんの男の余裕
「もうっ!おにいちゃんとはお買い物行かないっっ!!」
帰って早々リビングに買い物袋をぶちまけ、ミクは頬を膨らませて叫んだ。
大小色とりどりの紙袋、中身は洋服だったり鞄だったり雑貨だったり。
今日は久々のオフにミクが買い物に行きたいというので、丁度同じオフだったカイトが荷物持ちとして同行したのだが。
「どしたの、カイ兄なにしたの?」
【カイメイ】カイトさんの男の余裕
-
残る言葉【カイメイ】
注意:オリジナルのマスター、実体化のカイトとメイコが出て来ます。
カイメイです。そして短いです。
苦手な方はご注意の程を。
「はい、メイコさん。これあげる」
そんな言葉と共にカイトが差し出したのは淡い水色の封筒。
残る言葉【カイメイ】
-
【カイメイ】カイトさんのシャオメイコ【祝・DIVA!】
「め・ぇ・ちゃああああああああん!!!!!!!!!!」
突然飛び込んできた声に目を丸くして振り向くと同時、ソファの後ろから体当たりで抱きつかれ、メイコは飲んでいたしょうが湯を危うくこぼしかけた。
「こらぁカイト!」
ちょっと、なんか似たようなことがついこの間もなかった?何これデジャヴ?と思いながら、背後に首を曲げて怒鳴る。
「いきなりなんなの兄妹そろって同じことして!!」
【カイメイ】カイトさんのシャオメイコ【祝・DIVA!】
-
【亜種&グロ注意】―Accident― 第三話
!注意!
今回は流血注意です。
嫌悪感を感じる方は、見ないことをお勧めします。
【亜種&グロ注意】―Accident― 第三話
-
【オリジナルマスター】Lullaby 第一話【注意】
突然だが、俺の趣味は楽曲制作でも音楽鑑賞でもない。両者とも、めーちゃんたちをうちに迎えてから趣味に変わった――趣味に変わりかけている、と言った方がしっくりくる。何せ、今でも楽曲制作は苦手なんだ。
では何が趣味かというと、意外だと言われたりもするのだが、散歩だ。
―Lullaby―
第一話
昔から、暇だったり、イライラしたりした時の気晴らしや、時には意味もなく、近所を歩いて、帰ってくる。
【オリジナルマスター】Lullaby 第一話【注意】
-
未来飛行・前編
こちらは“BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」” を原曲として書いた二次創作です。
ミクもミクのマスターもバンドのメンバーも、原曲を奏でる彼らをモチーフにはしていますが、すべて私の妄想です。正しくは、ミクさんもバンプも好きすぎてこの楽曲にかなり興奮して勝手に私、妄想しちゃったよ、的な話です。好きすぎて「こんな感じだったらいいなぁ~」とこじらせた結果です。作中の彼らの言動はすべてフィクションなのでご了承ください。
すべて私が勝手に妄想した話を、それでもいいよ、という方は前のバージョンで読み進めてください。
未来飛行・前編
-
【カイメイ】 Error番外編 3
…俺はあの3人をなめていたようだ。
あのはしゃぎようでは、バテるのも早いだろうと思っていた。特にリンは。
だが。
「こ…子供って…元気なんだね…」
「何を…おっさんくさい事…言ってんのよ…」
【カイメイ】 Error番外編 3
-
【亜種注意】―Accident― 最終話
!注意!
この先、KAITOの亜種がいます。
嫌悪感を感じる方は、見ないことをお勧めします。
【亜種注意】―Accident― 最終話
KAITOに続いてMEIKOもお迎えしたようです。やはりもっぱら喋ってます。
作品数が増えてきたので、ブクマにてまとめを作成しました。
突発的に思いついた事をひたすら文章にしている、ちょっと頭の悪いヤツです←
調子がいいと一日に数本書けますが、悪いと数ヶ月放置してしまったり、筆の速度にすごく波があります。
年長組(特にKAITO)が大好きなようです。
カイメイは正義!が信条です。
亜種もそこそこ好きみたいです。帯人とか、KAIKOとか…あれ、KAITO亜種ばっかり←
あ、最近はMEITOも好きだったりします。
ネタも大好きですが、上手く文で表せず、代わりに書いた文はほのぼのとか時々シリアスとか…あれ?orz
ブログ始めました。→http://haru202.blog54.fc2.com/